グリンデルワルト滞在2日目は、家族で絶景ハイキングへ。
アイガー北壁と氷河を正面に見ながら歩ける人気ルート「メンリッヘェン〜アイガーグレッチャー」をのんびり満喫した。
朝から快晴で、ゴンドラからの景色も最高。
標高2230mのメンリッヘェンからクライネ・シャイデックまでは緩やかな下り坂で、アイガー北壁を真正面に見ながら歩く夢のような道。
途中、高山植物やグリンデルワルトの村を見下ろす景色に何度も足が止まった。
遊歩道のベンチでピクニックランチをしたあとは、氷河を眺めながらアイガーグレッチャーへ向かって登り道に挑戦。
高齢の両親には少しきつかったけど、無事に登りきって列車で下山。
宿に戻ったあとは、梅昆布ごはんとチーズの部屋ごはんでほっとひと息。
スイスの絶景と優しい疲れに包まれた、幸せな一日だった。
アイガーを望む朝、メンリッヘェンへのゴンドラ旅

朝7時半、ホテルで朝食タイム。
ベーコンやスクランブルエッグなども並んでいて、想像以上に豪華。
さあ、いよいよ今日からグリンデルワルトでのハイキング三昧が始まる。
記念すべき初日は、アイガー北壁やアイガー氷河を正面に望みながら歩く人気のコース。
メンリッヘェンからスタートして、クライネ・シャイデックを経由し、アイガーグレッチャーまでを歩く予定。

朝9時。
ホテルの目の前にあるグリンデルワルト駅前のバスターミナル「Grindelwald, Bahnhof」へ。
ここからは、正面にどーんと構えるアイガーが見える。
空は晴れ渡り、朝からその姿がくっきり。
曇り予報だっただけに、この晴天には心から感謝した。
せめてハイキングのあいだだけでも、この天気が続きますようにと願いながら出発。

121番のローカルバスに乗って、「Grindelwald Terminal(グリンデルワルト・ターミナル)」へ。
バス代は、チェックイン時に宿でもらった「ゲストカード」で無料。
グリンデルワルト村内の宿に泊まるとこのカードがもらえて、村内のバスが無料になるほか、一部のロープウェイや登山鉄道も割引になるらしい。
ただ、私はハーフフェアカードを使っていたので、割引の併用はできなかった。

Grindelwald Terminalは、ユングフラウ地方の大きな交通のハブ。
ここからユングフラウヨッホ行きのロープウェーや、今日目指すメンリッヘェン行きのゴンドラなどが出ている。
チケットカウンターでメンリッヘェン行きのゴンドラチケットを購入。

ゴンドラ乗り場は空いていて、待ち時間ゼロ。
しかもゴンドラ1台を家族4人で貸し切り!

窓の外には、グリンデルワルトの村々や周囲の山々が広がっていて、もうすでに絶景モード。
標高1027mのグリンデルワルトから、一気に約1200mも上がって標高2230mのメンリッヘェンへ。
20分ほどでぐんぐん上がっていく。
メンリッヘェンからクライネ・シャイデックへ!絶景ハイキング開始

メンリッヘェンに到着すると、空気がほんのりひんやり。
けれど、太陽が照っているおかげで寒さは感じず、むしろちょうどいい気温。
まさにハイキング日和。
駅前の展望スペースからは、アイガー北壁やメンヒ、ユングフラウヨッホなどの名峰が一望できて、家族全員テンションMAX!

まずはメンリッヘェンからクライネ・シャイデックへ向かって歩き出す。
標高2230mから2061mまで、ゆるやかな下り坂なのでとても歩きやすい。
道中ずっと正面にアイガー北壁がそびえ立ち、まさに「この景色を見ながら歩くための道」という感じ。
距離は約4.5km、初心者でも1時間半ほどで歩けるので、初日の足慣らしにもぴったり。

歩いている途中には、グリンデルワルトの村を眼下に見下ろすような絶景ポイントも。

斜面にはかわいらしい高山植物が咲いていて、雪をかぶった山々とのコントラストが美しく、何度も足が止まってしまう。
空気も澄んでいて、深呼吸が気持ちいい。
アイガー氷河を眺めながらピクニックランチ

正午ごろ、クライネ・シャイデック駅とその背後に広がるアイガー氷河が見えてくる。
ちょうどお腹も空いてきたので、遊歩道のベンチでピクニックランチにすることに。

スーパーで買ったパン、バナナ、スムージーというシンプルなごはんだけど、目の前の絶景がなによりのごちそう。
パンがこんなに美味しく感じるのも、山の力かもしれない。
もし家族が疲れていたら、ここでハイキングを終える予定だったけど……みんな元気いっぱい。
景色の素晴らしさにテンションも上がりっぱなしなので、このままアイガーグレッチャーまで歩くことに決定!
アイガー北壁を正面に!アイガーグレッチャーへの登り道

