【182】風邪と虫トラブルに泣いた3日間|プエルト・ナタレス滞在とパイネ国立公園日帰りツアー(2025.11.27〜11.29)

パタゴニア(アルゼンチン&チリ)
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プンタ・アレーナスを出発し、プエルト・ナタレスを拠点に過ごした3日間。

出発当日、体調は最悪だった。

それでも、すでに予約していたバスや宿、そして楽しみにしていたパイネ国立公園のツアーを前に、旅を止めるという選択はできなかった。

しんどさを抱えながらのプエルト・ナタレスへの移動、思わぬ宿トラブル、そして体調不良の中で出会ったパタゴニアの圧倒的な自然。

三本の岩峰がそびえるトーレス・デル・パイネや、湖と氷河が織りなす景色は、そんな状態でも心に深く刻まれるものだった。

最終日は休養を優先し、ランドリーや買い出しといった最低限の用事だけをこなす一日に。

旅の楽しさと同時に、長期旅ならではの厳しさも改めて実感することになった。

今回は、風邪をひきながら過ごしたプエルト・ナタレス滞在と、パイネ国立公園ツアーでのあれこれ。

11月27日 風邪悪化の移動日。プエルト・ナタレスへ向かうしんどい一日

今日は、プエルト・ナタレスへの移動日。

けれど、風邪は良くなるどころか、むしろ悪化していた。

それでも、バスも宿もすでに予約してある。

しんどいけれど、今日移動するしかない。

今日利用するバス会社はBus-Sur社。

宿から乗り場までは、徒歩で15分ほどの距離だった。

当初は歩いて行くつもりでいたけれど、私も父も体調がかなり悪く、ここは無理をしないことにして、配車アプリのUberでタクシーを呼ぶことにした。

料金は2,196チリペソ(=386円)。

この距離でこの値段は安くて、本当に助かった。

Bus-Sur社のプエルト・ナタレス行きのバス

Bus-Sur社の乗り場を、バスは11時ちょうどに出発。

チケットは事前に予約サイトの12GOで手配していて、二人分で24.17ユーロ(=4,157円)だった。

快適な座席

座席は広々としていて、思っていた以上に快適だった。

昨日スーパーで買っていたパン

朝ごはんは、昨日スーパーで買っておいたパンを、バスの中で食べる。

体調は悪かったけれど、何か口に入れておかないと、移動に耐えられそうになかった。

プエルト・ナタレスのバスターミナル「Terminal Rodoviario」に、14時20分頃到着。

ここから宿までは、歩いて10分ちょっとの距離。

風邪で体はかなりしんどかったけれど、なんとか歩いて宿へ向かった。

Corner Hostel Puerto Natalesのツインルーム

プエルト・ナタレスで3泊する宿は、「Corner Hostel Puerto Natales」。

ツインルームで、プライベートバス付きの部屋を予約していた。

ただ、正直に書くと、この宿はあまりおすすめできない。

というのも、滞在中にダニなのか南京虫なのか分からない虫に、体中を噛まれてしまい、チェックアウト後も数週間にわたって強いかゆみに悩まされることになった。

父は念のため持参していたトラベルシーツにくるまって寝ていたため、幸い被害はなし。

一方の私は、風邪で体調がかなり悪く、トラベルシーツを出してセットする気力もなくて、「まあいいか」とおおちゃくしてしまったのが完全に裏目に出た。

結果、腕や脚、背中まで噛まれ、ずっとかゆみと闘う羽目に。

部屋自体は一見すると普通で、清潔感もそれなりにあるように見えただけに、余計にショックだった。

プライベートバス付きの個室という条件だけを見ると悪くない宿に思えるけれど、虫が苦手な人や、体調が万全でない人には、正直おすすめしづらい宿だと思う。

