マドリード2日目は、節約モードでスタート。
朝食は自分で切ったメロン。
宿の豪華朝ごはんには目もくれず、ブログを書きながらのんびり過ごした。
昼は、昨日チラ見して気になっていたローカル市場「Mercado de la Cebada」へ。
観光客の気配がまったくない、地元の常連たちで賑わうタパスバーで、白ワインと豚の耳の煮込み、巨大トルティーヤのランチ。
言葉も通じず四苦八苦だったけど、その分、体験の味が濃かった。
夜は、あらかじめ公式サイトで無料入場枠を予約しておいたソフィア王妃芸術センターへ。
《ゲルニカ》をはじめとするスペイン近現代アートの宝庫。
中学生の頃からずっと見たかったピカソの大作に、ついに目の前で出会えた。
ローカルな味と名画の衝撃。
お金は使わずとも、心が満たされるマドリードの一日だった。
朝は節約メロンとブログタイムからスタート

朝8時、昨日まるごと一玉買っておいたメロンを切るために、宿の朝食会場にいたスタッフさんにお願いして包丁を借りた。
おかげでサクサクと気持ちよくカットできて大助かり。
この宿では、別料金で豪華な朝食も頼めるけれど、今回は節約モード。
自分で用意したメロンを朝ごはんにして、ゆっくりブログを書きながらスタート。
お昼になってから、昨日チラッと見かけたローカル市場「Mercado de la Cebada」へランチを食べに出かけた。

道中に通ったマヨール広場(Plaza Mayor)は、マドリード旧市街の中心にある歴史ある広場。
アーケードに囲まれた空間には、カフェやレストランがずらりと並び、歩いているだけで楽しい。
ローカル市場でタパスランチ!豚の耳とトルティーヤと白ワイン

今日のランチは、Mercado de la Cebadaの2階にある、地元の常連さんたちで賑わう小さなタパスバーにて。
立ち飲みスタイルの人も多かったけれど、運よくカウンター席がひとつ空いていて、そこに滑り込ませてもらった。

まずは、甘くて軽やかな味わいの白ワイン「alma」をオーダー。
お昼のタパスにぴったりの相棒で、グラス1杯2ユーロというローカル価格が嬉しい。

英語が通じなかったので、Google翻訳とChatGPTを駆使してメニューを解読し、なんとか女店主とやりとり。
ミニサイズのトルティーヤ(スペイン風オムレツ)をお願いしたら、店主がフライパンでどーんと大きなトルティーヤを焼き始めた。
全然ミニじゃなくて、思わず苦笑(^^)

ワインを頼むと無料でついてくるタパスは、なんと豚の耳の煮込み。
そこに大きなトルティーヤとフランスパン、さらに白ワインをもう1杯おかわりして、すべて合わせて9ユーロ(=1,546円)。
お腹いっぱい食べてワイン2杯でこの値段は、まさに地元価格。
観光客の姿は見当たらず、スペイン語しか飛び交わない空間で、がんばって注文した甲斐があった。
とても美味しかったし、嬉しい体験だった。
ちなみにトルティーヤは、卵とじゃがいもを主な材料に、炒めた玉ねぎや塩で味つけして厚く丸く焼き上げる、スペインの伝統的なオムレツ。
今回はじめて食べてみたけれど、その美味しさに感動してしまった。
お腹が満たされると、眠気が……。
夕方の美術館の時間まで、ベッドでぐっすりお昼寝してしまった。
ソフィア王妃芸術センターへ、憧れのゲルニカとついに対面

夜に訪れたのは、国立のソフィア王妃芸術センター。
ここにはピカソの代表作《ゲルニカ》をはじめ、ダリやミロなど、スペイン近現代美術の傑作が集まっている。
この美術館は火曜日が休館日で、月曜と水曜から土曜は19:00〜21:00、日曜は12:30〜14:30に無料入場の時間が設けられている。
今回は事前に公式サイトで無料時間枠を予約しておいた。

