モロッコ最終日、朝6時前に宿を出て、配車アプリで呼んだバイクタクシーで港行きバス乗り場へ。
アクセスの悪いタンジェ新港までは、路線バスで向かうことにした。
港では事前に予約していたARMAS社のフェリーチケットを受け取り、両替やサンドイッチの朝食を済ませ、いよいよ憧れのジブラルタル海峡越えへ。
車ごと乗船するモロッコ人ファミリーで満席になった船は、2時間遅れでスペイン・アルヘシラス港に到着。
この旅で初めて踏み入れるヨーロッパは、物価も言葉も時差も一気に変わり、宿は一軒家タイプのAirbnb風。
夕食は地元客で賑わう食堂で、ムール貝や牛肉のトマト煮などのタパス3品を堪能した。
今日は、モロッコからヨーロッパへと海を越え、文化も景色もがらりと変わる、大きな転換点となった一日だった。
バイクタクシーと路線バスでタンジェ新港へ
朝6時前、宿をチェックアウトし、Grand Soccoで配車アプリ「Indrive」で呼んだバイクタクシーに乗り、バス乗り場へ向かう。
料金は20ディルハム(=327円)。
タンジェ新港(Tangier Med)は市内から約45kmも離れており、アクセスはかなり悪い。
タクシーだと高額になるため、今回は路線バスを利用することにした。
ただし、このバスが少々厄介で、Googleマップに表示されている停留所は間違っている。
宿のスタッフやキャメルに場所を確認し、ようやく正しい乗り場へ辿り着いた。

乗り場はタンジェ鉄道駅のすぐ近く、上記マップの位置だ。
朝6時過ぎという早朝にもかかわらず、すでに多くの人が並んでいるので、標識がなくても迷うことはない。
ここからはさまざまな行き先のバスが発着するため、間違えて別のバスに乗らないよう注意。

タンジェ新港行きは「I3」(アルファベットのI+数字3)バス。
定刻の6時40分に到着し、乗車口には我先にと人々が押し寄せる。
まるで席取り合戦だ。
運賃8ディルハム(=130円)をドライバーに払って乗り込む。

Port Tanger Medのひとつ手前、Ksar Sghirという停留所で下車。
目の前には白い大きな建物があり、そこがタンジェ新港だ。
タンジェ新港でわくわくの出航待ち

Googleマップでは「Tanger Med Port Center」と表示される建物が港。
建物前の駐車場に外階段があり、それを降りると1階のフェリーターミナル入口に出る。

入口で手荷物検査を受けて中へ。

ターミナル1階には複数のフェリー会社のカウンターが並んでいる。
私は事前にARMAS社のチケットを予約済みだったので、ここでボーディングチケットに引き換えた。
乗船はタンジェ港10時発、スペイン・アルヘシラス港12時半着の便。
Ferryscanner経由で予約したため29.5ユーロ(=5,293円)とやや割高だった。
本当は公式サイトの方が安いのだが、クレジットカード決済が弾かれて断念。
市内窓口での購入も考えたが、夏のバカンス時期で満席リスクが高く、念のためネットで押さえておいた。

8時過ぎにチケットを受け取り、しばらく椅子で待機。
1階の両替所で残りのディルハムをユーロに替えようとしたところ、「50ユーロ以下は売店で」と案内された。
両替所の目の前にある売店で150ディルハムを13.5ユーロ(=2,326円)に両替。
レートは街中よりやや悪く、120円ほどの手数料がかかったが、昨日の分と合わせて73.5ユーロ(=12,149円)手元にあるのは、航路移動の安心材料になった。

売店で卵&チーズのサンドイッチとヨーグルトジュースを購入。
そういえば、ヨルダンからエジプトへ船で渡った時もサンドイッチを食べていたっけ。
今回は旅の中で2回目の「航路での国境越え」。
しかも憧れのジブラルタル海峡だと思うと、胸が高鳴る。