加えて、設備面についても、実際に使ってみて気になる点があった。

バスルーム

部屋のバスルームのシャワーには使用量の制限があり、一定量を超えると自動的にお湯が止まる仕組みになっていた。

パタゴニアは氷河や湖が多く、水資源が豊富なイメージがあったけれど、少なくともこの宿では、水の使い方にかなり気を配っている様子だった。

自然が豊かな場所でも、インフラとして使える水は、決して無限ではないのだろう。

共用スペース

宿の共用スペースにはキッチンがあったので、夕食は自炊することにした。

体調の悪い父には部屋で休んでいてもらい、私一人で薬局へ行って咳止め薬を買い、そのままスーパーで食材も購入して戻ってきた。

へとへとになって宿に戻ったところで、父から「着替えの服がなくなったから、ランドリーに出しに行きたい」と言われ、さすがに限界。

今日は無理、と正直に断った。

パタゴニアの宿は、洗濯禁止のところが多い。

ウシュアイアの宿は大丈夫だったけれど、プンタ・アレーナスやプエルト・ナタレスでは禁止されていて、汚れた服はランドリーに出すしかない。

でも、私も熱が出ていて、体が思うように動かなかった。

父には申し訳なかったけれど、2日連続で同じ下着を着てもらうしかなかった。

コンロは外にある

それでも、なんとか最後の力を振り絞って、父と一緒に夕食作り。

洗い場などは室内にあるのに、なぜかコンロだけは外に設置されていた。

風が強くて寒く、コンロでの作業はかなりつらかったけれど、父が頑張ってくれた。

パスタとオレンジの夕食

今日の夕食は、パスタとオレンジ。

茹でたパスタにパスタソースを絡めただけの、本当に簡単なものだったけれど、これだけ作るのが精一杯だった。

11月28日 体調不良でも絶景へ。パイネ国立公園ツアーと心に残る景色

パン、ヨーグルト、バナナの夕食

プエルト・ナタレス2日目。

今日は、楽しみにしていたパイネ国立公園へツアーで向かう日。

……なのだけど、風邪はまだ治らない。

ツアーは事前にGET YOUR GUIDEで予約していて、直前キャンセルはできない条件だったため、体調が万全でなくても行くしかなかった。

朝食はパンとバナナ、ヨーグルト。

できるだけ胃に負担をかけないよう、簡単に済ませる。

ツアーのバンが迎えにきてくれた

朝7時20分、ツアーの迎えのバンが宿の前に到着。

今回のドライバーとガイドは、どちらも若い女性で、しかも笑顔が素敵な美人さん。

朝から少し気分が明るくなった。

ガイドさんは前日の夜にWhatsAppでメッセージをくれていて、服装のアドバイスや当日の細かな行程を事前に説明してくれるなど、とても親切だった。

今回のツアー代金は二人で26,190円。

ただし、この金額には昼食代と入場料は含まれていない。

パイネ国立公園の入場料(64,800チリペソ=11,358円)と、ミロドン洞窟の入場料(22,800チリペソ=3,996円)は、事前にインターネットで支払うよう案内があり、ツアー前日に手続きを済ませておいた。

遊歩道を歩いてミロドン洞窟入口へ

最初に訪れたのは、ミロドン洞窟。

8時頃、ミロドン洞窟のビジターセンターに到着し、Eチケットをスマホで提示してから遊歩道へ進む。

ここでの観光は自由散策で、約40分ほど時間が与えられていた。

洞窟内の景色

ミロドン洞窟は、パタゴニアにある巨大な洞窟。

実際に足を踏み入れると、想像していた以上に広く、ひんやりとした空気と相まって、どこか神秘的な雰囲気が漂っていた。

巨大生物「ミロドン」の像

この洞窟は、「ミロドン」の化石が発見されたことで有名。

ミロドンは、氷河期の終わりごろまでパタゴニアに生息していた巨大な地上性ナマケモノで、その発見をきっかけに、この場所は「ミロドン洞窟」と呼ばれるようになったそうだ。

