【169】父と挑むヒマラヤ!ついにEBC&カラパタール登頂(2025.10.13〜15)

ネパール

標高5000メートルの世界へ──ついに、エベレスト街道のクライマックスに突入!

この3日間で、祈りの旗がはためく追悼の峠を越え、クーンブ氷河をたどりながら歩き、ついにはエベレスト・ベースキャンプ(5364m)とカラパタール(5550m)にたどり着いた。

父は人生初の乗馬で雪道を越え、私は高山病の気配と闘いながら、なんとか前に進んだ。

道中では何度も救助ヘリが飛び交っていて、この場所の過酷さを肌で感じた。

でもそのぶん、6000〜8000m級の山々と、雄大な氷河に囲まれた絶景は、もう言葉にできないくらいの感動だった。

父と一緒にここまで来られたこと、その全部が、かけがえのない宝物になった。

10月13日 追悼の峠を越え、クーンブ氷河の世界へ(トクラ→ ロブチェ)

インスタントヌードルの朝食

ディンボチェよりさらに冷え込むトクラの朝。

震えながら、温かいインスタントヌードルで一日をスタートした。

今日の目的地は標高4910mのロブチェ(Lobuche)。

朝8時、宿を出発する。

タルチョがはためく雪山の中を登る

ロブチェまでは約2時間半の道のり。

距離こそ短いけれど、標高差は350mほどあり、5000mに迫る急坂。

高山病のリスクも高まるため、焦らずゆっくりと登っていく。

途中、カラフルなタルチョ(祈祷旗)が風にはためき、背後には白く輝く雪山。

息が切れる苦しい登りだけど、思わず立ち止まりたくなるような美しい景色が広がっていた。

シェルパの墓が並ぶ峠の上

坂を登りきった先には、エベレスト登山で命を落としたシェルパたちの墓が静かに並んでいた。

ここまで来ると空気も薄く、足取りがぐんと重くなる。

空を行き交うヘリ

頭上には、ひっきりなしにヘリコプターが飛び交っている。

その多くは、体調を崩したトレッカーの救援や搬送に向かっているものだろう。

ベースキャンプやカラパタールを目指す人のうち、無事ゴールにたどり着けるのは4人中3人と言われていて、途中でリタイアしたり、一度下山して再挑戦する人も多いそう。

高度順応をおろそかにしたり、水分補給を怠ったりすると、高山病にかかるリスクは一気に高まる。

甘く見てはいけない場所だ。

もし自力で下山できないほどの症状が出たら、こうして救援ヘリでカトマンズまで戻るしかない。

その費用は40万円前後と非常に高額になる上、すぐに手配できるとも限らない。

混雑していて時間がかかることもあり、個人で連絡しても対応してもらえるとは限らない。

実際には、ガイドや宿の助けがあって初めて動いてもらえるのが現実。

宿側もそういった対応に慣れているところをガイドが選んでくれるなど、見えないところで細かな配慮がなされているのだ。

だからこそ、もしもの時に備えて、トレッキングにも対応した海外旅行保険に加入しておくことは必須条件。

保険会社への連絡も、日本の窓口に電話する必要があるため、現地での通訳や付き添いがいなければ手続きも難しい。

ネパールの病院では、日本のような「完全看護」はほぼ存在せず、身内やガイドが薬を買いに行ったり、食事を用意したりと、患者のケアを一手に担う必要がある。

トレッキング中ならガイドがその役目を担ってくれるが、それも含めて「保険が効くから安心」とは言い切れないのが現実だ。

また、保険会社によっては、アイゼン(滑り止め)などの使用があると補償対象外になることもあるので要注意。

今回、ガイドさんによると軽アイゼンは不要とのことだったが、実際には装着しているトレッカーもちらほら見かけた。

自分が使っていなくても、ルートの状況によっては「危険区域」とみなされ、保険が効かなくなるケースもあるため、出発前にしっかり確認しておいた方がいい。

私が持っていたセゾンゴールド・アメックスの保険では、「ピッケルやアイゼンが必須の登山ルート」は対象外とされていたけれど、安全のために自主的に軽アイゼンを使う場合は補償対象になると確認がとれた。