クライネ・シャイデック駅のすぐそばには、静かな人工の貯水湖がある。
その湖面には、アイガーやメンヒの姿がくっきりと映り込んでいて、まるで絵画のような光景だった。
湖を一周のんびり歩いてから、いよいよアイガーグレッチャーへの登りに挑む。
標高2061mのクライネ・シャイデックから、2320mのアイガーグレッチャーまでは、約2.5kmのなだらかな登り坂。
初心者でも1時間ほどで歩けるコースだけれど、標高が高いためか、空気が薄くて、高齢の両親には少し息苦しさがあったようだった。

遠くの山あいを眺めると、小さく見える集落がひとつ。
明日訪れる予定の、憧れの村・ミューレンだった。
そして、遊歩道のすぐ脇を、ユングフラウヨッホからクライネ・シャイデックへ向かう登山列車がごとごとと走っていく。
のどかなアルプスの風景に、心までほぐれていくような道のりだった。

このルートのいちばんの魅力は、なんといってもアイガー氷河を正面に眺めながら歩けること。

家族全員、氷河を間近で見るのは初めて。
目の前に迫るアイガー北壁の荒々しい岩肌と、そこから流れ落ちる真っ白な雪の筋に、ただただ圧倒されるばかりだった。
大自然のスケールに飲み込まれそうになりながらも、目に焼きつけたくて立ち止まっては見上げてしまう。
こんな景色の中を歩けるなんて、まさに「夢のようなルート」だった。
氷河に別れを告げて、登山列車でグリンデルワルトへ

14時すぎ、標高2320mのアイガーグレッチャー駅に到着。
ここから登山列車で下山することに。

駅のホームに設置された券売機で、グリンデルワルトまでのチケットを購入。
クレジットカードでスムーズに決済できた。

列車はユングフラウヨッホから来たもので、すでに満席に近かったけれど、乗車時間はたったの5分。
あっという間に再びクライネ・シャイデック駅に戻ってきた。

ここでグリンデルワルト行きの登山列車に乗り換え。

始発駅なので、家族4人そろってボックス席に座ることができたのが嬉しい。

30分ほどの乗車時間、帰り道の車窓から見える景色もまた素晴らしく、気を抜く暇がないほどだった。
宿はグリンデルワルト駅のすぐ目の前。
なので、駅に着いてすぐ、15時すぎには部屋に戻ることができた。
夕方は、近くのモンベルにふらりと立ち寄って買い物をしたり、部屋でのんびりくつろいだり。
あったかいご飯に感謝!お部屋で楽しむ旅ごはん

この日の夕食は、フエット(生サラミ)、チーズ、サラダ、フルーツ、そして母が日本から持ってきてくれた「梅昆布ご飯のアルファ米」。
これがもう、旅の疲れた体に沁みるほど美味しくて……あたたかいご飯が食べられる幸せをしみじみ感じた。
今回は、海外対応の小型電気ケトルを日本から持参していたおかげで、部屋で味噌汁やご飯、インスタントコーヒーを作ることができて大活躍。
海外のホテルは部屋にケトルがあるかどうかまちまちだし、あっても清潔さが気になることもあるから、自前のケトルがあると本当に安心。
それに、外食だとボトルワイン1本で1万円超えも珍しくないスイスだけど、部屋でスーパーの食材を楽しめば、お酒込みでも1食1万円以内に収まる。
ハイキングでくたくたになった体には、風呂上がりに部屋でリラックスしたままごはんを食べられるのがなによりありがたく、酒好きの我が家にとっては「部屋飲みディナー」が最高のごちそうなのだった。

夕食の合間、ふと外に出てみたら、空が茜色に染まりはじめていた。
目の前には、オレンジ色に包まれるアイガーの姿。
こんなふうに山が夕日に照らされて輝く瞬間に立ち会えるなんて、なんとも贅沢な時間。
滞在中、一度もアイガーを見られずに帰る観光客も多いという中で、昨日も今日もその姿を拝めた私たちは、本当に幸運だと思う。
天気予報は明日も晴れ。
標高2967mのシルトホルン展望台を目指す予定で、今日以上に乗り物を乗り継ぐ大冒険。
家族を引き連れての大移動になるけど、それもまた楽しみ!
9月17日:使ったお金
ゴンドラや登山列車は、ハーフフェアカードのおかげで半額になったけれど、それでもなかなかの金額。
・ゴンドラ代(グリンデルワルト→メンリッヘン):68フラン(=12,693円)※ハーフフェアカード適用料金
・登山鉄道代(アイガーグレッチャー→グリンデルワルト):75.2フラン(=14,008円)※ハーフフェアカード適用料金
・スーパー買い物代(パン等):9.7フラン(=1,810円)
・お土産代(Tシャツ2枚):93フラン(=17,360円)
合計:45,871円