イキトスからエクアドル・キトへ向かう移動日。
順調にいくはずだった旅は、リマでのフライト欠航という思わぬトラブルから始まった。
長時間の空港待機にぐったりしながらも、なんとか夜のキトに到着。
標高2,850mの街はアマゾンとは別世界の寒さと空気の薄さで、体もどこか重だるい。
翌日は無理をせず、旧市街をのんびり歩きながらSIMを調達し、ガラパゴス旅行の準備を進める。
そして3日目、向かうのは野鳥観察の聖地ミンド。
深い森に囲まれた小さな町で、念願だったハチドリと出会う時間が待っていた。
トラブルに振り回されながらも、その先で出会ったやさしい景色と空気。
そんな3日間の記録。
2月24日 欠航トラブルでリマ空港に足止め、なんとかキトへ

朝4時15分、外はまだ真っ暗。
配車アプリInDriveでバイクタクシーを呼び、イキトス空港へ向かう。
深夜料金で高くなるかと思い、少し多めに現金を用意していたけれど、実際は15.2ソル(=694円)。
拍子抜けするほど安く、現金がだいぶ余った。

深夜で道路はガラガラ。
20分ほどで空港に到着。
今日はLATAM航空で、ペルーの首都リマを経由し、エクアドルの首都キトへ向かう予定。
前日にオンラインチェックインを試したものの、なぜかできず。
カウンターで搭乗券を発券してもらった。

イキトス空港はとても小さく、ゲートまではすぐ。
余っているペルー・ソルを使い切るため、近くのカフェでハム&チーズサンドイッチを注文。
出発までの時間は、ブログを書きながらゆっくり過ごす。

最初のフライトは、イキトス6時20分発、リマ8時着。
朝焼けの駐機場を歩き、そのまま目の前の機体へ。
タラップを上って搭乗するこの感じ、なんだか少しわくわくする。
飛行機は定刻通りに出発。

機内では、キヌアとベリーのシリアルバーとコーヒーの軽いサービス。

リマにも定刻で到着。
国際線のイミグレと保安検査を抜けて、ラウンジ「The Club LIM」へ。
ここが思いのほか当たり。
広くてきれいで、食事もドリンクも種類が豊富。
プライオリティ・パスで無料利用できるのもありがたい。

ハムやチーズ、フルーツをつまみながら、朝からピスコサワー。
ほんのり酔いが回っていい気分。
そのままワインまで手を出して、すっかり調子に乗っていたところで——まさかの事態。
ラウンジのフライト情報ボードを何気なく見ると、リマ→キト便がまさかの欠航( ゚Д゚)!!
一気に酔いが覚めて真っ青に。
慌てて受付スタッフに相談する。
どうやら、欠航便の搭乗ゲートで振替対応をしているらしい。
ラウンジを出て、すぐにゲートへ向かった。

新しく発券されたチケットは、14時30分リマ発。
本来の11時50分発より、2時間40分遅れ。
間に12時55分発の便もあったので、そちらに変更できないかお願いしてみたものの、対応不可。
到着は17時頃の見込み。
キトはあまり治安が良いとは言えない街。
できれば明るいうちに着きたかったけれど、もう祈るしかない。

遅延のお詫びとして、15ドル分の食事クーポンを受け取る。
とはいえ、この金額で頼めるのはほぼ朝食セットのみ。
フルーツ、ヨーグルト、グラノーラのセットを注文し、またブログを書きながら時間をつぶす。
……が、ここでさらに追い打ち。
再び遅延のアナウンス(T_T)
結局、リマを出発したのは17時過ぎ。
朝8時から丸一日、空港にいたことになる。
安全運航が第一なのは分かっていても、さすがに心身ともにぐったり。

しかも短距離国際線のため、機内食はなし(‘A`)
ポテチとシリアルバーだけで空腹をしのぐのは、なかなかきつい。

キト到着は、すでに20時近く。
ペルーとの時差はなく、外は完全に夜。
治安が不安なので、まずはSIMを確保したいところだけれど、空港1階の売り場はかなり高い。
ClaroのSIMは、4GBで23ドル、10GBで40ドル。
完全に観光客価格。

空港前のショッピングモール「Quito Airport Center」にもSIM売り場があるらしく、のぞいてみる。
しかしこちらも、1GBで16ドル、5GBで26ドル、8GBで36ドル。
やっぱり高い。

