朝、早起きして路線バスでAzaiba Bus Stationへ。
ここはオマーン各地へ向かう長距離バスの発着地で、チケットを購入してニズワ行きのバスに乗り込む。
約3時間の移動を経て、オマーン内陸部にある町・ニズワへ到着。
かつてイマーム政権時代の首都だったこの町は、今も立派なニズワ砦が中心にそびえる歴史ある地方都市。
日中の気温は38度。
暑さを避けて夕方から散策開始。
スークにはスパイスやデーツだけでなく、ライフルや短剣なども並んでいて独特の雰囲気。
旧市街の細い路地を歩いていると、まるで迷路のような空間に迷い込んでいた。
今日はニズワのスークを歩き、迷宮のような旧市街を彷徨った一日を記録します。
公共バスで目指す|内陸の町ニズワへ移動
朝6時過ぎ、宿を出発。
最寄りのバス停まで20分ほど歩く。
オマーンは車社会で、基本的に旅行者はレンタカー移動が主流。
でも運転に自信がないので、徒歩と公共バスで回るスタイルでがんばる。

バス停にはエアコン付きの待合室があり、涼しく過ごせるのはありがたい。

市バスの乗車賃は0.5リアル(=184円)。
乗車時に支払って、降りるときはそのまま降車するスタイル。

Azaiba Bus Stationに着いたのは朝7時。

チケットカウンターはすでに営業中で、マスカット↔ニズワの往復(3.4リアル=1,257円)と、後日使うマスカット↔ワヒバ砂漠往復(4.2リアル=1,553円)をまとめて購入。
パスポートを提示し、オマーンの電話番号を伝えると、SMSでEチケットが届く仕組み。
乗車時はこのEチケットをスマホで見せればOK。

バスは朝8時ちょうどに出発。
昨晩あまり寝ていなかったので、車内では爆睡。
気づけばもうニズワだった。

ニズワの「Saalwalkingbridge1」で下車。
事前予約していた「Salem House Hostel Nizwa」へ直行。
チェックインは14時からだったけど、オーナーの好意で早めに部屋へ案内してもらえた。

部屋はファン付きの個室、バスルームは共用。
エアコン付きの部屋と迷った末、値段に釣られてファン付きにしたのだが……この選択をのちに後悔することに。

宿の隣にはスーパーがあり便利。
キッチンも使えるので、牛乳やヨーグルト、フルーツ、ドーナツなどを2泊分の朝食として買い込んで冷蔵庫に保管。

朝はサマルカンド空港で買ったチョコを食べただけだったので、お腹が空いていた。
簡単な昼食をとって、暑さがやわらぐ夕方までは部屋でのんびり過ごす。
夕方、台湾人女性のCoraが同じ宿にチェックイン。
台湾人には珍しいムスリムで、ヒジャブをまとっていた。
夜は一緒に夕食を食べることになり、WeChatの連絡先を交換。
なんだか久しぶりに旅先でアジア人とつながれた気がして、嬉しい気持ちになった。
スパイスと短剣が並ぶ、ニズワのスーク探訪
16時半頃、暑さも少し和らいできたのでニズワの街歩きをスタート。
この街にはいくつものスーク(市場)が点在していて、ウエストスーク、イーストスーク、クラフトスーク、野菜・果物スーク、肉スーク、魚スークなど、それぞれに個性がある。

特にイーストスークでは、フランキンセンス(乳香)の香りが立ちこめていて、まるでアラジンの世界に迷い込んだような雰囲気。

フランキンセンスは、ボスウェリアという木から採れる天然の香料で、オマーンでは古代から宗教儀式や薬、香として使われてきた伝統的な高級品。
お土産としても人気が高い。

