【181】ビーグル水道クルーズとマルティアル氷河、ウシュアイア満喫と国境越え3日間(2025.11.24〜11.26)

パタゴニア(アルゼンチン&チリ)
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ウシュアイア滞在の中日、朝からビーグル水道クルーズに向かう一日が始まった。

右手にチリ、左手にアルゼンチンの陸地を眺めつつ海峡を進み、レ・エクレール灯台ではアシカ、マルティージョ島ではマゼランペンギンに出会えた。

翌日はマルティアル氷河へトレッキングに出かけ、街と海を見下ろしながら雪の残る山道を歩いた。

午後はウシュアイア海洋・刑務所博物館を訪れ、かつて「世界の果て」に築かれた刑務所と、この土地が背負ってきた歴史に向き合う。

そして深夜、夜行バスで国境を越え、マゼラン海峡を渡ってプンタ・アレーナスへ。

――ところが親子そろって体調を崩し、予定は一気に不穏な空気に変わっていく。

世界の果ての冷たい風に吹かれながら過ごした、濃密な3日間の記録。

11月24日 ビーグル水道クルーズでアシカとペンギンに会う

目玉焼き、フルーツ、ヨーグルトの朝食

朝、父が目玉焼きを焼いてくれた。

ヨーグルトやフルーツと一緒に食べて、手早く朝ごはんを済ませる。

今日は、昨日予約したビーグル水道のクルーズに参加する日。

出港は9時だけれど、30分前までに受付をして支払いを済ませるよう言われていたので、少し早めに家を出た。

Tolkeyen Patagonia Turismo – Muelle

時間に余裕をもって8時頃に受付へ。

クレジットカードで支払いを済ませた。

ちょうど支払いが終わる頃、入口には列が伸び始めていて、もう少し遅かったら並ぶことになっていたと思う。

危なかった。

Tourist Port

チケットを持ってTourist Portへ向かう。

ここを通過すると、船が停泊している桟橋へ進むことができる。

乗船

8時半頃、桟橋に到着。

すでにたくさんの人が並んでいて、かなりの混雑ぶりだった。

2階席

船内は1階と2階に席があり、すでにほぼ埋まっている状態。

私たちは2階席に座った。

自由席なので、良い席を確保したい場合は、やはり早めに受付を済ませておくのがよさそうだ。

1階には売店がある

1階には売店があり、飲み物や軽食が販売されていた。

ビーグル水道をクルーズ

そして9時、いよいよ出港。

ビーグル水道は、アルゼンチンとチリの間に広がる細長い海峡で、氷河によって削られてできた入り江が連なる場所。

クルーズ船は、右手にチリ、左手にアルゼンチンの陸地を眺めながら、静かな水面をゆっくりと進んでいく。

岸辺には、なだらかな丘や低い山が続き、ところどころに小さな島が点在している。

デッキは冷たい風が強く、想像以上に寒い。

ニット帽や手袋、ダウンなど、防寒対策はしっかりして参加したほうがいい。

写真を撮ったあとは、移動中は船内に戻って体を温めながら過ごした。

レ・エクレール灯台

しばらくすると、レ・エクレール灯台が見えてきた。

赤と白の縞模様の小さな灯台が、島の上にぽつんと立っている。

その姿が見えた瞬間、乗客たちは一斉にデッキへ出て、カメラを構え始めた。

島の先端にはアシカの姿

灯台のある島の先端には、数匹のアシカたちが集まっているのが見える。

アシカがごろごろ寝そべっている

さらに隣の島では、見渡す限りアシカの大群。

船が近づくにつれて、だんだんと独特のにおいも漂ってきた。

正直、ちょっとくさい。

アシカたちは大きな声で鳴き交わしながら、岩の上で寝そべったり、体を寄せ合ったりして、思い思いにくつろいでいる。

人の存在などまったく気にしていない様子で、完全に野生の姿を間近で見ることができた。

本当の南米最南端の街?「プエルト・ウィリアムズ」

アシカの島を後にして、しばらく航行すると、遠くに街の姿が見えてきた。

チリ側にある「プエルト・ウィリアムズ」という街だ。

ここはしばしば「本当の南米最南端の街」と紹介される場所。

