カンクン滞在も中盤に入り、11月14日〜16日の3日間はずっと楽しみにしていたユカタン半島の名所めぐりへ。
まず向かったのは、透明度抜群の青い泉・グランセノーテ。
バスでトゥルムまで移動し、ジャングルにぽっかり開いた神秘的な洞窟でシュノーケルを満喫した。
翌日はちょっとゆっくり、路線バスでドルフィンビーチへ。
淡いアクアブルーの海を眺めながら波に揺られたり、砂浜でごろごろしたりと、とにかくのんびり。
ようやくカンクンらしい海を全身で味わえた。
3日目は早朝4時台に出発して、ツアーでチチェン・イッツァ遺跡へ。
巨大ピラミッド「ククルカン神殿」や生贄の泉、球技場など古代マヤ文明の痕跡を歩きながら、千年前の世界に迷い込んだような圧倒的な時間を過ごした。
泉と海と遺跡を一気に巡った3日間。
カンクンの魅力をぎゅっと詰め込んだ、小さな冒険旅になった。
11月14日 トゥルムへバス移動して、透明すぎるグランセノーテを満喫

今日はいよいよ、ずっと楽しみにしていたグランセノーテへ向かう日。
朝8時10分発のトゥルム行きのバスに乗るため、30分前にはADO Terminal Centroへ到着した。
お腹が空いていたので、まずはターミナル内のSUBWAYでサンドイッチを購入し、隣のカフェでコーヒーも買って朝ごはんの準備をすませた。

バスターミナルはバス待ちの人でぎゅうぎゅうに混雑していて、落ち着かないほどの賑わい。
私たちが乗るはずのバスは定刻になっても現れず、周囲のざわつきに包まれながら、そわそわして待ち続けた。

しばらくして案内されたのは、「トゥルム行き」と言われたものの、実際にはベリーズとの国境の街・CHETUMAL行きの長距離バス。
どうやら途中のトゥルムで降ろしてくれるらしい。

バスは長距離路線らしく座席がとても快適で、乗り心地も良い。
バスチケットは往復で916ペソ(=7,752円)/2人分だった。

走り出してすぐ、SUBWAYのサンドイッチで朝食。
どこの国で食べても安定の美味しさで、ほっとする。
予定より少し遅れて11時頃、ようやくトゥルムのバスターミナルに到着。
ここからグランセノーテまでは車で10分ほど。
歩きは無理だけど、自転車なら行ける距離なので、街のレンタル自転車ショップへ行ってみることにした。

バスターミナルから歩いて5分ほどの場所にある「Ola Bike Tulum」。
自転車を借りようとすると、スタッフの方が「グランセノーテ周辺は歩道がなく、車がすぐ横を猛スピードで走るので、自転車で行くのは危ない」と丁寧に教えてくれた。
私一人ならたぶん借りていたかもしれないが、高齢の父も一緒なので、今回は無理せずやめることにした。
商売なのに無理に貸そうとせず、しっかりデメリットまで説明してくれたのが、とても信頼できると感じた。
レンタルは2台で1日あたり400ペソ(=3,419円)。
デポジットとしてパスポート2冊預けるか、現金1,000ペソ(=8,548円)を預ける必要がある。
ただ、グランセノーテでシュノーケルマスクを借りる時にもパスポートが必要になるので、もし自転車を借りるなら、現金デポジットが現実的。
トゥルムは田舎なので配車アプリ「Uber」は使えないが、「In Drive」は使えたため、行きはIn Driveで向かうことにした。
ただ、配車のピンがズレていて、ドライバーが遠回りして迎えに来てくれるハプニングも。
料金は85ペソだったけど、迷惑をかけたのでチップをつけて100ペソ(=855円)支払った。
グランセノーテの入口で入場料1,000ペソ(=8,555円)/2人分を払い、中へ入る。