そのため、出発前に保険会社から付保証明書を発行してもらい、ガイド・ポーターを手配してくれた山岸さんにもデータを送っておいた。

山岸さんは代理店でもあるので、もしもの時には手続きのサポートもしてくれる。

そんな信頼できる人が現地にいるというのは、とても心強かった。

海外旅行保険については、こちらの記事に詳しくまとめています↓

ロブチェに到着

ヘリを何機も見送りながら、午前10時半ごろ、ロブチェに到着。

ロブチェの宿

私たちは、ゲルさんが事前に予約してくれていたおかげで、なんとか個室に泊まることができた。

けれどその一方で、ゲルさんやヌルさんは部屋を確保できず、食堂の椅子で夜を明かしていた。

ベッドがあるだけの簡素な個室とはいえ、布団にくるまって静かな空間で眠れることが、どれほどありがたいかを実感した。

サンドイッチとトマトスープの昼食

お昼はサンドイッチとトマトスープで体を温める。

その後、日が高いうちに体をタオルで拭いて下着を着替えた。

できればそのタオルと、今日脱いだパンツ・靴下を洗いたかったけれど、宿の水場には「洗濯禁止」の表示が。

ゲルさんに相談すると「近くの川でなら洗える」とのことだったので、父と2人、冷たい雪解け水の川へ向かった。

川での洗濯

手が凍えるような冷たさの中、最低限すすぐだけの簡単な洗濯。

父にとっては、人生初の「川での洗濯」だったらしく、慣れないながらも一生懸命手を動かしていたのが印象的だった。

洗ったものは宿に戻って洗濯紐に吊るして干したけれど、この標高と気温では当然その日中には乾かず。

翌日のゴラクシェプでも続きを干すことにした。

にんにく香る焼き飯と、熱々のシェルパシチュー

夜ごはんは、にんにくが効いた焼き飯と、マカロニや野菜がたっぷり入った熱々のシェルパシチュー。

体に沁みる味で、しっかり栄養補給ができた。

明日はいよいよ、あの憧れの「エベレスト・ベースキャンプ」へ。

期待と不安が半分ずつ入り混じったまま、眠りについた。

10月14日 父と到達!エベレスト・ベースキャンプの地へ(ロブチェ→ ゴラクシェプ)

朝6時、すでにトレッカーでいっぱいの食堂

今日はいつもより早めに起きて、朝6時に食堂へ。

こんなに早いのに、すでにたくさんのトレッカーたちで賑わっていてびっくりした。

私たちはベースキャンプへ行って、そのままゴラクシェプに泊まる予定だけど、多くのツアー客はベースキャンプとカラパタールを1日でまわるという強行スケジュールらしい。

だからこそ、こんな早朝からロブチェを出発するのだとか。

チョコレートパンケーキの朝食

朝食はチョコレートパンケーキ。

朝7時に出発し、クーンブ氷河を越えて5140mのゴラクシェプ(Gorak Shep)へ。

そこで昼食を食べて、午後にベースキャンプ(EBC・5364m)へ向かう予定。

でも、ゲルさんいわく、ゴラクシェプまでの道は、他の区間と同じく雪は積もっているものの、特に滑りやすくて危険な区間なのだそう。

高齢の父にとっては転倒のリスクが高く、徒歩での移動は避けたほうがいいとの判断だった。

ゆっくり歩けば行けないこともないけれど、それだと今日中にベースキャンプに行く時間が足りない。

しかもゴラクシェプの宿は混雑のため2泊までしか予約できず、明日カラパタールに行くなら、今日中にベースキャンプも行かないと両方まわることができない。

そのため、父にはロブチェからゴラクシェプまでは馬で行ってもらうことに決めた。

初乗馬の父、ティカ君に乗って出発!

馬はゲルさんに手配してもらい、料金は15,000ルピー(=16,326円)。

高額だけど、父の安全には代えられない。

なんと、父にとってはこれが初めての乗馬!