ウシュアイアは長らく南米最南端として知られているけれど、その呼び方には諸説あり、プエルト・ウィリアムズもまた“最南端”を名乗っている。

近年はインフラ整備や人口増加が進み、街の規模も少しずつ大きくなってきているそうだ。

そのため、ウシュアイアとプエルト・ウィリアムズは、それぞれが「南米最南端の街」であることを主張する、ちょっとしたライバル関係にあるとも言われている。

「南米最南端」という肩書きは、それだけ人を惹きつける力があるのだろう。

持参したお菓子でランチ

11時過ぎ、そろそろお腹が空いてきたので、持参していたお菓子を昼食代わりに食べた。

マルティージョ島

そして、いよいよマルティージョ島へ。

ここはマゼランペンギンが多く生息していることで知られている島だ。

マゼランペンギンがたくさんいる

島に上陸できるツアーもあるそうだけれど、料金はかなり高め。

今回参加したクルーズでは上陸はせず、その代わりに船を島のすぐ近くまで寄せてくれたので、海上から間近でペンギンたちの姿を見ることができた。

くつろぐペンギン達

特等席は、船の正面デッキ。

ここからはペンギンのいる島を正面に望めるため、多くの乗客が集まり、かなりの混雑になる。

風も強く体感温度は低いけれど、いい写真を撮りたい人は、早めに正面デッキで場所を確保しておくのがおすすめ。

とはいえ、船はペンギン観察のために十分な時間をとってくれる。

順番に場所を譲り合いながら撮影できたので、焦らなくても、しっかり写真を撮ることができた。

野生のアシカやペンギンたちを、自然な距離感でたっぷり観察できて大満足。

15時頃、船はウシュアイアに戻り、ツアーは終了した。

沈没船「セント・クリストファー号」

クルーズ後、海岸沿いの道を歩いていると、1957年に沈没したイギリス船「セント・クリストファー号」の船体が見えてきた。

雪山を背景に、朽ちた船が静かに海に横たわる姿は、どこか絵になる風景だった。

意外と栄えているウシュアイアの街

「世界の果て」というイメージとは裏腹に、ウシュアイアの街は意外なほど栄えている。

南極観光の玄関口として、多くのクルーズ船や観光客が行き交い、街にはホテルやレストラン、博物館、商業施設が揃っている。

厳しい自然環境の中にありながら、観光と南極関連産業によって経済的にも支えられているのが、この街の大きな特徴。

最南端の街でありながら、活気と生活感をあわせ持つ——それがウシュアイアだった。

ウシュアイアの記念写真スポット

最後に、ウシュアイアの記念写真スポットで写真撮影。

クルーズ中はくもり空で少し残念だったけれど、午後は少し天気が持ち直してくれて、いい写真が撮れた。

サラミ、チーズ、ナッツのおつまみ

スーパーに寄って買い物をしてから帰宅。

17時前だったけれど、お菓子しか食べていなかったので、お腹はペコペコ。

まずはチーズとサラミをおつまみに、お酒を飲んだ。

ステーキとブロッコリー、フルーツの夕食

今夜は外食をする予定だったけれど、目当てのお店が祝日で休み。

結局、今日も自炊することにした。

今日のステーキはサーロイン。

リブアイに比べると脂は控えめだけど、赤身が多く、さっぱりした味わい。

それでも、個人的にはやっぱりジューシーなリブアイのほうが好みかな。

父が付け合わせのブロッコリーを茹でてくれて、親子で料理をしながら、ゆっくり美味しく食べた。

11月25日 マルティアル氷河トレッキングとウシュアイア海洋・刑務所博物館見学

ゆで卵、フルーツ、ヨーグルトのジュース

今日の朝ごはんは、ゆで卵、フルーツ、ヨーグルトなど。

父がゆで卵を作ってくれた。

私は行程管理やブログ執筆で何かと手が回らないので、こうして父が料理を頑張ってくれるのは本当に助かっている。

明日の深夜には夜行バスでチリのプンタ・アレーナスへ移動するため、今日はウシュアイア観光の最終日。

今日も残念ながらくもり空で、天気はあまり良くなかったのだけど、マルティアル氷河へトレッキングに行くことにした。

まさか、この判断が後々大変なことを引き起こすとは、この時の私たちはまだ知らない……(‘A`)