セノーテに入る前に、屋外のシャワーで体をしっかり洗う決まりになっている。

その後、無料で借りられるライフジャケットを受け取る。

グランセノーテは、ユカタン半島に数えきれないほど点在する「セノーテ」の中でも、透明度の高さでとくに有名な場所。
森にぽっかり開いた青い大穴のような泉で、太陽の角度によって、水色がターコイズブルーからミルキーブルーまで何色にも変わる。
よく「朝が一番綺麗」と言われているけど、私が行った12時でも十分すぎるほどクリアで美しかった。

パスポートを預けるとシュノーケルマスクも無料でレンタル可能。

ロッカーは30ペソ(=256円)で借りられる。

水面を覗くと、小さな亀が何匹も泳いでいて、小魚もくっきり見えるほど透明度が高い。

ライフジャケットとシュノーケルマスクをつけて、セノーテへダイブ!
冷たさは最初の一瞬だけで、気温が高かったこともありすぐに慣れて気持ちよく泳げた。
カンクンに来てようやく泳げて、体が喜んでいる感じ。
シュノーケルマスクはゴーグルのみで、口の部分がないタイプだったので少し息が苦しかった。
水中に入ると光が真上から差し込んで、洞窟の中に“光のカーテン”がゆらゆら揺れていた。
深い場所まで、底の岩がはっきり見える透明度。
まるで宝石みたいに透き通る、グランセノーテ特有の“セノーテブルー”が本当に美しい。

洞窟は奥まで広がっていて、泳いで進むとその先にもう一つのセノーテが現れる。

こちらは人も少なく、森に抱かれた静かな空間で、ユカタンのジャングルの中にひっそりとある隠れ家のような雰囲気。
独り占めしているような感覚になって、とても癒やされた。

たっぷり泳いだあとは、敷地内にあるハンモックや椅子でひと休み。
レストランや売店はないので、ランチボックスを持参すればピクニックができる。
私たちはマフィンとジュースだけしか持っていなかったので、ちょっと物足りなかった。

濡れた体をハンモックの上で自然乾燥させながら、のんびりひなたぼっこ。
トイレで着替えを済ませてからトゥルムの街へ戻ることにした。

グランセノーテ前の車道は本当に車のスピードが速く、自転車で脇を走るのはやっぱり怖い。
さらにこの周辺はスマホの電波が圏外になり、何かあった時に助けを呼べないのが難点。

当然配車アプリも使えないので、タクシーが来るのを待つしかない。
5分ほど待つと乗合タクシーが通りかかり、200ペソ(=1,711円)と高めだったけど、歩いて帰るのは絶対に無理なので乗車。

15時半頃、トゥルムの街に戻ってきた。
まだ観光地化は控えめな田舎の街だけど、トゥルム遺跡やセノーテなど観光資源は豊富で、これからどんどん発展していきそうな雰囲気。
最近、カンクンからトゥルムへの鉄道も開通したので、ますます訪れやすくなっていくと思う。

たくさん泳いでお腹がペコペコだったので、シーフードレストラン「La Negra Tomasa」へ。
夕方前なのにすでに満席近く、かなり人気店らしい。

出てきたのはエビ、白身魚、マグロ、タコが盛られたシーフードタワー。
海の街だけあって、どれも新鮮でプリプリ。
崩しながら豪快に食べるスタイルで、味付けはなんと醤油ベース。
シーフード×アボカド×醤油の組み合わせは、日本人なら確実に好きなやつで、もう本当に最高に美味しかった。

食後は再びトゥルムのバスターミナルへ戻り、バスでカンクンへ。
宿に着いたのは21時頃。
カンクン〜トゥルム間は往復6時間ほどかかり、さらにセノーテで泳ぎまくったので体力は空っぽになったけれど、ツアーより自由でゆっくりできたので、個人で来て本当によかったと思う。
この日の夜はパラパス公園のタコス屋台でタコスを買って、簡単に夕食を済ませてから就寝した。
11月15日 公共ビーチ「ドルフィンビーチ」でアクアブルーの海をのんびり堪能

