ポルト最終日。
朝の涼しさのなか、展望台「Miradouro da Vitória」からドウロ川や橋、ワイナリー街を見渡し、リベイラ地区ではカラフルな街並みをのんびり散歩。
坂道の先にあるポルト大聖堂では、美しいアズレージョや塔の上からの絶景に癒される。
午後はドン・ルイス1世橋を渡ってワインの街・ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアへ。
ワイナリー見学はあえてスキップし、テラスバーでロゼと白のポートワインをゆったり飲み比べ。
最後の夜は郷土料理ディナーで締めくくり、バカリャウのコロッケとフェイジョアーダを味わった。
荷物をピックアップしてからは、バスターミナルまでの夜道をのんびり歩き、旅の余韻とともに、スペイン・マドリード行きの夜行バスに乗ったのだった。
旧市街の展望台からリベイラ地区へ、朝のポルトを歩く

今日はポルト最終日。
朝の涼しいうちに観光をして、午後はポートワインのはしご酒でひと休み──そんなプランで一日をスタート。

最初に向かったのは、旧市街にある無料の展望スポット「Miradouro da Vitória」。
ここからは、ドウロ川やドン・ルイス1世橋、対岸に広がるワイナリー街まで一望できる。
観光客も少なめで、静かにポルトの街並みを楽しめた。
そのまま旧市街を歩きながら、ボルサ宮殿やモヌメント・デ・サン・フランシスコ教会などの外観を眺めつつ、リベイラ地区へ。

ポルト旧市街の川沿いに広がる「Cais da Ribeira」は、カラフルな建物が川のすぐそばにぎっしりと並び、その背後にドン・ルイス1世橋が大きくそびえる、まさにポルトらしい風景のエリア。

橋と建物のコントラストが美しく、どこを切り取っても絵になるような絶景。
ただ歩いているだけで、ポルトの魅力をたっぷりと感じられる場所だった。

川沿いにひっそりと佇む「Fonte Monumental da Ribeira」は、重厚な石造りの装飾が印象的な噴水モニュメント。
建物の壁に埋め込まれるように設置されていて、川辺の風景と調和するような静けさをまとっていた。
ここから坂道をのぼるにつれて、街並みの雰囲気も少しずつ変わり、やがてポルト大聖堂が見えてきた。
美しいアズレージョと絶景に癒される、ポルト大聖堂

高台にそびえるポルト大聖堂は、街の歴史を象徴するような堂々たる佇まい。
遠くから眺めるだけでも十分な迫力があり、目にした瞬間に「来てよかった」と思える場所だった。

大聖堂の前には小さなテラスのような広場があり、そこから見渡すポルトの街並みは本当にすばらしかった。
赤い屋根がぎっしりと連なる光景に、思わず「わあ」と声が出てしまうほど。
ここに立つだけでも、ポルトの旅が心に残るものになる。
そのあとは、たったの3ユーロ(=516円)で内部を見学。
見どころがとても多く、コストパフォーマンスの良さに感動。

14世紀に建てられた石造りの回廊は、静寂に包まれた美しい空間。
尖ったアーチが連なるその様子には、ゴシック建築ならではの気品があった。

壁面には青と白のアズレージョ(装飾タイル)が並び、その繊細な美しさに見とれる。

2階部分のアズレージョも見ごたえがあり、つい写真を何枚も撮ってしまった。

階段を上って塔の上へ。
そこからは、赤い屋根がどこまでも広がるポルトの全景が一望できた。
ドウロ川やドン・ルイス1世橋も見渡せて、360度のパノラマは圧巻だった。

最後に見た主祭壇は、金色に輝く装飾が施され、堂内でもひときわ目を引く存在。
荘厳で重厚な空間にふさわしい、美しく迫力のある祭壇だった。
橋の向こうはワインの街!テラスでポートワイン三昧

大聖堂をあとにし、ドン・ルイス1世橋の上段を歩いて対岸のヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアへ向かう。
橋の上から見下ろすドウロ川は、初日の夕暮れとはまた違った表情を見せていて、昼の光の中でもやっぱり美しかった。

川向こうに見えるのは、びっしりと並んだワイナリーの建物たち。
この土地の名産・ポートワインが、まさにこの場所で熟成されていると思うと、自然と期待が高まる。
ポートワインは、甘くて濃厚な味わいが特徴で、ポルトガルの風土や歴史とともに味わうのが醍醐味。
本来ならワイナリー見学とテイスティングをセットで楽しむのが定番だけれど、見学には時間もお金もかかるし、体力的にもハード。
今回はあえて見学を省略して、テラスバーでのんびりと「飲むだけ」スタイルのポートワイン体験を楽しむことにした。