マルティアル氷河の入口

配車アプリ「Uber」を使って、宿からマルティアル氷河の入口へ向かう。

この建物の2階部分にチケット売り場がある。

建物2階にある受付

建物2階のチケット売り場で、入場料を支払う。

料金は2人分で20,000ペソ。

ここでは、有料でストックやアイゼンのレンタルも可能。

スタッフから「雪はそれほど多くないから、アイゼンは必要ないと思うよ」と言われたので、父用のストック1本(6,000ペソ)のみをレンタルすることにした。

合計26,000ペソ(=3,116円)をクレジットカードで支払い。

途中にある分岐点は少し分かりづらい

登り始めは緩やかな山道が続くのだけど、途中の分岐点には案内板がなく、少し道が分かりにくい。

ウシュアイアの街と海を一望できる

ふと後ろを振り返ると、ウシュアイアの街と海を一望できた。

マルティアル氷河の展望エリア

50分ほど歩いて、マルティアル氷河を望める展望スポットに到着。

ここまでは緩やかな山道なので、ストックなしでも問題なく歩ける。

氷河を間近に見られる展望台へ行くには、ここからさらに奥に広がる山の急斜面を登っていく必要がある。

本来は、この看板のすぐ右側にある橋を渡らなければならなかったのだけど、私たちはそれを見逃してしまい、小川を渡るのに少し苦労した。

途中雪道を少しだけ歩く

急斜面を進んだ先には、ほんの数メートルだけ雪道があった。

この区間はかなり滑りやすく、ゆっくり慎重に進む。

父用にストックをレンタルしておいて正解だった。

氷河を間近に見られる展望スポット

そして、ようやく氷河を間近に見られる展望スポットへ到着。

……が、氷河というより、どちらかというと残雪に近い印象。

しかも雲に覆われていて視界も悪く、景色をきれいに見ることはできなかった。

当然ながら、とても寒い。

写真だけ撮って、早々に下山することにした。

スキー板を履いて登る人々

下山途中、スキー板を履いて氷河を登っていく人たちとすれ違った。

スキーで一気に滑り降りたら気持ちいいだろうな、と思いながら、黙々と登る彼らの姿を眺めた。

駐車場ではタクシーが何台か待機している

往復で約3時間かけて歩き、入口の駐車場へ戻ってきた。

ここはスマホの電波が通じず、Uberを呼ぶことができない。

どうしようかと思っていたところ、駐車場にはタクシーが2台待機していた。

パタゴニアは南米の中でも治安がとても良いエリアなので、流しのタクシーでも比較的安心して利用できる。

しかもクレジットカード決済にも対応していて、かなり便利だった。

シーフードレストラン「El Viejo Marino」

タクシーで山を下り、シーフードレストラン「El Viejo Marino」で下車。

美味しいカニが食べられることで有名な人気店で、ここで昼食をとることにした。

カニのむき身とシーフードシチューの昼食

注文したのは、カニのむき身・黄米・サラダのプレートと、カニ、イカ、エビ、ムール貝、ホタテがたっぷり入ったシーフードシチュー。

カニのむき身はとても食べやすく、値段も比較的リーズナブル。

味はタラバガニに近いけれど、もう少しワイルドで、旨みが強い印象だった。

シーフードシチューは具がゴロゴロ入っていて、氷河で冷え切った体が一気に温まり、とても美味しかった。

ウシュアイアの郵便局

食後はウシュアイアの郵便局へ。

囚人が描かれた壁画が印象的な建物だ。

日本の家族へハガキを送る

お土産屋さんで買ったハガキに、郵便局の窓口で購入した切手を貼って投函。

切手代は2枚分で、なんと22,800ペソ(=2,576円)。

しかも現金払いのみ。

「世界の果て」だから切手代も高いのだろうか。

こんな高いお金を出して、もし日本に届かなかったら泣いてしまう……(T_T)