昨夜は宿に帰ってきたのが遅かったので、この日は朝もゆっくりめに起きてブランチへ向かった。
前に来て美味しかった「100% Natural Cancún」が気に入ったので、再訪することに。
今回はパンケーキをチョイス。
3段重ねのボリュームたっぷりな一皿で、フルーツやクリームが生地の間にもびっしり挟まっていて、見た目だけでもテンションが上がる。
昨日はグランセノーテ、明日はチチェン・イッツァ遺跡と郊外観光が続くので、この日は無理せずのんびりデーに。
カンクンの公共ビーチへ行って、ゆっくり過ごすことにした。

カンクンにはいくつか公共ビーチがあるけれど、この日は人気の「Dolphins Beach」に行ってみることに。
ダウンタウンからはR1かR2の路線バスでアクセスできる。
トゥルム通りのTelcel近くにあるバス停で待っていると、ほどなくしてR1のバスがやって来た。

R1はダウンタウンとホテルゾーンを結ぶ路線バス。

入口で運賃2人分・24ペソ(=205円)を支払ってから座席に座る。
約40分ほどで、「Dolphins Beach」前のバス停に到着した。

カンクンのホテルゾーン南側に位置する「Dolphins Beach」は、誰でも無料で利用できる公共ビーチ。
茅葺きのビーチパラソルが並び、高級ホテルエリアにいながらも、地元の人も旅行者も気軽に“カンクンらしい海”を楽しめる、開放感たっぷりのスポットだ。
目の前に広がるのは、カリブ海ならではの真っ青なグラデーション。
晴れた日は水平線までくっきり見えて、きめ細かな白砂のビーチが広がる。
波は少し強めだけれど、そのぶん海の青さがいっそう際立って、眺めているだけでも気分が上がる。

ビーチの入口にはカラフルな「CANCUN」のフォトスポットがあり、記念撮影にもぴったり。
観光客が次々に写真を撮っていて、ここだけちょっとした撮影会のようになっていた。

ビーチにはシャワーやお手洗いも整備されていて、ホテルに泊まっていなくても安心して利用できるのが嬉しい。
シャワーは無料だが、トイレ(女性は更衣室付き)はチップ制で、今回は2人分で12ペソ(=102円)支払った。

茅葺きのパラソルは無料で利用できるが、ビーチチェアはないので、砂浜に直接寝転がるスタイル。
砂がさらさらで肌触りが良く、横になるととても気持ちがいい。
私たちは12時半頃に到着したので、パラソルにはまだ余裕があったが、14時頃になると人がどんどん増えてほぼ埋まってしまった。
利用したい場合は、少し早めの時間帯に行くのがおすすめ。

この日は天気もよく、ようやく「これぞカンクン」という淡いアクアブルーの海を見ることができた。
オールインクルーシブのホテルに泊まっていたときにこの天気だったら最高だったけれど、こうしてリベンジできたので良しとする。
気温も高く、まさに海水浴日和。
ロッカーはないので、父と交代で荷物番をしながら海に入った。
波はかなり強くて、本格的に泳ぐというより、大きな波にもみくちゃにされて“人間洗濯機”みたいになっていたけど、足がつく深さまで入って波に揺られるだけでも十分楽しい。

ビーチ周辺では、野生のイグアナの姿も見かけた。
売店は近くになく、たまに飲み物を売る人がビーチを歩いている程度なので、飲み物や軽食は事前に買っておくのが安心。
海に浸かったり、砂浜で寝転んだりを繰り返しながら、約4時間のんびり過ごし、帰りもまたバスでダウンタウンへ戻った。

