【161】ゴルナーグラード展望台から逆さマッターホルンまで、絶景三昧の一日(2025.9.20)

スイス

スイス・ツェルマットで迎えた、絶景尽くしの一日。

朝7時、日本人橋から見るマッターホルンは、朝焼けにほんのり染まり、まるでキャンドルの灯のように幻想的だった。

登山鉄道に乗って向かったのは、標高約3100mのゴルナーグラード展望台。

マッターホルンの雄姿に加えて、リスカムやモンテローザ、氷河が広がる圧巻のパノラマが待っていた。

展望台では3Dシネマやパラグライダー体験が楽しめる「ZOOOM the Matterhorn」や、民族衣装を着た人たちによるアルプホルンの生演奏にも出会えた。

午後はローテンボーデンからリッフェルゼーまでのハイキングで、鏡のような湖面に映る“逆さマッターホルン”を堪能。

ツェルマットの街では、馬車や路上パフォーマンスにも出会い、夜は日本の味でほっとひと息。

絶景・体験・癒しがそろった、家族旅のハイライトだった。

日本人橋で迎える朝焼けのマッターホルン

日本人橋から望む朝のマッターホルン

朝7時、澄んだ空気の中を歩いて、宿から徒歩3分ほどの「日本人橋」へ向かう。

川沿いに架かるこの木の橋の上に立つと、真正面にマッターホルンがどーんと現れて、思わず息をのむほどの迫力。

朝日が差し込む時間帯だったこともあり、橋にはマッターホルンを見ようとたくさんの観光客が集まっていた。

朝焼けに染まるマッターホルン

しばらく眺めていると、山頂のあたりがほんのりと朝日に染まりはじめた。

まるでキャンドルに火が灯ったような、やわらかな光に包まれたその姿は幻想的で、思わず見とれてしまう。

カトリック教会「Pfarrkirche St. Mauritius」と広場

橋のすぐそばには、カトリック教会「Pfarrkirche St. Mauritius」がある。

その前の広場にはマッターホルン博物館があり、昼間は多くの人で賑わう街の中心地。

富士河口湖町などの友好姉妹都市の記念碑も

広場の片隅には、富士河口湖町や妙高高原、京都などの友好姉妹都市の記念碑もあり、日本とのつながりを感じられる場所でもある。

今回泊まっている宿はこの広場のすぐ近くにあって、本当に立地がいい。

ホテルの朝食

7時半、宿に戻って朝食タイム。

ビュッフェ形式の朝ごはんは、さくさくふわふわのクロワッサン、ホールチーズを自分でカットするスタイルのチーズ、種類豊富なハムなど、どれも美味しくて朝から大満足だった。

登山鉄道でゴルナーグラードへ!マッターホルンと氷河の絶景

Zermatt GGB駅

朝9時、今日の目的地であるゴルナーグラードへ向かうため、「Zermatt GGB駅」へ。

ゴルナーグラード行きの列車

ちょうど出発直前の列車があり、ギリギリで乗り込んだものの、なんとか家族4人並んで座ることができた。

この路線は道中ずっとマッターホルンが見える絶景ルートで、特に進行方向右側の席がおすすめ。

右側に座りたい場合は、早めにホームに並ぶと安心。

標高3089mのゴルナーグラード駅に到着!