体長は約3メートル、体重は1トン近くあったとされ、洞窟内にはその大きさを再現したミロドンの像が展示されている。

ミロドンの骨を再現したレプリカ

ビジターセンターには、ミロドンの骨を再現したレプリカも展示されていて、どれほど巨大な動物だったのかを、視覚的にイメージしやすかった。

岩山の上で羽を広げるコンドルを発見

ミロドン洞窟を後にし、パイネ国立公園へ向かう途中、突然バンが停車した。

何事かと思ったら、岩山の上にコンドルがいるという。

ドライバーとガイドさんのはからいで、バンを降りて写真撮影の時間を設けてくれた。

羽を広げたまま、まるで銅像のように微動だにしないコンドル。

その姿は想像以上に大きく、圧倒される。

ツアーでも、運が良くないとコンドルは見られないそうで、体調はつらかったけれど、参加して良かったと素直に思えた瞬間だった。

サルミエント湖展望台

その後、トイレ休憩を兼ねてお土産屋さんに立ち寄り、10時15分頃、ついにトーレス・デル・パイネが目の前に姿を現した。

トーレス・デル・パイネとは、空に向かって突き刺さるようにそびえる三本の岩峰。

氷河や湖、草原が広がる風景の中で、この独特な形の岩峰がひときわ目を引く。

このツアーではいくつかの展望スポットに立ち寄るが、最初に訪れたのがサルミエント湖展望台(Lago Sarmiento View)。

湖越しにトーレス・デル・パイネを一望できる定番スポットで、この日は雲ひとつない快晴。

とんがった岩峰がくっきりと浮かび上がり、思わず見入ってしまう景色だった。

アマルガ湖展望台

次に訪れたのは、アマルガ湖展望台(Laguna Amarga)。

ミルキーブルーに輝く湖の向こうに、トーレス・デル・パイネの岩峰が連なり、他の展望スポットとはまた違った表情を見せてくれる。

湖の色と山のコントラストがとにかく美しく、今回立ち寄った中でも、個人的にはいちばん心に残る景色だった。

パイネ川の滝

続いて立ち寄ったのが、パイネ川の滝(Cascada Río Paine)。

エメラルド色の川が勢いよく流れ落ち、周囲の岩山や草原と相まって、パタゴニアらしい大自然を感じられる迫力ある滝だった。

これらの展望スポットはいずれも、国立公園の入園ゲート手前にあり、チケットなしでも立ち寄れるエリア。

それでも十分すぎるほど、トーレス・デル・パイネの魅力を感じることができた。

とはいえ、公共交通だけでこれらを効率よく回るのはなかなか難しく、個人で訪れるにはハードルが高いのも正直なところ。

展望台や滝をテンポよく巡れる点を考えると、こうした場所はツアーで訪れるのが現実的だと感じた。

パイネ国立公園の入口「ラグナ・アマルガ入園ゲート」

展望スポットを3か所巡ったあと、ようやくパイネ国立公園の入口、ラグナ・アマルガ入園ゲート(Entrada Laguna Amarga – CONAF)へ到着。

ここで、事前購入していたEチケットをスマホで提示し、入園手続きを済ませる。

確認が終わると再びバンに乗り込み、いよいよ国立公園内へと進んでいった。

ノルデンショルド湖展望台

国立公園内で最初に立ち寄ったのは、ノルデンショルド湖展望台(Mirador Nordenskjöld Lake)。

エメラルド色の湖となだらかな草原が広がる、開放感のあるビュースポットだ。

遠くには岩山と雪を抱いた山々が連なり、パタゴニアのスケールの大きさを改めて感じさせてくれる。

ここから見るトーレス・デル・パイネは、今まで訪れた展望スポットよりやや小さく見えるものの、山のシルエットがすっきりと美しい。

この先はトーレスを正面から見る機会が少なくなるため、ここがきれいに眺められる最後のポイント。

名残惜しさを感じながら、湖と山の景色を目に焼き付けた。

パイネ・グランデ山を正面に見ながらハイキング

次に訪れた場所では、短めのハイキングへ。

ガイドさんと一緒に、サルト・グランデ展望台(Mirador Salto Grande)を目指す。

パイネ・グランデ山を正面に望みながら、駐車場から整備された遊歩道を進み、片道10分ほどで展望台に到着した。

サルト・グランデ展望台

目の前には、ターコイズブルーの湖から勢いよく流れ落ちるサルト・グランデの滝。

水の色と水量の迫力が印象的で、トーレス・デル・パイネらしいダイナミックな景色を間近で楽しめた。

グアナコを発見!