「時間指定してるし、19時ぴったりに行けば大丈夫でしょ〜」なんて軽い気持ちで向かったら、まさかの長蛇の列!
とはいえ、回転は早く、10分も待たずに無事入館。
ちなみに、主要な見どころの多くは2階に集まっていて、ピカソの《ゲルニカ》もその一室に展示されている。
ほかの名作もこのフロアにぎゅっと詰まっているので、時間が限られている人は、2階だけを回るのが効率的かもしれない。
私も今回は、ゲルニカを中心に、2階の展示を一通りじっくりと鑑賞した。
ゲルニカ(パブロ・ピカソ)

中学生の頃、演劇部で「ゲルニカ」を題材にした劇をやったことがある。
「なぜ?どうして私たちが?」と叫ぶセリフが、今も胸に焼きついている。
あの頃は、美術館も本物の絵も、まだ遠い世界だったけれど、いつかこの目で「ゲルニカ」を見たいと、ずっと憧れていた。
それから何年も経って、ついにマドリードで実物と対面。
目の前に立った瞬間、言葉にならない感情が込み上げ、しばらく動けなかった。
夢に見ていたものが、今ここにある。
それだけで、胸がいっぱいになった。
「ゲルニカ」は、スペイン内戦中の1937年、ナチスによるゲルニカ空爆に抗議して描かれた巨大なモノクロ壁画。
幅約7.8メートル、高さ約3.5メートルという圧倒的なスケールで、色を持たない世界が、かえって感情の激しさを突きつけてくる。
画面には、火に焼かれる人、泣き叫ぶ馬、バラバラになった死体、そして子を抱いて嘆く母。
悲しみを超えて、叫びのような痛みがそこにある。
上から照らす電球と、手にしたランプは、暴力のなかにあっても「真実」を照らそうとする光にも見えた。
ただの“有名な絵”ではなく、「声を失った人々の叫び」を記録したような作品。
自分の中にこの絵につながる原体験があったからこそ、初対面というよりも「再会」のような感覚がしたのかもしれない。
そして今、この目でしっかりと見ることができて、本当によかった。
ゲルニカばかりに注目が集まりがちだけれど、館内には他にも素晴らしい作品がたくさん。
透明人間(サルバドール・ダリ)
原題は「El Hombre Invisible」。
何が描かれているのか最初はわからないけれど、じっと見ていると人の姿が浮かび上がってくる、不思議な絵。
1930年代の作品で、ピカソの「ゲルニカ」と同時代。
混乱の時代に、“実体のなさ”や“見えない存在”が芸術家たちにとって重要なテーマだったのかもしれない。
レトラート II(ジョアン・ミロ)
タイトルの「レトラート」はスペイン語で「肖像画」という意味。
でもこの作品には顔も身体も描かれていない。
ミロらしい自由な線と色使いが、まるで誰かの記憶や感情だけをすくい取ったような、不思議な1枚だった。
※これらの作品は、没後70年を経ていないため著作権が存続中。画像掲載ができないのが、ブロガーとしてはちょっと寂しいところ。
夕食は食材使い切り、明日はバルセロナへ移動

絵画鑑賞の余韻に浸りながら宿に戻り、夕食は昨日と同じメニューでシンプルに。
明日はバルセロナに移動する予定なので、食材もきれいに使い切った。
生ハムだけ少し残して、明日の朝食に回すことに。
明日はマドリード市内の無料で楽しめる観光スポットを巡ったあと、夕方の高速鉄道でバルセロナへ向かう。
なんと、マドリードには“古代エジプトの神殿”があって、しかも無料で見られるらしい。
その話は、また明日のブログで…。
8月21日:使ったお金
なんと、今日の出費はランチ代のみ!
・昼食代(トルティーヤ等):9ユーロ(=1,546円)
合計:1,546円