まず最初に訪れたのは、ドウロ川沿いにある有名ワイナリー「Caves Cálem」。

オープンエアのテラス席で注文したのは、ロゼタイプのポートワイン「Calem Rosé」。
ほんのりとした甘さと軽やかな口当たりが特徴で、暑い午後にぴったりの一杯だった。
おつまみにはチョコレートを添えて、川風に吹かれながら優雅なひとときを過ごす。

続いて向かったのは、黒マント姿のロゴが印象的な老舗ワイナリー「Sandeman」。

こちらのテラスバーでは、白ワインタイプの「Porto Sandeman Fine White」を選んだ。
フルーティーで爽やかな甘みがあり、ロゼとはまた違った味わいが楽しめる。
異なるタイプのポートワインを2軒はしごして、川沿いの景色を眺めながら飲み比べる──それだけでもじゅうぶん贅沢で、満たされた時間だった。
ポルト最後の夜は、郷土料理ディナーでしっかり締める

帰り道は、ドン・ルイス1世橋の下段をのんびり歩いて旧市街へ戻る。
そのまま宿に立ち寄ってしばらくブログを書き、ポルトガル最後の夜にふさわしいディナーを食べに出かけた。

訪れたレストランは「Flor de Bragança」。

最後の夜はやっぱりポルトガルらしい郷土料理で締めくくりたいと思い、前菜には塩漬け干しダラのコロッケ(パステル・デ・バカリャウ)を注文。
バカリャウの旨みがぎゅっと詰まっていて、白ワインと一緒に楽しむと最高だった。

メインには、ポルトガル北部の郷土料理「Feijoada à Transmontana(フェイジョアーダ・ア・トランスモンターナ)」を。
豆と豚肉、ソーセージを煮込んだボリュームたっぷりの一皿で、こってりとした味わいが特徴。
食べ応えはあるけれど、脂っこい肉料理があまり得意ではない私には少しヘビーで、半分以上残してしまったのがちょっぴり心残り。
もう少し量が控えめなら、もっと美味しく食べられたかもしれない。
それでも、最後にしっかりポルトガルの味を堪能できて、良い締めくくりになった。
歩いてバスターミナルへ、夜行バスでマドリードへ出発
21時前、宿を出発し、夜行バスに乗るため歩いてバスターミナル「FLIXBUS PORTO Lisboa」へ向かう。
40分ほどかかる道のりだけれど、ヨーロッパは比較的治安が良く、夜の移動も安心できるし、交通費の節約にもなる。

ちょっと変わったアクセス方法なのが、バスターミナルがCampanha駅の奥にある点。
まず駅のホームを通り抜け、奥へと進んで階段を下りると、そこには動く歩道がある。

さらにそのまま進んでいくと、目的地の「FLIXBUS PORTO Lisboa」にたどり着いた。

バスターミナルでは、電光掲示板で目的地と乗り場を確認。

22時15分発のFLIXBUSでマドリードへ向かい、翌朝7時35分に到着予定。
チケットはFLIXBUSアプリで事前購入していて、料金は38.98ユーロ(=6,892円)。

座席は快適だけど、やっぱり夜行バス移動は体にこたえる年齢になってきた。
若い頃のように、移動後にそのままフル観光──なんて無理。
翌日はきっと、体力との戦いになりそう。
こうして、一週間ぶりにスペインへ戻る。
マドリードには有名な美術館がたくさんあるので、美術館めぐりが今から楽しみ。
8月19日:使ったお金
バス代(ポルト→マドリード)は、スペインでの合計に含めるため20日分に計上します。
・ポルト大聖堂入場料:3ユーロ(=516円)
・Cálemワイン:6ユーロ(=1,032円)
・Sandemanワイン:5ユーロ(=860円)
・夕食代(フェイジョアーダ等):12.5ユーロ(=2,151円)
合計:4,559円
これまでの旅費の合計

スペイン(第一回)からポルトガルでの旅費の合計は84,108円でした。
・国際バス代(アルヘシラス→リスボン):6,896円
・ポルトガルでの滞在費(6泊):クレカ払い7,845円+キャッシング69,367円=77,212円
合計:84,108円
日本出国からポルトガルまでの旅費の総合計は、1,855,489円でした。