ウシュアイア海洋・刑務所博物館(旧刑務所)

午後の観光で訪れたのは、ウシュアイア海洋・刑務所博物館。

かつて実際に使われていた刑務所を改装し、博物館として公開している施設だ。

「世界の果て」と呼ばれるこの地に、なぜ刑務所が作られたのか。

その歴史を、建物そのものから感じることができる。

かつての独房を再現

館内には、当時の独房を再現した部屋が残されている。

狭い空間に、簡素なベッドと小さな窓だけ。

足かせや鉄球の展示

展示ケースには、実際に使用されていた足かせや鉄球も展示されていた。

極寒の地で、これを付けたまま労働させられていたことを思うと、言葉を失う。

囚人なりきり写真スポット

館内には写真スポットも用意されている。

顔だけを覗かせるタイプのパネルで、囚人服姿が描かれているもの。

重い展示が続く中で、ほんの少しだけ気持ちを和らげてくれるコーナーでもあった。

当時の刑務所をそのまま残したエリア

一部のエリアでは、改装を最小限にとどめ、当時の刑務所の姿がそのまま保存されている。

長い廊下、無機質な壁、冷たい空気。

言葉少なに、静かに見て回った。

トイレ

囚人たちが使っていたトイレやシャワールームも見学できる。

シャワールーム

最低限の設備しかなく、とても快適とは言えない環境。

日常の一部を切り取った展示だからこそ、当時の生活の厳しさがよりリアルに伝わってくる。

先住民族セルクナム族(オナ族)の展示

博物館の一角には、フエゴ島に暮らしていた先住民族、セルクナム族(オナ族)についての展示もあった。

彼らは現在のチリとアルゼンチンにまたがる地域で生活していた人々で、当時は国境という概念そのものが存在していなかった。

写真に写る全身ペイントは、成人儀礼で使われた装束の記録。

正直、あまりの奇抜さに思わず二度見してしまったけれど、厳しい自然の中で生き抜いてきた彼らの文化が、刑務所の歴史と並べて紹介されることで、この土地が持つ、より長く複雑な歴史を知ることができた。

館内にはこのほかにも、南極航海の歴史や、この海域に暮らす動物たちについての展示があり、想像以上に見応えがある。

刑務所の歴史だけでなく、ウシュアイアが「南極への玄関口」として発展してきた背景や、この土地ならではの自然環境まで、幅広く学ぶことができた。

Marga Taqsa社のオフィス

博物館見学の後は、今晩乗車する夜行バスを予約しているMarga Taqsa社のオフィスへ向かった。

12GOという予約サイトで事前に予約していたものの、乗車場所がよく分からなかったため、直接オフィスで確認することにした。

その際、スタッフから「SAG申請はもう済ませた?」と聞かれ、正直その時は「なにそれ?」という状態。

話を聞くと、SAGとはチリの農畜産検疫に関する事前申請で、チリ入国時に必要な手続きとのことだった。

事前申請が前提になっているような雰囲気で、案内されるまま、その場で申請を行うことに。

申請はオンラインで、スマホから父と私、それぞれの情報を入力。

分かりにくい部分はスタッフが横で手伝ってくれたので、特に問題なく完了できた。

リュックとストックを購入

最後にアウトドアショップ「Scandinavian Outdoor Shop」に立ち寄り、トレッキング用のリュックと父用のストックを購入。

ここでは22日にも父用のトレーナーを購入していたのだけど、全品35%オフになっていて、アルゼンチンのアウトドアブランド「nexxt」が比較的手頃な価格で売られていた。

