標高600m、山あいにひっそりと佇む“青の街”シャウエン。
4泊の滞在のうち、最初の3泊の拠点に選んだのは、メディナ内にある可愛らしい内装の宿「Hôtel Ouarzazate」。
期待していた涼しさは、まさかの猛暑で裏切られたけれど、扇風機のおかげでなんとか快適に過ごせた。
朝の街歩きでは、水色に彩られた静かな路地と、あちこちに現れる子猫たちに癒やされ、ローカル感の残るカフェでの朝食も大満足。
バスチケット購入や屋台の果物を楽しみつつ、午後はブログを書きながら静養にあてた。
物価が高騰する中でも、シャウエンはおサイフに優しく、旅の小休止にはぴったりの街。
前回は見送ったこの街で、2度目のモロッコ旅にふさわしい、穏やかな一日を過ごすことができた。
メディナ中心にある可愛い宿「Hôtel Ouarzazate」で3泊滞在

シャウエンでは4泊する予定だが、最初の3泊は「Hôtel Ouarzazate」という宿に滞在。
メディナの中でも便利な立地にありながら、ダブルルームの個室(共用バスルーム)で1泊あたり約2,500円とリーズナブルな価格設定。

エアコンはないものの、廊下に面した窓と扇風機のおかげで、意外にも快適に過ごせた。
シャウエンは標高600mの高地にあり、リフ山脈のふもとの地形に囲まれているため、朝晩は涼しく、夏でも比較的過ごしやすい気候だと聞いていた。
例年なら最高気温は30度以下とのこと。
そんな環境で5日ほどゆっくり過ごそう──そう思ってこの街を訪れたのだが……
到着早々、まとわりつくような熱気に包まれて「えっ、思ってたんと違う…( ゚Д゚)」と困惑(笑)
地元の人によると、今年はモロッコ全土で異常気象が続いていて、シャウエンでも35度を超える日があるとのこと。
マラケシュやフェズほどではないにしても、「涼しい場所でのんびり作業&休養」の目論見は、見事に裏切られたかたちとなった(‘A`)
それでも、部屋に扇風機があったのは本当に助かった…!

宿の内装は水色を基調にした可愛らしいデザインで、まさに“シャウエンらしさ”が詰まっている。
宿にいるだけで気分が上がるし、旅の気分もふわっと華やぐ。

屋上には洗濯物を干せるスペースもあり、乾燥した暑さのおかげで数時間でカラッと乾くのがありがたい。
屋上からは青く彩られた街並みが一望でき、その景色もまた格別だった。
青く彩られたシャウエンの街歩きとローカル朝食

朝食ついでに、まだ静かなシャウエンの街を散歩。
どこを見ても絵になる美しさで、やっぱり「青の街」の名は伊達じゃない。

宿のすぐ近くにあるハウタ広場には、昔ながらの水飲み場(公共の泉)が残っていて、地元の人々が水を飲んだり顔を洗ったりしている姿が見られた。
こうした泉が街の各所にあるのも、山間の街ならではの風景だ。

街中の階段や壁も水色に塗られ、住民によってこまめに清掃されているおかげで、街の美しさがしっかりと保たれている。
写真を撮りたくなるスポットがあちこちにあり、朝9〜10時ごろなら人も少なく、のんびり街歩きを楽しめるのでとてもおすすめ。

散歩のあとは、ローカルなカフェ「Cremeri Elmaataoui」で朝食。

ハム・チーズ・卵が入ったサンドイッチと、定番のミントティーをセットで注文。
なかなかのボリュームだったが、18ディルハム(=293円)とお手頃価格だった。

シャウエンは、猫の多い街としても知られている。
なかでも子猫の姿が目立ち、道のあちこちでよちよち歩きしている様子がなんとも可愛らしかった。
タンジェ行きバスチケット購入と屋台フルーツ

朝食後は、昨日CTMのバスで到着したGare Routière(長距離バスターミナル)へ。
昨日は夜遅かったためタクシーを使ったが、実は宿から徒歩15分ほどの距離。
坂道の多いシャウエンを汗だくになりながら歩いて向かった。
目的は、8月9日に乗る予定のタンジェ行きのバスチケットを購入するため。

まずCTM社の窓口に行ったところ、9日はすでに夜の便しか残っておらず満席状態。
数日先なのにこの混雑ぶりには驚いた。
代わりに、すぐ隣のNejme Chamal社へ。
こちらは2時間おきに便があり、朝10時発の便を予約することができた。
チケット代は50ディルハム(=815円)。
ややローカル感の強い会社なので設備は若干心配だが、3時間弱の距離なのでまぁなんとかなるだろう、と即決。
これでひと安心。

帰り道、少年が道端で売っていたブラックベリーを10ディルハム(=163円)で購入。

さらに、別の屋台で搾りたてのオレンジジュースも同じ値段でゲット。
宿に戻ったあとは、ブログを書きつつ、のんびり過ごすことにした。
というのも、実はここしばらく体調があまり良くない。
エッサウィラ後半から続いている不調の原因は、おそらくマラリア予防薬の副作用。
本来なら感染エリアを離れてから28日間は服用を続けるべきなのだが、あまりに副作用がきつく、すでに服用をやめてしまっている。
飲むのをやめたことで腹痛や吐き気は収まったけれど、頭痛がずっと続いていて、なかなかしんどい。
今日は無理をせず、しっかり休むことを優先。
夕食は「Restaurant Morisco」とシャウエン物価事情

夜は、メディナの中心にあるウタ・エル・ハマン広場の「Restaurant Morisco」で夕食。

注文したのは、ひき肉とチキンのミックス串焼きとミントティー。
ご飯、ポテト、野菜の付け合わせ、パンやオリーブまでついていて、見た目もボリュームも大満足。
これで90ディルハム(=1,468円)ならかなり良心的な価格だと思う。
モロッコは「安く旅できる国」というイメージを持たれがちだが、実はそこまで安くはない。
特にコロナ以降は物価が大きく上がり、都市部では以前の2倍近くに感じることもある。
観光都市のマラケシュは特に物価が高く、リゾート地のエッサウィラもそれなりにお金がかかる。
その点、シャウエンは鉄道駅もなく、山あいにひっそりと佇む小さな街。
アクセスの不便さから観光客は比較的少なく、まだローカル価格が残っているため、旅人にとってはありがたい存在だ。
観光日数の限られる日本人旅行者は、どうしてもマラケシュ、フェズ、サハラ砂漠といった“王道ルート”を中心に回ることが多く、シャウエンやエッサウィラはスキップされがち。
私自身も1回目のモロッコ旅行ではそうだったけれど、今回は2回目。
前回行けなかった街にじっくり滞在することで、モロッコの違った魅力に触れることができている。
思ったよりも暑さが厳しいのは想定外だったけれど、シャウエンは旅の小休止にはぴったりの街。
ここで少し立ち止まり、体調を整えて、これから続くヨーロッパの旅に備えていきたい。
8月6日:使ったお金
8月9日に乗車予定のバスチケットを本日購入。
・朝食(サンドイッチセット):18ディルハム(=293円)
・バス代(シャウエン→タンジェ):50ディルハム(=815円)
・ブラックベリー:10ディルハム(=163円)
・オレンジジュース:10ディルハム(=163円)
・水:6ディルハム(=97円)
・日焼け止め:70ディルハム(=1,141円)
・夕食代(串焼き等):90ディルハム(=1,468円)
合計:4,140円