武器屋ではライフルや短剣(ハンジャル)が普通に並び、日本ではありえない光景にちょっと驚く。

ハンジャルはオマーンの伝統衣装に欠かせない短剣で、男性の腰に差されているのをたまに見かける。
美しい銀細工が施され、国章や紙幣にも使われるオマーンの象徴的存在。

果物・野菜スークでは、大量のバナナやスパイス、デーツなどが所狭しと並び、活気にあふれている。


そこで見つけたのが、オマーンの伝統菓子「ハルワ」。
デーツやナッツ、スパイスが練り込まれた濃厚な甘さで、アラビックコーヒーとの相性も抜群。

サボテンの干物?のような謎の食品も売られていた。
健康食品だろうか……。

野菜・果物スークの上階にはお土産屋も多く、モザイクランプや真鍮・銀のコーヒーポットなど、アラビア文化の香るアイテムが並んでいた。


青い目玉のキーホルダー(ナザール・ボンジュウ)もよく見かける。
これはイスラム圏で邪気を払う魔除けとして使われているもの。
ナツメヤシと土壁に囲まれた旧市街の路地裏へ

スークをひととおり歩いたあと、旧市街のラビリンスへと足を延ばす。
ニズワの街並みは日干し煉瓦でできた土色の建物が並び、周囲の山々と溶け合うような風景。
まるで乾いた大地に浮かぶ迷宮のよう。

レトロな電気自動車が行き交い、白いディシュダーシャ姿の男性たちが静かに歩く。


ナツメヤシが茂る回廊や、乾いた路地裏。
馬に乗ってスマホを見ている地元の人もいて、なんとも不思議な風景が広がっていた。



女性は黒いアバヤをまとい、男性は白。オマーンの伝統衣装はシンプルながらも気品がある。

途中で立ち寄った「Antique Inn – Nizwa」は、とても可愛い宿で、スタッフにお願いして館内と屋上を少し見学させてもらった。
予算が合えば泊まってみたい宿のひとつ。


旧市街の外れには、2000年以上前から続く灌漑システム「ファラジ」の水路が今も残っている。

水は澄んでいて魚が泳いでいた。
乾いた山々のふもとに、こんなにも豊かな緑をもたらすなんて、本当にすごい技術。
気づけば迷ってしまい、どうやらニズワ要塞の有料エリア(庭園)に入り込んでしまったらしい。

そこには山羊やウサギ、ラクダなどがいて、餌代を払えば餌やり体験もできるようだった。

ナツメヤシの木につながれたラクダを横目に、そろそろ戻ろうと思っていたとき、Coraと偶然再会。
そのまま、ニズワ中心部にあるファーストフード店「kucu」へ一緒に向かうことに。
宿で出会ったCoraと|地元民に愛されるファーストフードへ

レストランはどこも値段が高めだったけれど、ここは安くて地元の人に人気。

アラビア語オンリーのメニューを見ながら、なんとかチキンバーガーとスムージーを注文。

観光客の姿はなく、ローカル率100%。

価格は1.8リアル(=666円)で、お腹も満たされて大満足。
Coraが「明日の朝、羊のセリがあるらしいよ」と教えてくれて、一緒に行くことに。
夜、就寝しようとしたものの、ファンだけの個室は暑すぎて眠れなかった。
女子ドミにはエアコンがあって、Coraが1人で使っていたので部屋を移動。
ドミトリーのほうが安いけど、すでに個室代を払ってしまっていたため返金はなし。
ニズワの暑さを完全に甘く見ていた。
これからニズワを訪れる人には、迷わずエアコン付きの部屋をおすすめしたい。
4月17日:使ったお金
今日は長距離バス代や宿代2泊分など、出費はやや多め。
でも高額な現地ツアーに頼らず自力で移動することで、全体的な旅費はかなり抑えられている。
・バス代(路線バス):0.5リアル(=185円)
・バス代(マスカット↔ニズワ往復):3.4リアル(=1,258円)
・バス代(マスカット↔ワヒバ砂漠往復):4.2リアル(=1,554円)
・宿代(2泊分):15.2リアル(=5,621円)
・朝食買い物:3.25リアル(=1,201円)
・夕食(バーガー等):1.8リアル(=665円)
合計:10,484円