SIM購入はあきらめ、空港の無料Wi-FiでInDriveを使ってタクシーを手配。
旧市街の宿まで約50分。
料金は16ドル(=2,537円)。
エクアドルの通貨はアメリカドル。
もともとはスクレという自国通貨があったけど、2000年にドル化された。
南米にいながらドルを使う感覚。
どこかアメリカにいるような、不思議な違和感。
アフリカのジンバブエで感じた感覚と少し似ている。
言語や通貨、宗教。
そういったものが、その国らしさを形づくっている気がするからこそ、独自通貨がないという事実に、少しだけ寂しさも覚える。
そんなことをぼんやり考えているうちに、宿に到着。
旧市街は人通りがなく、静かで少し不気味。
入口でベルを鳴らすと、すぐにオーナーが出てきてくれて、ほっと一安心。

本来はシングルルームの予約だったけれど、空きがあったのかツインルームにアップグレード。
2泊で22ドル(=3,512円)。
ペルーに比べて、一気に物価が下がった印象。

部屋には専用バス付き。
勢いよく出る温かいシャワー。
ブラジルではお湯にありつけなかったので、実に26日ぶり。
それだけで、かなり満たされた気持ちになる。

宿に着いたのは21時過ぎ。
お腹は空いているけれど、外は暗く、人通りもほとんどない。
強盗の話も聞いていたので、外出は控えようかと迷う。
そんな中、オーナーが近くの食堂「Buen Pollo Carmita」を教えてくれた。
とはいえ、走っても3分ほど。
少し不安はあるけれど、空腹には勝てない。

店内で食べる余裕はなく、テイクアウトに。
チキン弁当が3.25ドル(=515円)と安かったので、それを選ぶ。
味は……正直、そこまで美味しくはない。
でも、空腹のまま寝るよりはずっといい。
お腹を満たし、この日はようやく就寝。
トラブルに振り回され続けた、長い長い一日だった。
2月25日 標高2850mのキトで休息、SIM購入とガラパゴス旅行の準備
ここ、キトはアンデス山脈の谷間にある街で、標高は約2,850m。
アマゾンでの日々は灼熱だったのに、ここに来た途端、一気に気温が下がる。
さらに標高も高く、空気も薄い。
キャミソールに短パンで過ごしていた昨日までとは別世界。
日によってはダウンが欲しくなるほどの寒さ。
久しぶりの高地だからか、なんとなく体も重だるい感覚。
今日は無理をせず、のんびり過ごしながら、ガラパゴス旅行に向けた準備を進めることにした。

まずは宿の近くの電気屋でSIMカードを調達。
旧市街にはこうした電気屋が点在していて、SIM探しに困ることはなさそう。

通信会社はいくつかあるけれど、今回はClaroを選択。
ガラパゴスではつながりやすさ的にClaro一択らしい。
SIMカードは3ドル。
インターネットプランは自由に選べる仕組みで、今回は9GB・25日間で8ドルのパッケージにした。
足りなくなれば後から追加できるので、まずはこれで様子を見ることに。

石畳の道に、白壁と赤い屋根の建物。
スペイン植民地時代の面影が色濃く残る旧市街は、そのまま世界遺産に登録されているエリア。
歴史ある教会や建物が並び、ただ歩いているだけで、少しだけ時間を遡ったような感覚になる。

そんな街並みの中、広場の一角に現れた装甲車と武装した兵士たち。
観光地のど真ん中にある光景に、思わず足が止まる。
どうやら常時の治安対策らしく、特別な事件というわけではない様子。
それでも、緊張感のある空気が漂っていた。

ガラパゴスで使うシュノーケルグッズを探しに、「La Casa De Los Mil Deportes」へ。
ローカルなスポーツ用品店で、価格も比較的手頃。

ここでシュノーケルセットを20ドル(=3,172円)で購入。
少し高く感じるけれど、現地で毎回レンタルするよりは結果的に安く済みそう。
自前で持っていくことにした。

続いて、「Marathon」へ。
同じローカル店でも、こちらは少ししっかりした店構えで、扱っている商品もやや高級寄り。

ここでは腰に巻くタイプの浮きを10ドル(=1,586円)で購入。
現地でライフジャケットを借り続けるのもコストがかさむので、こちらも事前に準備。
見た目はどうしても、水泳練習中の小学生みたいになってしまうのが少しダサい。
でも、ガラパゴスの海は潮の流れが速い場所もある。
女ひとりで泳ぐ以上、油断は禁物。
安全第一でいくことにした。