使い捨て感覚で使うには、ちょうどいい価格帯。

トレッキング用品はレンタルしようと思っていたけれど、思った以上に物価が高く、レンタルを重ねるなら安いものを購入したほうが結果的に安くつくかもしれない、と感じた。

ステーキ、サラミ、チーズ、フルーツ等の夕食

ウシュアイア最後の夜は、ステーキ、サラミ、チーズ、フルーツなどの夕食。

深夜3時発の夜行バスに乗る予定なので、夕食後は少し仮眠をとり、2時20分頃に宿を出発した。

11月26日 夜行バスで国境越え、マゼラン海峡を渡ってプンタ・アレーナスへ

プンタ・アレーナス行きのバス

2時40分頃、ガソリンスタンド横にある「Reciclaje: Plastico, Vidrio」に到着。

ここがバスの出発場所で、すでにMarga Taqsa社のバスが停まっていた。

オンラインチケット、パスポート、SAG申請の画面を見せて、そのまま乗車。

フットレスト付セミベッドの座席

座席はフットレスト付きのセミベッドで、かなりリクライニングが倒せる。

ゆったりしていて座り心地もよく、長時間でも体がきつくなりにくい。

約10時間の夜行バスなので、膝の悪い父のために少しグレードの高いバスを予約しておいて正解だったと思う。

深夜3時、定刻どおりバスは出発。

真っ暗な夜道を、国境へ向けて走り出した。

アルゼンチン側イミグレ「サン・セバスティアン(Paso San Sebastián)」

朝8時、アルゼンチン側のイミグレ「サン・セバスティアン(Paso San Sebastián)」に到着。

アルゼンチンは入国時も出国時もスタンプが押されない。

ちょっと不安になるけれど、手続きが終わったらまたバスに乗り込み、次はチリ側のイミグレへ向かう。

チリ側イミグレ

チリ側のイミグレでは、しっかりスタンプが押された。

チリへ陸路で入国するときは検疫がとても厳しい。

ハムやソーセージなどの肉製品、果物、野菜、種子類は基本的に持ち込み禁止。

国境では荷物検査があり、申告せずに持ち込むと没収や罰金の対象になることもある。

地平線しか見えない道が続く

信号もない、地平線しか見えない道を、バスは気持ちいいくらいの勢いでかっ飛ばしていく。

スナック菓子が配られた

9時過ぎ、「お腹すいたな〜」と思っていたら、バスの乗務員さんがスナック菓子を配ってくれた。

サンドイッチ、ジュース、温かいコーヒーのサービスも

さらにサンドイッチ、ジュース、温かいコーヒーまで。

朝食もバス代に含まれていたなんて、なんてサービスの良い会社なんだ……!と感動した。

マゼラン海峡をフエリーで渡る

11時20分、フエゴ島の北の端にあるバイア・アスール(Bahía Azul)に到着。

ここからバスごとフェリーに乗り、マゼラン海峡を渡ってチリ本土へ向かう。

乗船は約20分ほど。

フェリーの窓越しに海が見えた

乗船中、少しだけバスから降りてみたけれど、見えるのは船の窓越しの海くらいで、あまりいい写真が撮れなかった。

残念。

そして、この頃からなんだか体がしんどくなり始めた。

ヤバい予感は的中。

プンタ・アレーナスのMarga Taqsa社のバスターミナルに到着したのは14時20分頃。

その時にはもう、はっきり風邪の症状が出ていて、歩くのもしんどい。

父も同様に風邪をひいていて、親子で同時に発症してしまった。

昨日、寒い中でマルティアル氷河を歩いたのが原因かもしれない。

というか、常夏のカンクンから一気に寒いウシュアイアへ来て、フエゴ国立公園もビーグル水道クルーズも、ずっと寒かった。

気温差で体がやられるのも当然だよね……と、妙に納得してしまう。

Hostal Balmacedaのツインルーム

バスターミナルから、ほぼ這うようにして予約していた宿「Hostal Balmaceda」へ到着。

チリでは外国人旅行者がホテル代を外国発行のクレジットカードで決済すると、19%のVAT(付加価値税)が免除される。

だから宿泊費はクレジットカード払いにしておくのが安心、ということで、30,000チリペソ(=5,219円)をクレカで支払った。

