【14】ニズワのスークを彷徨って 迷路のような旧市街と土壁の風景(2025.4.17)

オマーン

朝、早起きして路線バスでAzaiba Bus Stationへ。

ここはオマーン各地へ向かう長距離バスの発着地で、チケットを購入してニズワ行きのバスに乗り込む。

約3時間の移動を経て、オマーン内陸部にある町・ニズワへ到着。

かつてイマーム政権時代の首都だったこの町は、今も立派なニズワ砦が中心にそびえる歴史ある地方都市。

日中の気温は38度。

暑さを避けて夕方から散策開始。

スークにはスパイスやデーツだけでなく、ライフルや短剣なども並んでいて独特の雰囲気。

旧市街の細い路地を歩いていると、まるで迷路のような空間に迷い込んでいた。

今日はニズワのスークを歩き、迷宮のような旧市街を彷徨った一日を記録します。

公共バスで目指す|内陸の町ニズワへ移動

朝6時過ぎ、宿を出発。

最寄りのバス停まで20分ほど歩く。

オマーンは車社会で、基本的に旅行者はレンタカー移動が主流。

でも運転に自信がないので、徒歩と公共バスで回るスタイルでがんばる。

バス停にはエアコン完備の待合室がある

バス停にはエアコン付きの待合室があり、涼しく過ごせるのはありがたい。

バス車内

市バスの乗車賃は0.5リアル(=184円)。

乗車時に支払って、降りるときはそのまま降車するスタイル。

Azaiba Bus Stationのチケット売り場

Azaiba Bus Stationに着いたのは朝7時。

チケット売り場

チケットカウンターはすでに営業中で、マスカット↔ニズワの往復(3.4リアル=1,257円)と、後日使うマスカット↔ワヒバ砂漠往復(4.2リアル=1,553円)をまとめて購入。

パスポートを提示し、オマーンの電話番号を伝えると、SMSでEチケットが届く仕組み。

乗車時はこのEチケットをスマホで見せればOK。

ニズワ行きのバス

バスは朝8時ちょうどに出発。

昨晩あまり寝ていなかったので、車内では爆睡。

気づけばもうニズワだった。

ニズワの「Saalwalkingbridge1」で下車。

事前予約していた「Salem House Hostel Nizwa」へ直行。

チェックインは14時からだったけど、オーナーの好意で早めに部屋へ案内してもらえた。

ファン付き個室

部屋はファン付きの個室、バスルームは共用。

エアコン付きの部屋と迷った末、値段に釣られてファン付きにしたのだが……この選択をのちに後悔することに。

隣のスーパーで買ってきた食料

宿の隣にはスーパーがあり便利。

キッチンも使えるので、牛乳やヨーグルト、フルーツ、ドーナツなどを2泊分の朝食として買い込んで冷蔵庫に保管。

昼食

朝はサマルカンド空港で買ったチョコを食べただけだったので、お腹が空いていた。

簡単な昼食をとって、暑さがやわらぐ夕方までは部屋でのんびり過ごす。

夕方、台湾人女性のCoraが同じ宿にチェックイン。

台湾人には珍しいムスリムで、ヒジャブをまとっていた。

夜は一緒に夕食を食べることになり、WeChatの連絡先を交換。

なんだか久しぶりに旅先でアジア人とつながれた気がして、嬉しい気持ちになった。

スパイスと短剣が並ぶ、ニズワのスーク探訪

16時半頃、暑さも少し和らいできたのでニズワの街歩きをスタート。

この街にはいくつものスーク(市場)が点在していて、ウエストスーク、イーストスーク、クラフトスーク、野菜・果物スーク、肉スーク、魚スークなど、それぞれに個性がある。

イーストスーク

特にイーストスークでは、フランキンセンス(乳香)の香りが立ちこめていて、まるでアラジンの世界に迷い込んだような雰囲気。

フランキンセンス(乳香)

フランキンセンスは、ボスウェリアという木から採れる天然の香料で、オマーンでは古代から宗教儀式や薬、香として使われてきた伝統的な高級品。

お土産としても人気が高い。

武器屋

武器屋ではライフルや短剣(ハンジャル)が普通に並び、日本ではありえない光景にちょっと驚く。

ハンジャル(短剣)も販売

ハンジャルはオマーンの伝統衣装に欠かせない短剣で、男性の腰に差されているのをたまに見かける。

美しい銀細工が施され、国章や紙幣にも使われるオマーンの象徴的存在。

果物・野菜スーク

果物・野菜スークでは、大量のバナナやスパイス、デーツなどが所狭しと並び、活気にあふれている。

大量のバナナ
オマーンの伝統菓子「ハルワ」

そこで見つけたのが、オマーンの伝統菓子「ハルワ」。

デーツやナッツ、スパイスが練り込まれた濃厚な甘さで、アラビックコーヒーとの相性も抜群。

サボテンの干物?