約30分の登山鉄道の旅を終えると、標高3089mのゴルナーグラード駅に到着。

今回の旅で訪れた中で一番高い場所だけど、これまでに標高2000m超えのハイキングや、2967mのシルトホルンにも行っていたおかげで、高地にもすっかり慣れていた。

家族みんな元気いっぱい。

登山鉄道とマッターホルン

展望台からは、ピラミッドのようにとがったマッターホルンと、その山のふもとを走る登山鉄道の姿が見えて、まるで絵葉書のような世界。

標高4527mのリスカムとその下を流れるグレンツ氷河

さらに目の前には、標高4527mのリスカムとその下を流れるグレンツ氷河、そしてその隣には標高4634mのモンテローザとゴルナー氷河が広がっている。

標高4634mのモンテローザとゴルナー氷河

スイスが誇る高峰と2つの氷河を一望できる景色は圧巻で、ここがツェルマット随一の展望スポットと言われるのも納得だった。

ZOOOM体験とアルプホルン演奏、展望台で五感を楽しむ時間

ZOOOM the Matterhorn 体験型展示

展望台にある最新施設「ZOOOM the Matterhorn」にも立ち寄ることに。

マッターホルンの魅力をいろんな角度から楽しめる体験型展示で、鉄道のチケットを見せれば1回だけ無料で入場できる。

季節ごとの姿を映す3Dシネマ

まずは3Dシネマへ。

四季折々のマッターホルンが大画面に映し出され、音と映像の迫力に思わず引き込まれた。

パラグライダー体験で空を飛ぶ!

続いてはパラグライダー体験。

3Dメガネとハーネス付きの椅子に座って、マッターホルンの上空を旋回する映像を見るのだけど、あまりのリアルさに本当に空を飛んでいるような気分に。

思わず椅子を揺らしながらきょろきょろと周囲を見回して、子どもみたいに楽しんでしまった。

ポテチがパンパンに?

展望台のベンチでリュックを開けたら、入れていたポテチの袋がパンパンに膨らんでいた。

空気が薄い=気圧が低いってことなんだけど、まさかここまでとは…!