「CANCUN」フォトスポットの前あたりにバスが停まるので、そこで10分ほど待っているとR2のバスがやって来た。

ダウンタウンに戻ったあと、シーフードレストラン「La Palapa del Mayor」に寄って夕食。

エビのスープを頼んだところ、大ぶりのエビがごろごろ入っていて、さらにムール貝やカニも入っていて具沢山。
シーフードの旨味がしっかり出ていて、とても美味しかった。

フィッシュフライは骨がなく、サクッとした衣で食べやすい一品。
シンプルだけれど、白身魚のふわっとした食感がしっかり楽しめた。
この日は、おしゃれカフェでブランチ→公共ビーチでごろごろ→シーフードディナーという、のんびり贅沢な1日。
公共ビーチと路線バスを活用したおかげで、コスパ良くカンクンの海を満喫できて、とても良いリフレッシュデーになった。
11月16日 早朝出発でチチェン・イッツァ遺跡へ。古代マヤの神殿と謎に触れる
16日はチチェン・イッツァ遺跡への日帰りツアーの日。
本当はADOのバスで個人で行きたかったのだけど、うまくチケットを見つけられず断念。
少し割高にはなるものの、今回はGet Your Guideでツアーを予約した。
ツアー料金は、入場料込みで2人分11,378円。
ただし、ツアー代とは別に「観光税」の名目で85.6ドル(=13,245円)の追加料金が必要になる。
ツアー開始前に、ツアー会社から送られてくるURLから事前決済をしなくてはいけないのだけど、本来チチェン・イッツァの観光税はもっと安く、窓口で支払う場合は1人548ペソ(=4,688円)。
2人で約9,500円なので、ツアー経由だとざっくり4,000円近く“上乗せ”されている計算になる。
ちょっとモヤモヤ。

朝4時前にホテルを出て、集合場所の「オー! ザ アーバン オアシス」へ歩いて向かう。
出発は4時半。
完全に夜中で、正直かなりつらい時間帯。
でも、チチェン・イッツァは昼間はとても暑く、観光客も多い。
早朝出発のツアーなら、涼しくて人の少ない時間に観光できるのは大きなメリットだ。
ツアーのバンは時間通りに迎えに来てくれて、私たちを乗せたあとホテルゾーンへ向かい、他のお客さんもピックアップ。
このまま遺跡へ直行するのかと思いきや、途中でプラヤ・デル・カルメンの街にも立ち寄ってさらに参加者を乗せてから向かったため、かなり遠回りのルートになった。

遺跡の少し手前でトイレ休憩があり、そこでガイドさんから驚きの情報が。
なんと、ここからは時差が1時間あるとのこと。
カンクンはユカタン半島の東側に位置し、時計はUTC-5。
そこから西に移動したチチェン・イッツァ周辺は、一般的なメキシコ本土と同じUTC-6の時間帯になる。
つまりカンクンから西へ移動すると、時計が1時間戻るイメージだ。
チチェン・イッツァ遺跡ツアーの集合時間や帰着時間を考えるときは、この時差を踏まえておかないと混乱しそう。

約4時間半かけて遺跡に到着したものの、時差のおかげで時計上は3時間半しか経っていない。
遺跡の開園時間は8時なので、それまでガイドと一緒に列に並んで待つことに。

時間になると団体で中へと入場。
まず向かったのは、チチェン・イッツァのシンボルともいえる「ククルカン神殿」だ。

ユカタン半島のど真ん中にそびえるチチェン・イッツァは、マヤ文明を代表する世界遺産。
ジャングルの中に突如あらわれる巨大ピラミッド「ククルカン神殿」を中心に、球戯場や生贄の泉(セノーテ)などの遺構が広がっていて、歩いていると千年前の世界に紛れ込んだような気分になる。

とくに有名なククルカン神殿は、太陽の動きを正確に計算して建てられていて、春分と秋分には“ヘビの影”が階段を降りてくるように見える仕掛けが今も残っている。
数学や天文学に秀でていたマヤの知恵には、思わず「すごい」と感嘆してしまう。
ここで一度写真タイムとなり、しばらく自由行動。
40分ほど時間があったので、ピラミッドをいろいろな角度からじっくり撮影することができた。

ククルカン神殿から少し足早に歩いて、生贄の泉にも立ち寄ることに。
神殿からは片道7分ほど。
お土産を売る露店がずらっと並ぶ一本道を進んでいくと、その先に泉が見えてくる。