サボテンの干物?のような謎の食品も売られていた。

健康食品だろうか……。

モザイクランプ

野菜・果物スークの上階にはお土産屋も多く、モザイクランプや真鍮・銀のコーヒーポットなど、アラビア文化の香るアイテムが並んでいた。

真鍮・銅・銀製のコーヒーポット
青い目玉のキーホルダー

青い目玉のキーホルダー(ナザール・ボンジュウ)もよく見かける。

これはイスラム圏で邪気を払う魔除けとして使われているもの。

ナツメヤシと土壁に囲まれた旧市街の路地裏へ

ニズワの旧市街

スークをひととおり歩いたあと、旧市街のラビリンスへと足を延ばす。

ニズワの街並みは日干し煉瓦でできた土色の建物が並び、周囲の山々と溶け合うような風景。

まるで乾いた大地に浮かぶ迷宮のよう。

レトロなデザインの電気自動車が走る

レトロな電気自動車が行き交い、白いディシュダーシャ姿の男性たちが静かに歩く。

伝統衣装「ディシュダーシャ」に身を包んだオマーン男性達
ナツメヤシ(デーツの木)が茂る回廊

ナツメヤシが茂る回廊や、乾いた路地裏。

馬に乗ってスマホを見ている地元の人もいて、なんとも不思議な風景が広がっていた。

馬に乗る人も
土壁の家並みが続く路地
白黒の伝統衣装に身を包んだカップル

女性は黒いアバヤをまとい、男性は白。オマーンの伝統衣装はシンプルながらも気品がある。

Antique Inn – Nizwaの館内

途中で立ち寄った「Antique Inn – Nizwa」は、とても可愛い宿で、スタッフにお願いして館内と屋上を少し見学させてもらった。

予算が合えば泊まってみたい宿のひとつ。

Antique Inn – Nizwa屋上からの夕日
灌漑システム「ファラジ」の水路

旧市街の外れには、2000年以上前から続く灌漑システム「ファラジ」の水路が今も残っている。

水路には魚が泳いでいる

水は澄んでいて魚が泳いでいた。

乾いた山々のふもとに、こんなにも豊かな緑をもたらすなんて、本当にすごい技術。

気づけば迷ってしまい、どうやらニズワ要塞の有料エリア(庭園)に入り込んでしまったらしい。

山羊やうさぎ

そこには山羊やウサギ、ラクダなどがいて、餌代を払えば餌やり体験もできるようだった。

ナツメヤシに繋がれたラクダ

ナツメヤシの木につながれたラクダを横目に、そろそろ戻ろうと思っていたとき、Coraと偶然再会。

そのまま、ニズワ中心部にあるファーストフード店「kucu」へ一緒に向かうことに。

宿で出会ったCoraと|地元民に愛されるファーストフードへ

ファーストフード店「kucu」

レストランはどこも値段が高めだったけれど、ここは安くて地元の人に人気。

レジで注文

アラビア語オンリーのメニューを見ながら、なんとかチキンバーガーとスムージーを注文。

店内

観光客の姿はなく、ローカル率100%。

チキンハンバーガーとスムージー

価格は1.8リアル(=666円)で、お腹も満たされて大満足。

Coraが「明日の朝、羊のセリがあるらしいよ」と教えてくれて、一緒に行くことに。

夜、就寝しようとしたものの、ファンだけの個室は暑すぎて眠れなかった。

女子ドミにはエアコンがあって、Coraが1人で使っていたので部屋を移動。

ドミトリーのほうが安いけど、すでに個室代を払ってしまっていたため返金はなし。

ニズワの暑さを完全に甘く見ていた。

これからニズワを訪れる人には、迷わずエアコン付きの部屋をおすすめしたい。

4月17日:使ったお金

今日は長距離バス代や宿代2泊分など、出費はやや多め。

でも高額な現地ツアーに頼らず自力で移動することで、全体的な旅費はかなり抑えられている。

・バス代(路線バス):0.5リアル(=185円)
・バス代(マスカット↔ニズワ往復):3.4リアル(=1,258円)
・バス代(マスカット↔ワヒバ砂漠往復):4.2リアル(=1,554円)
・宿代(2泊分):15.2リアル(=5,621円)
・朝食買い物:3.25リアル(=1,201円)
・夕食(バーガー等):1.8リアル(=665円)

合計:10,484円