買い物のあとは、「Sauce Coffee centro histórico」でブランチ。
店内はおしゃれで、落ち着いた空気。
ゆっくりできる居心地のよさ。

注文したのは、トルティーヤ・デ・ベルデと目玉焼きのセット。
ベルデは青バナナのことで、それをすりつぶして焼いたトルティーヤ。
外はこんがり、中はもちっとした食感。
素朴でやさしい味で、シンプルな目玉焼きとよく合う。
食後は宿に戻り、そのまま夕方まで休憩。
標高の高さもあって、今日は無理をしない日。

今日買ったシュノーケルセットと浮き。
なんとかバックパックに収まったものの、かなりパンパン。
重さもずしっと増えた。
これを持ち歩くのか…と少しげんなりしつつも、必要なものを先に揃えられた安心感もある。

夕食は、イタリアンレストラン「Café San Blas」へ。

さっぱりしたものが食べたくて、カプリチョーザサラダとフルーツジュースを注文。
ブロッコリーやトマトがたっぷりで、シンプルに美味しい。
昼間の旧市街は、人通りのある通りなら比較的安心して歩ける。
でも夜になると、一気に人がいなくなる。
メイン通りでさえ、静まり返るほど。
そのため、19時過ぎには店を出て、そのまま宿へ直帰。
旧市街は日中でも強盗のリスクがあると言われているので、女性一人旅なら、治安の良い新市街に宿をとる方が安心だと思う。
2月26日 森の町ミンドへ移動、ハチドリに出会う癒しの時間

キト3日目の朝。
今日は、野鳥観察の聖地と呼ばれるミンドへ移動する日。
朝食は宿の近くのカフェ「Café Alhambra」へ。
ローカルの人たちで賑わう人気店で、朝食メニューも豊富。

スクランブルエッグ、パン、コーヒー、グアナバナジュースのセットで3.25ドル(=515円)。
グアナバナは日本ではあまり見かけない果物で、「サワーソップ」とも呼ばれる南国フルーツ。
見た目は白くてとろっとしていて、ほんのり甘く、少し酸味もある不思議な味。
ミルキーさもあって、ヨーグルトのような雰囲気もあるけれど、やっぱりどこか初めての感覚だった。

BRTの乗り場「Santa Prisca」から、北にあるバスターミナルへ向かう。
キトのBRTは専用レーンを走るバスで、駅のような停留所から乗り降りする仕組み。
まずは乗り場で0.35ドル(=55円)を支払い、乗車。

見た目はバスだけど、感覚としては電車に近い。
料金も安く、本数も多いので、地元の人たちの日常の足として使われている様子。
車内はそれなりに混雑していて、ローカル感たっぷり。
少しの緊張感を感じながら、バスは街を北へと進んでいく。

約40分で、北部にあるTerminal la Ofeliaに到着。
ここから隣接する長距離バスターミナル「Terminal InterParroquial Ofelia」へ移動する。

長距離バスターミナル内には複数のチケットカウンターがあるけど、コンパクトなので迷うことはない。
キトにはバスターミナルがいくつかあり、行き先によって使い分けられているらしい。

ミンド行きのチケットをここで購入。

時刻表を見ると、次の便は11時発。
出発まで1時間半ほど待つことに。
売店やカフェがないので、時間を持て余しながらの待機。
それでも、キトからミンドまで3.6ドル(=571円)という安さはありがたい。

出発15分前になり、バスに乗り込む。

座席は思った以上に快適。
気づけばぐっすり眠っていて、目を覚ますともうミンドに到着していた。

ミンドのバスターミナルで下車。
標高は約1,200〜1,300mほど。
同じエクアドルでも、キトとはまったく違う雰囲気。
街は深い森に囲まれていて、自然の中にぽつんとある小さな田舎町。
時間の流れがゆったりしていて、歩いているだけで心がほどけていくような感覚になる。
道ですれ違う村人たちは、笑顔で挨拶をしてくれる。
その素朴さとあたたかさに、ふっと気持ちがゆるむ。
観光客もそれほど多くなく、どこか静かでやさしい空気。
到着したその瞬間から、すっかりこの町に惹き込まれてしまった。