中身は増えてないのに、なんだか得した気分になるのがちょっとおもしろい。

標高3131mでピクニックランチ

今日のランチは、パン、バナナ、サラミ、チョコ、オレンジジュース。

ただ、チョコは想定外の暑さで少し溶けてしまっていた。

でも標高3131mの絶景の中で食べるごはんは、どんなものでも最高のごちそうだった。

アルプホルンの生演奏にうっとり

展望台を後にしようとしたその時、スイスの民族衣装をまとった男女6人によるアルプホルンの演奏が聞こえてきた。

赤いベスト、黒のスカート、帽子など、伝統的な衣装を身にまとった人たちが、ずらりと並んで長いホルンを構える姿は、まるでスイスのポストカードの中に入り込んだみたい。

その音色は思ったよりもやさしくて、静かなアルプスの空気にすっと溶け込んでいく。

ただただ美しくて、しばらく言葉も出ない時間だった。

ローテンボーデンからリッフェルゼーへ、逆さマッターホルンの湖を歩く

ローテンボーデンからハイキングスタート

ゴルナーグラードから一つ下の駅「ローテンボーデン」まで登山鉄道で下り、いよいよお待ちかねのハイキングタイムへ。

まずは湖を目指して歩き出す

ここからリッフェルベルクを目指して歩きはじめる。

標高2815mから2582mまで下るコースで、最初だけ少し急だけれど、あとはなだらかな下り坂。

比較的歩きやすいルートになっている。

今回は両親がトレッキングポール(ストック)を持ってきていて、ここで大活躍。

グリンデルワルトのハイキングよりも、より「山歩き感」があるので、心配な人はストックを持ってくると安心かもしれない。

距離は約2.7km。

初心者でも1時間ほどで歩けるコースで、道中ずっと正面にマッターホルンがそびえ立っていて、とにかく景色が素晴らしい。

リッフェルゼーに映る逆さマッターホルン

湖面にマッターホルンが映り込むことで有名な「リッフェルゼー」に到着。

風があると湖面に波が立ってしまい、きれいな“逆さマッターホルン”は見られない。

だからこそ、湖の周りには無風の瞬間をじっと待つ人たちがたくさん。

太陽の光の加減や湖面の状態によって、ミラーのように映るかどうかが決まる、ちょっと運次第の景色。

別の山も鏡のように

湖畔の道を歩いていたら、マッターホルンとは反対側の雪山が湖にきれいに映り込んでいた。

方角的に、モンテローザ山群だろうか。

もうひとつの湖、ウンターリッフェルゼー

さらに少し先に進むと、もうひとつの小さな湖「ウンターリッフェルゼー」も。

こちらも静かな湖面に逆さマッターホルンが映っていて、写真好きにはたまらない撮影ポイントになっていた。

リッフェルベルクでごほうび休憩

約1時間、絶景の中をのんびりと歩き、リッフェルベルク駅に到着。

ここからさらにもうひと駅分歩いてリッフェルアルプまでハイキングすることもできるけれど、家族みんなすでに大満足。

「せっかくだから、マッターホルンを見ながらお酒を飲みたい!」とリクエストを受け、駅併設のカフェへ。

ビールと炭酸ジュースで乾杯

カフェでは、父・母・弟がビール、私は炭酸ジュースで乾杯。

目の前に広がるマッターホルンを眺めながら、ほっとひと息。

まわりには欧米人の観光客ばかりで、みんなワインやシャンパン、ビールを片手にのんびりとくつろいでいた。

日本人は観光日程が短くて、どうしても忙しく動き回るスタイルになりがちだけど、こうして“何もしない贅沢”を楽しむ欧米の旅のスタイルもいいなあ、としみじみ。

ゆったりとした旅程だからこそ、こういう時間を楽しめるねと、両親も嬉しそうにしてくれて、頑張って行程を考えた甲斐があったと心から思った。

リッフェルゼーから登山列車でツェルマットへ帰還

15時ごろ、リッフェルベルクから登山鉄道に乗ってツェルマットの町へ戻る。

ツェルマットの街歩きと、家族で味わう日本風ディナー

ツェルマットで街歩き

帰ってからは、のんびりと街歩きとお買い物タイム。

可愛いお土産屋さんがたくさんあって、見ているだけでも楽しい。

馬車での送迎がかっこいい

街では、某高級ホテルの送迎馬車を発見!

冬は馬ゾリになるらしく、一度は乗ってみたいな〜と思ってしまった。

洗濯板のような楽器を奏でるマダム

街角からやさしい音色が聞こえてきて、足を止めてみると、年配の男女が路上で演奏していた。

その中のマダムは、なんと“洗濯板”のような楽器を演奏中!

棒のような道具でシャーシャー音を鳴らしながら、独特のリズムを刻んでいる。

ちょっと不思議な楽器だけど、生活の延長線にあるような素朴な響きが、なんとも心地よかった。

街中でもアルプホルン演奏!

さらに、展望台でも見かけたアルプホルンの生演奏が、ツェルマットの街中でも行われていた。

まるでスイス全体が音楽で迎えてくれているみたいな、ちょっと特別な日。

夕食は日本の味も取り入れて

夜ごはんは、パスタや魚の缶詰に加えて、アルファー米で作ったチャーハンや味噌汁など、日本食も取り入れた豪華なラインナップに。

あたたかい味噌汁をすすると、胃も心もほっとする。

これまでずっと天気に恵まれてきたけれど、明日からは少し雨の予報。

でも、ここまで毎日美しい山の景色を見ながらハイキングできたから、十分満喫できたね、と話しながら、明日は近場を歩くか博物館に行くか、朝になってから決めようということにして、ゆっくりと眠りについた。

9月20日:使ったお金

スイス価格にもだんだん慣れてきた今日この頃。

・スーパー買い物代(パン等):14.15フラン(=2,643円)
・電車代(ツェルマット→ゴルナーグラード):132フラン(=24,656円)※ハーフフェアカード適用料金
・電車代(ゴルナーグラード→ローテンボーデン):42フラン(=7,845円)※ハーフフェアカード適用料金
・カフェ代(酒等):25フラン(=4,658円)
・電車代(リッフェルベルク→ツェルマット):84フラン(=15,690円)※ハーフフェアカード適用料金
・土産代(Tシャツ):43フラン(=8,031円)
・土産代(コップ):13.9フラン(=2,590円)
・土産代(マグネット等):12.9フラン(=2,404円)
・スーパー買い物代(夕食等):25.9フラン(=4,837円)

合計:73,354円