しかも積雪の中なので心配だったけれど、ゲルさんがつきっきりで付き添ってくれることになり、おまかせすることにした。

馬使いの方が父のバックパックを背負い、ティカという名の馬の手綱を引いてスタート。

その速さには驚いた。

あっという間に父とゲルさんは遠くへ行ってしまい、私とポーターのヌルさんは、あとを追って歩き始めた。

大混雑の雪道、慎重に進む

ゴラクシェプまでの道はとにかく混雑していて、トレッカーの渋滞がずっと続いていた。

道幅も狭く、反対側からくる人と譲り合いながら進まなければならず、とても時間がかかる。

しかも、踏み固められた雪道はつるつるに滑りやすくて、何度も転びそうになった。

そのたびにヌルさんが手を貸してくれて、本当に助かった。

実際に自分の足で歩いてみて、父を馬に乗せて本当によかったと心から思った。

この区間で時間がかかりすぎると、ベースキャンプから戻るころには日が暮れてしまう。

暗い中を父に歩かせるわけにはいかないので、休憩も最小限、水分補給も控えながら先を急いだ。

水をあまり飲まなかった理由は、トイレ問題。

ディンボチェから上の村は、トクラ、ロブチェ、ゴラクシェプくらいしかなく、道中にはトイレが全くない。

女性の場合、青空トイレをするにも岩陰まで人目を避けて歩かねばならず、それだけで時間ロスになる。

高山病予防には水分が大切とわかってはいたけれど、どうしても早くゴラクシェプに着きたくて、我慢してしまった。

その判断が、のちのち自分に跳ね返ってくるとは、この時はまだ知らなかった…(‘A`)

絶壁の雪道

道中には、足元が雪に覆われた絶壁のような細い道もあり、足がすくんでしまうほど怖かった。

でも、ヌルさんがサポートしてくれて、安全に通ることができた。

クーンブ氷河の絶景

その先に広がるのは、壮大なクーンブ氷河。

一面銀世界の絶景に、ただただ圧倒される。

スイスで見た氷河もすばらしかったけど、ロープウェイで気軽に行けるそれとは全く違う。

何日も自分の足で歩いて辿り着いた氷河は、感動の深さが違った。

まわりには6000〜8000m級の山々がそびえ立ち、その中央に流れる氷河。

まさに、EBCトレッキングのハイライトだった。

ゴラクシェプに到着

ゲルさんからは「ロブチェからゴラクシェプまではゆっくり歩いて4〜5時間」と聞いていたけれど、急いで進んだおかげか、3時間20分ほどで到着。

父もこの早さには驚いていたけど、まだベースキャンプが残っているので、のんびりはしていられない。

ゴラクシェプの宿

荷物を部屋に置かせてもらい、食堂でガーリックヌードルをかき込んだ。

ガーリックヌードルの昼食

そして11時15分、いよいよエベレスト・ベースキャンプへ向けて出発!

エベレスト・ベースキャンプへの道

ゴラクシェプからの道も凍っていて滑りやすく、父はゲルさんのサポートを受けながら慎重に進んでいく。

ついにエベレストベースキャンプに到着!

そして13時20分、ついに父と一緒にエベレスト・ベースキャンプ(5364m)に到着!!

大きな岩に「EVEREST BASE CAMP」の文字がスプレーで描かれていて、記念写真を撮るトレッカーたちで賑わっていた。

世界最高峰のエベレスト、ついに間近に

ここからは、山の合間から世界最高峰・エベレスト(8848m)の頂上がちらりと見える。

遠くから見ていた山が、今では目の前にある。

ついにここまで来たんだ、と胸がいっぱいになった。

ここまで連れてきてくれたゲルさんとヌルさんに、握手をしてお礼を伝えたら、「到達おめでとう」と言ってもらえて、本当にうれしかった。

父も「まさか本当にここまで来られるとは思わなかった」と、感慨深そうに言っていた。

ナムチェでエベレストが見えただけで満足だと言っていたのに、夜中のトイレ地獄も含め、いくつもの困難を乗り越えて、ここまで一緒に歩いて来られたことが本当にうれしかった。