チチェン・イッツァ北側にひっそり広がる「El Cenote Sagrado(聖なる泉)」は、古代マヤの人々が雨乞いや祈りの儀式に使っていた神聖な場所。
直径60mほどの深い穴の底にエメラルド色の水が静かにたまっていて、近づくと森の静けさと重なって、どこか張りつめたような空気を感じる。
ここも「セノーテ=天然の陥没穴」のひとつなのだけれど、他のセノーテと違うのは、ここが「神に捧げる儀式の場」だったということ。
雨の神チャクへ祈りを捧げるため、宝飾品などの貢物、そして若い女性までもが人身供犠として投げ入れられたとされている。
マヤの儀式の“リアルさ”がひしひしと伝わってくるような、神聖で少し怖さも感じる場所だった。

再びガイドと合流し、団体で旧チチェン・イッツァのエリアにある「高僧の墳墓」へ向かう。
ククルカン神殿のある新チチェンエリアは観光客で賑わっているが、旧チチェンエリアは人が少なく、少し静かで落ち着いた雰囲気が漂っている。
ここでは、古代マヤの指導者階級や神官たちが葬られていた可能性があり、その発見から“墳墓”という名前が付けられたそうだ。

続いて、昔ながらのマヤの家を再現した小屋へ。
丸い土壁にかやぶき屋根というシンプルな構造で、風がよく通るように作られている。
湿気の多いユカタン半島でも快適に過ごせるよう、先人の知恵が詰まっている。

家の中に入ると、まず目に入るのが白布をかけた大きな祭壇。
マヤの家庭では、キリスト教が伝わったあとも、もともとの信仰と混ざり合った独自の祈りの文化が根づいている。
十字架には鮮やかなレース布が飾られ、周りには花が供えられていた。

反対側には土間スペースがあり、昔ながらの調理器具やハンモックが並んでいて、当時の暮らしぶりがそのまま再現されている。

再び団体でククルカン神殿のほうへ戻ると、今度は石柱が林立する「戦士の神殿」へ。
ククルカン神殿の隣にそびえる大きな神殿で、広い基壇の周囲には無数の石柱が並び立っている。
かつてここでは戦士たちの集会が行われていたと考えられているそうだ。
階段の上にはチャックモール像も残っているらしいが、現在は立入禁止エリアになっていて、観光客が見ることはできない。

その後、ククルカン神殿の前に戻り、ガイドさんが面白い実演をしてくれた。
神殿の正面で手を叩くと、鋭くて甲高い音が一拍遅れて響き渡るのだが、その反響音が「ケツァル鳥のさえずり」に似ていると言われている。
これは石材の形と配置によって生まれる音響効果で、マヤ人が意図的に設計した“神聖な仕掛け”だという。
実際に聞いてみると本当に独特な響きで、マヤ人の賢さにまた感心してしまう。

ククルカン神殿の広場の一角にある「ツォンパントリ(Tzompantli)」も印象的だった。
ここは古代マヤの儀式で犠牲になった人々の頭蓋骨を並べ、人々に見せるための台座。
側面には骸骨のレリーフがずらりと彫られていて、どことなくおどろおどろしい雰囲気が漂う。

案内板のイラストには、頭蓋骨を棒に刺して並べていた様子も描かれていて、当時の光景を想像すると少し背筋が寒くなる。
「マヤ文明って、やっぱりかなり暴力的な側面もあったのかな」と、現代の感覚からはなかなか理解しづらい部分が浮き彫りになる場所でもあった。

最後に訪れたのは、宗教儀式として球技が行われていた球技場。
両側に長い壁がまっすぐ伸び、その高い位置に石でできた丸い“ゴール”が取り付けられている。

競技は、ゴム製のボールを腰やひざなどで扱い、手を使わずにそのゴールへ通すという非常に難しいルールだったそう。
見上げるほど高い位置にある輪を見て、「これ本当に入ったの…?」と疑いたくなるレベル。
そして、さらに驚いたのが、「勝ったチームのキャプテンが栄光を担い、生贄として捧げられた」と言われていること。
え、負けたほうじゃないの!?( ゚Д゚) と混乱。
今の感覚とはまったく違う価値観で動いていた世界なので、簡単には理解が追いつかない。
「これ、八百長試合だったのかな?」と父と冗談を言い合いながら、宗教儀式の謎に思いを馳せつつ遺跡を後にした。