1階奥の搭乗ゲートへ向かうと、職員に止められ、しばらく待機。

昨日描いてもらったヘナを眺めながら時間を過ごす。
結局、出航予定の10時になってようやくゲートが開き、イミグレーションを通過して待合室へ。
船の遅延は覚悟した。

待合室で待っているとスタッフが案内に来て、バスに乗り込む。
私を含め10人ほどいたが、どうやら別の船に乗る人も混ざっており、「2番目に停車する場所で降りるように」と指示された。

指示どおり2番目の停車場所で下車すると、目の前にフェリーが。
右側の歩行者用タラップから船内へ。
海峡を渡ってアルヘシラスへGO!

船内は広く、カフェもあり、価格表示はユーロ。
一気にヨーロッパの空気を感じる。
最初はガラガラだったが、後から自家用車組が続々と乗り込み、あっという間に満席に。
ほとんどがスペインに暮らすモロッコ人ファミリーで、夏休みに里帰りを終えて帰国するところだった。
やっぱりネットで予約しておいて正解だった…と心から思った。

船は2時間遅れで、ようやくスペインのアルヘシラス港へ到着。
歩行者専用タラップを降り、案内に沿って道なりに進むと、入国審査場があった。
審査は何の質問もなくスタンプが押され、ついにヨーロッパの地を踏む。
Airbnb風宿で迎えるヨーロッパ最初の夜
アルヘシラスは観光都市ではないが、やはりヨーロッパなので物価は高め。
港やバスターミナルに近い便利な立地に宿を取ったが、シングル個室・共用バスで1泊6,101円もした。
宿は一軒家タイプのAirbnb風。
到着時に電話すると玄関を遠隔操作で開けてくれ、中に入ると複数の部屋が並んでいる。

事前にWhatsAppで聞いていた自分の部屋番号へ行き、ドア横のキーボックスに暗証番号を入力すると、中から部屋と建物の鍵が出てくる仕組みだ。
慣れていないとちょっと手こずる。

部屋はエアコン完備でテーブルもあり、快適に過ごせる空間。
朝早くからの移動で疲れていたため、夕方までベッドでひと休みした。
地元食堂で味わうタパスの夕食

夕方、海辺にある「Restaurante El Pargo」へ。

地元客で賑わう人気店だが、この時間帯はカウンターに並ぶタパス料理のみの提供とのこと。
港町らしいシーフードをたっぷり食べたかったが、仕方ない。

注文したのは、ムール貝、ツナポテトサラダ、牛肉のトマト煮の3品(各2ユーロ)。
ジュースは1ユーロで、パンやスナックはサービスだった。
物価の高いスペインで、合計7ユーロ(=1,206円)で夕食を済ませられたのはかなりお得。
英語はまったく通じず、スペイン語をGoogle翻訳しつつ、ジェスチャーでなんとか注文。
メニュー表もなく、値段がわからないまま少しドキドキしていたが、良心的な会計にほっとした。
アラビア語・フランス語圏のモロッコから、一気にスペイン語圏へ。
そして、時差も1時間進む。
アルヘシラスでは1泊し、翌日は市内観光と、すぐ近くのイギリス領ジブラルタルへ日帰りで行く予定。
EU圏外なのでパスポート必須だ。
夜は夜行バスでポルトガルのリスボンへ向かう。
明日は盛りだくさんの一日。
歩いて国境を越えるワクワクを胸に、その夜は眠りについた。
8月11日:使ったお金
11日に払ったバイクタクシー、バス代、朝食代は、モロッコでの合計に含めるため10日分に計上しています。
・フェリー代(タンジェ→アルヘシラス):29.5ユーロ(=5,293円)
・宿代(1泊分):34ユーロ(=6,101円)
・SIM代(1日2GB15日分):1,745円
・夕食代(タパス等):7ユーロ(=1,206円)
・水:1.5ユーロ(=258円)
合計:14,603円