帰り道、丘の上にグアナコの姿を発見。

グアナコはリャマの仲間で、パタゴニア一帯に生息する野生動物だ。

人に慣れているのか、こちらを警戒しつつも落ち着いた様子で佇んでいて、広い空と草原に溶け込む姿がとても印象的だった。

ペオエ湖展望台

続いて訪れたのは、ペオエ湖展望台(Lago Pehoé)。

ここも湖の色がとても美しく、まるで絵葉書のような世界が広がっている。

トーレス・デル・パイネでは、湖ごとに水の色が少しずつ異なり、エメラルド、ターコイズ、ミルキーブルーと、どれも本当に美しい。

同じ景色がひとつとしてないことも、この国立公園の大きな魅力だと感じた。

この後、バンはレストランに立ち寄って昼食タイム。

レストランは価格が高めだったため、私たちは持参していた軽食をバンの中で食べ、その後はひたすら眠って過ごした。

グレイ湖

ツアーの最後に訪れたのが、グレイ湖(Mirador Lago Grey)。

ミルキーブルーの湖の奥には、巨大なグレイ氷河が姿を見せていた。

グレイ氷河が湖に流れ込んでいる

氷河はそのまま湖へと流れ込み、氷が削り出した水が、このやさしく独特な色合いを生み出している。

山、湖、氷河が一度にそろう景色は、一日の締めくくりにふさわしい、圧巻の眺めだった。

サラミ入りパスタ

18時前には宿に戻り、シャワーを浴びてから夕食作り。

今日の夕食は昨日とほぼ同じで、違うのはサラミを入れたことくらい。

今日は体を大きく動かすことはなく、写真スポット巡りが中心だったため、トレッキングに比べれば体への負担は少なかった。

それでも、丸一日バスに揺られる行程は、風邪をひいている身にはさすがにこたえた。

本当は明日、トーレス・デル・パイネで最も有名なトレッキング、トーレス・ベース(Base de las Torres)トレッキングに行く予定だった。

三本の岩峰の麓に広がる湖を目指す、定番中の定番ルート。

ただし、往復でかなりの距離と時間がかかる、体力勝負のトレッキングでもある。

明日の天気予報は晴れ。

行けば絶景が見られる可能性が高いだけに、正直かなり悩んだ。

それでも、今の体調で無理をするのは危険だと判断。

この先にはエル・チャルテンでのトレッキングも控えているため、ここで無理をするわけにはいかない。

とても残念だけれど、明日は一日、宿でしっかり休養することにした。

11月29日 休養と現実。ランドリーと街歩き、次の旅への準備

ランドリーショップで重さをはかる

朝、宿の近くにあるランドリーショップ「Lavanderia Lavaseco Milodón」へ。

宿での洗濯が禁止されているので、ランドリーに出すしかない。

父と私の洗濯物を合わせて3kgで、10,500チリペソ(=1,806円)。

ここはヨーロッパですか…(‘A`)?

めっちゃ高くて、思わず顔がひきつった。

しかもクレジットカード決済ができず、現金のみだと言われたので、ATMに行く手間まで追加。

体調が悪い日にこれは地味につらい。

木造の桟橋跡

ATMに行くついでに、プエルト・ナタレスの街を少しだけ歩いて観光もした。

ムエジェ・イストリコ(Muelle Historico)は、町の港の歴史を今に伝える木造の桟橋跡。

パタゴニア開拓時代の面影を残し、湾越しに山々を望む静かな散歩スポットとして親しまれている。

手の形をしたモニュメント「ラ・マノ」

桟橋のすぐ横にある彫刻「ラ・マノ(La Mano)」は、海沿いに設置された手の形のモニュメント。

せっかくの作品なのに、電柱があるおかげで台無しだ。

惜しい。

先住民族セルクナム族を表した像

街を歩いていると、あちこちに先住民族セルクナム族の像がある。

赤と白のボディペイントは、成人儀礼で用いられた伝統的な装いを再現している、とウシュアイアの博物館で学んだ。

……学んだはずなのに、どうしても股間のモッコリに目が行って仕方がない。

デザインが色々ある

見れば見るほど魅力的なセルクナム族。

デザインがいろいろあって可愛いし、つい探してしまう。

ATMで現金を下ろして、ランドリーを済ませて、追加の風邪薬や水なども買って宿へ戻った。

父は大いびきをかいて寝ていた。

風邪のせいなのか、いびきの音が普段よりさらに大きい。

そして時々止まる。

ちょっと心配になるレベルだ。

カップ麺の夕食

全然食欲がなくて、今日は朝からほとんど何も食べていない。

夕食はカップ麺。

この量ですら多く感じて、途中で気持ち悪くなる。

今日はほとんど寝て過ごしたのに、それでも風邪は全然よくならなかった。

念願のパタゴニアの地で、まさかこんな大風邪をひいて、観光を楽しめないなんて。

悲しいし、情けないし、なんだか悔しかった。

明日はアルゼンチンのエル・カラファテへの移動日。

また国境を陸路で越えて、アルゼンチン側のパタゴニアへ向かう。

せめてエル・チャルテンのトレッキングのときには風邪が治っていてほしい。

そう願いながら眠りについた。

11月27日〜11月29日:使ったお金

現金払いは赤字にしています。

11月27日

・タクシー代(宿→バスターミナル):2,196チリペソ(=386円)
・バス代(プンタ・アレーナス→プエルト・ナタレス):24.17ユーロ(=4,157円)
・宿代(3泊分):150,500チリペソ(=26,415円)
・咳止め薬:2,990チリペソ(=524円)
・スーパー買い物代(パスタ等):14,621チリペソ(=2,566円)

合計:34,048円

11月28日

・パイネツアー代:26,190円
・パイネ入場料:64,800チリペソ(=11,358円)
・ミロドン入場料:22,800チリペソ(=3,996円)
・水:2,500チリペソ(=437円)
・ピンバッジ:4,000ペソ(=700円)

合計:42,681円

11月29日

・薬代:14,950チリペソ(=2,616円)
・水:1,600チリペソ(=280円)
・ランドリー(3Kg分):10,500チリペソ(=1,806円)
・スーパー買い物代(カップ麺等):4,850チリペソ(=834円)

合計:5,536円