チベットの山「ルーラ(Lo La)」も見える

周囲には、クマリ(Kangtega)、リンツリ(Lingtren)、ヌプツェ(Nuptse)などの名峰がそびえ立つ。

そして、「ルーラ(Lo La)」という山はチベットに属しているのだと教えてもらい、「こんなところまで徒歩で来たんだ…」と、じわじわ感動がこみあげてきた。

ちなみにこのエリアには、6,000ルピー(=6,495円)の入域料を払えば誰でも来られるけど、この先は本格的な登山となり、50〜70万円の登山料が必要になる。

命がけのルートになるため、技術のある登山家しか行くことはできない。

だから、「ベースキャンプは一般のトレッカーにとっての“ゴール”」なのだ。

エベレストを見るだけなら、正直ここよりカラパタールの方がきれいに見える。

私たちは明日そのカラパタールにも行く予定。

両方に行けるのが本当に嬉しい。

記念撮影をして、25分ほど滞在したのち、ゴラクシェプへ戻った。

ところが、帰り道の途中から、頭痛がじわじわと出てきた。

どうやら午前中に水分も休憩もろくに取らずに歩き続けたせいで、高山病の症状が出始めたらしい。

標高5000mを超えるこの地では、いつ体調が崩れてもおかしくない。

16時、日が沈む前にゴラクシェプの宿へ戻ることができた。

でも、頭痛はなかなか治まらない。

ゲルさんからは、「このまま症状が続くようなら、明日のカラパタール登頂は中止して、下山する」と言われ、一気に血の気が引いた。

どうしても行きたかった場所。

だから、水をたくさん飲んで、必死に症状をおさえようとがんばった。

モモとトマトスープの夕食

夜ごはんは、あたたかいトマトスープとモモ(ネパール風蒸し餃子)。

りんごのデザートも

ごはんや麺類を頼まなかったこともあって、ちょっぴり物足りない夕食だったけど、それ以上に気がかりだったのは、やっぱり頭痛のこと。

もし明日までに治らなかったら、カラパタールには行けないかもしれない。

そう思うと、不安でなかなか眠りにつけなかった。

10月15日 カラパタール登頂成功!世界最高峰を見上げて(ゴラクシェプ滞在)

前日は早めに就寝したものの、深夜に何度かトイレに起きた。

夜10時頃までは頭痛が続いていたけれど、深夜2時頃に起きたときには少しおさまってきた。

そして朝。

すっかり頭痛が引いていて、「これなら行ける!」と嬉しくなり、喜々として朝食をとった。

サンドイッチとガーリックスープの朝食

朝食はシンプルなサンドイッチとガーリックスープ。

通常、トレッカーたちは朝5時か6時に出発して、カラパタールで日の出を見るのが定番らしい。

でも、私たちにとって早朝は寒さも体調的にもきついので、ゲルさんにお願いして、出発は朝8時にしてもらった。

多くの人が早朝にカラパタールを登ったあと、そのまま下山していくなかで、私たちはゴラクシェプに2泊するので余裕がある。

だから、ゆっくりのスタートでも問題ない。

カラパタールへ…!


ゴラクシェプからカラパタール(Kala Patthar・5550m)までは、雪道の登りが続く。

標高が高いため、ほんの少し登るだけでも息が切れる。

昨日は高山病の症状が出たばかりなので、今日は無理せず、ゆっくりと慎重に登ることにした。

エベレスト登山はこの氷河を登るらしい

途中、エベレストがきれいに姿を見せてくれた。

登山者たちは、この先に広がる氷河を登り、山頂を目指すのだという。

「本当にすごい場所を登っていくんだな…」と驚きながら、さらに足を進めた。

道中にあるベンチで休みながら登る

登山道にはいくつかベンチが設置されていて、休みながら登れるのがありがたい。

ヘリで救助されるトレッカーも多い

その一方で、道中ではヘリが何度も近くに降りてくる場面にも遭遇した。

どうやら高山病にかかったトレッカーたちが呼んだ救援ヘリのようだった。

この区間は、短い登りでありながら標高差が大きく、高山病になりやすいことで知られている。

わずか400mの登りでも、無理すると一歩も動けなくなることもあるそうだ。

ついにカラパタール登頂!後ろにはエベレストが!!

そして11時半、ついにカラパタールに登頂!