遺跡観光のあとは、土産物屋とレストランが併設された施設に立ち寄り、ランチ休憩。
ただし、昼食代はツアー代金には含まれていない。

レストランのビュッフェは少し高かったので、私たちは売店でアイスを買って昼食代わりにすることにした。

ついでにスナック菓子も購入して、なんとか空腹をしのぐ。
観光地価格なのでアイスも菓子も高いけれど、それでもビュッフェよりはまだマシだった。
16時半頃、カンクンに帰着。
ガイドとドライバーにチップを渡してバスを降りると、その足でレストランへ向かう。
父がどうしても中華を食べたいとのことで、中華レストラン「Fa Kee (Comida China)」へ。

ここでは、ベースになるチャーハンや焼きそばを選んで、その上に好きなおかずを盛ってもらうプレートセットを注文できるスタイル。
メニューはガラスケース越しに料理が並んでいて、指差し注文ができるのでスペイン語ができなくても安心。

私はチャーハンと焼きそばに、エビグリルとブロッコリーと肉の炒め物をチョイス。
あまり辛くなく、日本人の口にも合う味付けで、とても美味しかった。
ただし量がとんでもなく多く、さすがに食べきれないので、残った分はテイクアウト用の容器に詰めてもらい、宿に持ち帰った。
明日からは、カリブ海に浮かぶ女神の島「イスラ・ムヘーレス」へ移動する。
カンクン沖、約10kmの海上に浮かぶ全長8kmほどの小さな島で、長期旅行者にも人気ののどかなリゾートアイランドだ。
世界的に有名な大リゾート・カンクンとはまた違い、ゆったりした空気が流れる島で3泊滞在し、カンクンでの旅の締めくくりにする予定。
うち2泊はオールインクルーシブのホテルなので、「また酒三昧の日々だ」と父はすでにとても楽しみにしている。
天気が良いことを祈りつつ、次の島旅にワクワクしながらこの日は眠りについた。
11月14日〜11月16日:使ったお金
11月14日
・水:20ペソ(=171円)
・朝食代(サンドイッチ等):154ペソ(=1,317円)
・コーヒー:84ペソ(=718円)
・タクシー代(トゥルム→グランセノーテ):100ペソ(=855円)
・グランセノーテ入場料:1,000ペソ(=8,555円)
・ロッカー代:30ペソ(=256円)
・乗合タクシー代(グランセノーテ→トゥルム):200ペソ(=1,711円)
・夕食代(シーフードタワー盛り):440ペソ(=3,764円)
・水:18ペソ(=154円)
・タコス:80ペソ(=684円)
合計:18,185円
11月15日
・朝食代(パンケーキ等):575ペソ(=4,919円)
・バス代(ダウンタウン→ドルフィンビーチ):24ペソ(=205円)
・トイレチップ:12ペソ(=102円)
・バス代(ドルフィンビーチ→ダウンタウン):24ペソ(=205円)
・スーパー買い物代(日焼け止め等):284ペソ(=2,429円)
・夕食代(フィッシュフライ等):565ペソ(=4,833円)
合計:12,693円
11月16日
・チチェン・イッツァツアー代:11,378円
・観光税:85.6ドル(=13,245円)
・コーヒー:74ペソ(=633円)
・アイスクリーム:120ペソ(=1,026円)
・チップス:80ペソ(=684円)
・ガイドチップ:100ペソ(=855円)
・ドライバーチップ:100ペソ(=855円)
・夕食代(中華料理等):340ペソ(=2,908円)
・水:16ペソ(=136円)
合計:31,720円