そして部屋へ案内されて、びっくり。

プライベートバス付きのツインルームを予約していたのに、案内されたのは共同バスルームの部屋だった。

でも抗議する元気すらなく、そのままベッドに倒れるように寝転がった。

このまま眠りたかったけれど、チリのSIMカード購入、明日のバスの出発場所の確認、風邪薬や夕食の買い出しなど、やることは山ほどある。

父も「一緒に行く」と言ってくれたけれど、体調の悪い人間が2人で動く必要はない。

ここは私ひとりで用事を済ませることにした。

ヨーロッパ風の建物が並ぶ

プンタ・アレーナスは、クロアチア系移民が多く暮らしてきた港町。

街にはヨーロッパ風の建物が並び、南米というより、どこか欧州の街を歩いているような感覚になる。

薬局で風邪薬購入

まずは薬局へ。

頭痛、咳、倦怠感があることを伝えると、この薬を勧められた。

ただ後で調べてみると、頭痛や鼻水に効くタイプらしく、咳止めはまた明日買うことにした。

MovistarでSIMを購入

次はMovistarでSIMを購入。

40GB/30日で、2枚で9,980チリペソ(=1,669円)と、かなり安い。

でも待ち時間やアクティベートに1時間ほどかかり、SIMを買うだけでげっそり疲れた。

ホットドックとりんごの夕食

スーパーで食材を買い、テイクアウトもできるレストラン「Diente Largo」でホットドッグを買って帰宅。

今日の夜はホットドッグとりんごの夕食。

……なのに食欲がなくて、ホットドッグは半分ほど残してしまった。

へとへとで帰ってきたところへ、父から「着替えの服がなくなったからランドリーに出しに行きたい」と言われて、さすがに限界。

今日は無理、と断った。

パタゴニアの宿は洗濯が禁止のところが多い。

ウシュアイアは大丈夫だったけれど、プンタ・アレーナスの宿は禁止で、汚れた服はランドリーに出すしかない。

でも、熱も出ていて体が思うように動かない。

父には申し訳ないけれど、2日連続で下着を着てもらうしかなかった。

明日はプエルト・ナタレスへバス移動。

さらに明後日はパイネ国立公園のツアー参加。

移動が続くのに、体は絶不調。

父も咳がひどくて、体調が悪いせいか余裕がなく、機嫌も悪い。

まさか楽しみにしていたパタゴニアで、こんなふうに体調を崩してしまうなんて……。

明日からどうなるのか!?親子旅、いきなりのピンチだった。

11月24日〜11月26日:使ったお金

現金払いは赤字にしています。

11月24日

・ビーグル水道クルーズ代:260,000アルゼンチンペソ(=31,237円)
・スーパー買い物代(ステーキ肉等):31,958アルゼンチンペソ(=3,839円)
・手袋(2組):14,100アルゼンチンペソ(=1,694円)

合計:36,770円

11月25日

・タクシー代(宿→マルティアル氷河):5,725アルゼンチンペソ(=686円)
・マルティアル氷河入場料&ストック1本レンタル:26,000アルゼンチンペソ(=3,116円)
・タクシー代(マルティアル氷河→レストラン):9,100アルゼンチンペソ(=1,090円)
・昼食代(カニのむき身等):74,000アルゼンチンペソ(=8,870円)
・切手代(2枚分):22,800アルゼンチンペソ(=2,576円)
・ウシュアイア海洋・刑務所博物館入場料:72,000アルゼンチンペソ(=8,629円)
・ストック、リュック:75,662アルゼンチンペソ(=9,069円)

合計:34,036円

11月26日

・バス代(ウシュアイア→プンタ・アレーナス):96.19ドル(=16,545円)
・宿代(1泊分):30,000チリペソ(=5,219円)
・風邪薬:5,990チリペソ(=1,041円)
・歯磨き粉:2,000チリペソ(=348円)
・SIM代(Movistar40GB/30day×2枚):9,980チリペソ(=1,669円)
・スーパー買い物代(リンゴ等):6,306チリペソ(=1,097円)
・夕食代(ホットドック):10,560チリペソ(=1,736円)

合計:27,655円