通常は片道2時間〜2時間半ほどだけど、私たちはかなりゆっくりペースで登ったため、3時間半ほどかかった。

それでも、前日にベースキャンプ、今日カラパタールと、両方に到達できたことが本当に嬉しくて、父と一緒に大喜びした。

頂上からはエベレスト山群がくっきりと見え、そのなかでもエベレストはひときわ輝いて見えた。

父のような高齢の初心者トレッカーで、ベースキャンプとカラパタール両方に初挑戦で行ける人は、10人に1人もいないという。

多くの人はディンボチェあたりで高山病になり、一度リタイアして、2回目のトレッキングでようやく達成するそうだ。

それを思うと、父は本当にすごい。

慣れない寝袋、毎晩のトイレ地獄、日本の快適な生活とはまるで違う環境。

おそらく楽しさより大変さのほうが大きかったと思う。

それでも、父が長年憧れていたエベレストトレッキングを無事に果たせたこと、そして一度も雨や雪に降られることなく、晴天のなかで雪山の絶景を眺めながら歩けたこと。

これはもう、奇跡としか言いようがなく、神様に感謝した。

遠くに見えるユニークな形のアマダプラム

エベレスト山群のなかでも、アマダプラムという山は特徴的なとんがり帽子のような形。

ナムチェではすぐ目の前にそびえていたのに、ここから見ると、ずいぶん小さく遠くに見える。

それだけ、自分たちがどれだけの距離を歩いてきたかを実感した。

帰りは新雪を踏みしめて帰る

下り道では、多くの人が踏み固めたトレイルはつるつるに滑って危ない。

そこで私たちは、まだ踏まれていない新雪の上を通って戻ることにした。

ヌルさんが先頭に立って足跡をつけてくれたおかげで、とても歩きやすかった。

歩くときは、かかとに重心を置くようにすると、雪にハマらずスムーズに進めるということも教えてもらった。

本来、ポーターはベースキャンプやカラパタールには同行する必要がないのに、ヌルさんは最後まで私たちをサポートしてくれた。

ゲルさんとヌルさん、ふたりのプロフェッショナル精神と優しさのおかげで、私たちは無事に両方の目的地に到達できたと思う。

心から感謝している。

ボロネーゼとじゃがいものグリル。山の上なのに味も満足!

下りは1時間40分ほどで宿に戻ることができ、13時半にはお昼ごはんを食べることができた。

昼食は、ボロネーゼとじゃがいものグリル。

中でもボロネーゼは予想以上に美味しくて、疲れた体に染み渡った。

ガイドのゲルさんは宿に泊まれず、テント泊…

昼食時、ゲルさんに「どこで寝ているの?」と聞いたら、驚きの答えが返ってきた。

ゴラクシェプの宿は混雑が激しく、食堂すら寝られないほど人が多いため、ゲルさんは外のテントで寝ているというのだ。

ダウンの寝袋もなく、カトマンズ出発時から風邪気味だったこともあり、悪化しないかと心配になった。

一方で、ポーターはガイドとは違って、客と同じ宿に泊まる必要はないのだそう。

ヌルさんは、近くにあるポーター専用の宿に泊まっているとのことだった。

せめてヌルさんだけでも、あたたかい部屋で休めていたらいいなと願った。

焼き飯と春巻きの夕食

夕食は焼き飯と春巻き。

…とはいえ、出てきたのはパイ包みのようなおしゃれな見た目のお料理だった。

いよいよ明日から下山が始まる。

またあの長い道のりを通って、スルキャまで戻る。

心配なのは、父の膝。

上りよりも下りの方が負担が大きく、痛みも出やすい。

どうか無事に下山できますように──。

そんな思いを抱えながら、眠りについた。

10月13日〜15日:使ったお金

10月13日

・朝昼夕食宿代(宿代2,000ルピー含む):11,900ルピー(=12,951円)

合計:12,951円

10月14日

・朝昼夕食宿代(宿代2,000ルピー含む):12,650ルピー(=13,768円)
・馬代(ロブチェ→ゴラクシェプ):15,000ルピー(=16,326円)
・馬使いチップ代:1,000ルピー(=1,088円)

合計:31,182円

10月15日

この日の出費はなし