今日は、宿の目の前にそびえる巨大な石造りのローマ劇場へ。
まるで中東にいることを忘れてしまいそうなその姿は、1900年近く前に建てられた本物のローマ遺跡。
石段に腰を下ろすと、かつての観客たちと同じ目線に。
最上段は思わず足がすくむほどの高さだけれど、そのぶん見晴らしも格別だった。
劇場を見学したあとは、アンマン旧市街をぶらりと散策。
アル・バラ・スークには、野菜や果物、衣料品、スパイス、日用品までなんでも揃っていて、活気ある迷路のような通りを歩けば、そこに暮らす人々の日常が垣間見える。
今日はローマ時代の名残と、今を生きるアンマンの人々の暮らし──時を越えたふたつの風景に出会った一日。
ローマ劇場を一望!見晴らしのいい朝食レストラン
アンマン・パシャ・ホテルは、ローマ劇場の目の前という抜群の立地にあり、朝食付きという点も決め手だった。
朝は、宿の最上階にあるレストランへ。

大きな窓からは気持ちのいい風が入り、アンマンの街並みや劇場を一望できる眺めが広がる。

猛暑のオマーンからやって来たので、ひんやりとしたアンマンの朝の空気が、日本の春のように感じられた。

朝食には、サラダやアラビックパン、ゆで卵、オリーブ、チーズ、フムスなどが並び、ヘルシーで満足度も高い。
朝にこれだけ野菜が摂れると、昼や夜はサラダなしでもいいかなと思えるほど。
古代の面影が残るローマ劇場へ|アンマン歴史散歩
午前中は部屋でゆっくり過ごし、午後から街歩きへ。
お昼は、昨日シャワルマの味見をさせてくれたローカルレストランへ再訪。

頼んだのは、チキンシャワルマのサンドイッチ。
ポテト山盛り&ピクルス付きで、なんと2ディナール(=402円)。

薄いアラビックパンで包まれたシャワルマは、ソースをつけながら食べると最高だった。
昼食後、いよいよローマ劇場へ。

アンマンのローマ劇場は、2世紀、ローマ皇帝アントニウス・ピウスの時代に建てられた古代遺跡で、約6,000人を収容できる大規模な野外劇場。
「中東のイスラム教国」というイメージが強いヨルダンだけれど、実はローマ帝国、ビザンティン帝国、イスラム王朝、オスマン帝国など、さまざまな文明や宗教の支配を受けてきた土地。
ローマ劇場やビザンティン様式の教会、イスラム建築が混在する街の風景には、その複雑な歴史が刻まれている。
ヨルダンを旅するということは、まるで文明のレイヤーを一枚ずつめくっていくような体験だ。

劇場の観客席は、街の斜面を活かして造られており、上から下まで3層に分かれている。
下段は政治家や富裕層などの特権階級、中央には一般市民、そして最上段は下層階級のための席。
座る位置ひとつで身分が決まるという、当時の階級社会の厳しさが垣間見える。


最上段からの眺めは素晴らしかったが、石段はデコボコで傾斜もきつく、降りるときは慎重にならざるを得ない。
それでも、あの景色をかつての庶民も見ていたのだと思うと、不思議な感慨が湧いてくる。


劇場内には、古代ギリシア語の碑文が刻まれた石柱や、武具が彫られたレリーフなど、当時の遺構がいくつも残されている。


また、劇場内にはふたつの小さな博物館が併設されていて、ヨルダン各地の伝統衣装や、ベドウィンの暮らしぶりを伝える展示を見ることができた。

そのひとつひとつに、遥か昔から続く人々の営みが感じられた。
生活感あふれるローカル市場へ|旧市街スーク探検

アンマンの旧市街を歩いていると、ふと目に留まるのが古い紙幣や硬貨を並べた小さな店。
時代を感じるその光景に、アンマンのもうひとつの顔が垣間見える。

喉が乾いたので、スークに入る前にストロベリージュースでひと息つく。
甘酸っぱい味が、乾いた喉に心地よく染みわたる。

ローマ劇場のすぐ近くにあるアル・バラ・スークは、野菜や果物、衣料品、スパイス、日用品まで揃うローカル市場。
観光客の姿はほとんどなく、地元の人々で賑わっている。


スパイスやピクルス、チーズ、オリーブなど、アンマンの人々が日常的に食べているものが所狭しと並ぶ。
日本でいうと、味噌や梅干し、豆腐みたいなものかもしれない(‘A`)?


靴屋では、紐で吊るされた靴がカーテンのように垂れ下がっていて、斬新すぎるディスプレイにちょっと笑ってしまった。
スークを歩き回っているうちに、いつの間にかメカニック・スークへと迷い込んでいた。

ここには、壊れた家電やコンロ、モーター、テレビなど、あらゆる機械を修理する職人たちがひしめいている。

小型のガス炉で熱した金属を使って、断線した配線やパーツを器用に修復している姿は、まるで現代の錬金術師。

やかんや鍋に囲まれて眠る猫の姿にも癒された。
活気に満ちたスークを歩いていると、買い物というより“生活の音”の中に飛び込んだような気分になる。
アンマンに暮らす人々の息づかいが、そのまま通りに染み込んでいた。
階段と猫の街アンマン|丘の上で出会う癒しの風景

アンマンは、起伏に富んだ丘の上に広がる街。
坂や階段が多く、歩いているとまるで立体迷路のようだ。

丘の上からは白い街並みを一望でき、眺めも抜群。
上層エリアにはおしゃれなカフェや高級住宅が立ち並び、旧市街とはまた違った、ゆったりとした空気が流れている。

アンマンには猫が多く、どのエリアでも人懐っこい猫たちがのびのびと暮らしている。

偶然見つけた「Sade Cafe Amman」は、野良猫たちがたくさん集まる猫好きにはたまらない癒しの空間。
まるで猫カフェのようで、カフェのスタッフや客たちも猫を優しく見守っている。
シーシャをくゆらせる人、ラップトップを広げて作業をしている人も多く、ゆるやかな時間が流れる場所。
次は私もラップトップを持って、ここでゆっくりお茶をしながら作業しようと思った。


街を歩いていると、マネキンの生首にヒゲとハサミを添えたディスプレイが目に入り、ヨルダン人の独特なセンスにちょっと驚く。
感性の違いに触れるのも、異国の街歩きの楽しさのひとつだ。
老舗の人気店で満腹|ファラフェルとムタバルの夕食

夕食は、アンマンの定番人気店「Hashem Restaurant Down Town」へ。
観光客にも有名だけど、地元の人も多く通う、長年愛されるファラフェルの老舗だ。

注文したのはファラフェルとムタバル。
ファラフェルは、ひよこ豆をすりつぶしてスパイスと混ぜ、カリッと揚げた中東の定番ストリートフード。
ムタバルは焼きナスのディップで、タヒーニとにんにくの風味が効いていて、パンと一緒に食べると最高に美味しい。
お腹も心も満たされた。
明日はいよいよ、楽しみにしていた死海へ向かう。
4月26日:使ったお金
今日はすべてローカルのお店で食事をしたので、かなりリーズナブルに収まった。
・昼食代(シャワルマ):2.25ディナール(=453円)
・ジュース:0.5ディナール(=100円)
・夕食代(ファラフェル等):2ディナール(=402円)
合計:955円