ミンドでの宿は「The Temple III, Mindo」。
共用リビングにはブランコ席のダイニングやハンモックがあり、のんびり過ごせる空間。

部屋は木の温もりを感じるログハウス風。
窓の外には、山に囲まれたミンドの景色が広がっていた。

バスルームは共用だけど、部屋のすぐ横にあり使いやすい。

そのまま昼食をとりに、宿のスタッフおすすめの「Sisakuna – cafe y bar」へ。
中庭には植物や花がたくさんあり、落ち着いた雰囲気の心地よい空間。

カプレーゼとフルーツジュースを注文。
モッツァレラではなかったのは少し残念だけど、バジルも添えられていて、さっぱりとした味わいで美味しい。

そして、このカフェの最大の魅力は、中庭にやってくる野鳥たち。
専用のフィーダーが設置されていて、色鮮やかな鳥たちがひっきりなしにやってくる。
なかでもお目当てはハチドリ。
この小さな鳥を見たくて、わざわざミンドまでやってきた。
エクアドルはハチドリ観察で有名で、なかでもミンドは“聖地”とも呼ばれているらしい。
しばらく待っていると、ふいに目の前に現れたハチドリ。
気づいたときには、もう目の前でぴたりと空中停止している。
羽ばたきがあまりにも速くて、羽はほとんど見えない。
音だけが、ぶぶぶっと小さく震えている。
次の瞬間には、もう別の場所へ。
まるで映画『ハリー・ポッター』に出てくるクィディッチのボールみたいに、ビューンと飛び回っていた。
世界最小クラスの鳥で、この速さで自由に空中を行き来する姿は、どこか現実離れしている。
ふと、ペルーのナスカで見たハチドリの地上絵を思い出す。
あのとき印象に残った形が、今こうして目の前で生きて動いている。
その重なりに、なんとも言えない不思議な感覚になる。
ミンドにはバードウォッチングツアーも多いけれど、このカフェだけでも十分満足してしまった。
なので、明日は滝へ行くことにする。
森の中を歩きながら滝を巡ることができる公園があるらしい。

「Tours de Chocolate y Café / Quinde Mindo.」というカフェ兼土産店で、入場券やタクシーの手配をお願いする。
滝で泳ぐ場合は足元が滑りやすいとのこと。
そのため、別の土産店でマリンシューズを12ドル(=1,903円)で購入。
ガラパゴスでも使う予定だったので、ここで手に入れられてちょうどよかった。

買い物のついでに、町の中心にある「SMB “Mindo” Central Park」をぶらぶら散歩。
ここにも野鳥が多く集まっていて、木々の間から聞こえるさえずりに耳を傾けながら、ゆっくりとした時間を過ごす。
スペイン語しか話せない地元のおじさんたちが、一生懸命話しかけてくれる。
言葉は全部は分からないけれど、その笑顔と雰囲気だけで、十分あたたかさが伝わってきて、なんだか嬉しくなる。

夕食は、ベジタリアンの中東(ペルシャ)料理レストラン「Persian House」へ。
家族経営のこじんまりとした店で、落ち着いた空気が流れている。

ミルザ(なす・トマト・卵の煮込み)を注文。
ナスはとろとろで、トマトの酸味と旨みがしっかり効いている。
そこに半熟卵のコクが加わって、味に深みが出る。
薄焼きのフラットブレッドですくって食べると、これがまた美味しい。
シンプルだけど満足感のある一皿だった。
次は、ミンドの森での滝巡りと、キトを経由してパパヤクタ温泉での温泉三昧へ。
2月24日〜2月26日:使ったお金
2月24日
・航空券代(イキトス→キト):52,910円
・タクシー代(空港→宿):16ドル(=2,537円)
・宿代(2泊分):22ドル(=3,512円)
・夕食代(チキン弁当):3.25ドル(=515円)
※24日に支払ったバイクタクシー&朝食代は、ペルーでの合計に含めるため23日分に計上しています。
合計:59,474円
2月25日
・SIMカード代(Claro9GB/25day):11ドル(=1,744円)※SIMカード代3ドル含む
・シュノーケルセット:20ドル(=3,172円)
・浮き:10ドル(=1,586円)
・昼食代(トルティーヤ等):5.2ドル(=824円)
・ヘアゴム:0.5ドル(=79円)
・夕食代(カプリチョーザサラダ等):7ドル(=1,110円)
・水:0.25ドル(=39円)
合計:8,554円
2月26日
・朝食代(セットメニュー):3.25ドル(=515円)
・バス代(宿→バスターミナル):0.35ドル(=55円)
・バス代(キト→ミンド):3.6ドル(=571円)
・昼食代(カプレーゼ等):8.98ドル(=1,427円)
・宿代(2泊分):26.1ドル(=4,139円)
・滝入場料:5ドル(=793円)
・マリンシューズ:12ドル(=1,903円)
・夕食代(ミルザ等):9ドル(=1,427円)
合計:10,830円

