ダハブに来たからには、やっぱり海を満喫しないともったいない。
ということで今日は、ブルーラグーン、Abu Galoum、ブルーホールの3スポットを巡るツアーに参加……したはずが、Abu Galoumはどこへやら。
昼ごはんを食べようとすれば猫が血眼で飛びかかってくるし、なぜか周囲のエジプト人たちが総出で守ってくれるし、もうなんだか予定はあってないようなもの。
それでも最後には、サンゴの海にぷかぷかと漂っていた。
インシャラー精神全開の1日を振り返ってみる。
座席なし、屋根なし、波しぶきあり──ブルーラグーンまでの道のり
朝9時45分、ツアー会社に集合。
昨日約束していたスタッフからフィンを借りる。
既にツアーメンバーらしき人々が集まっていたが、出発の合図はなかなか出ない。
30分後、ようやく出発となり、トラックへ案内された。
座席は4人分しかないのに、乗客は7人。
3人はトラックの荷台に乗ることに。
椅子はなく、荷台に直接座るスタイル。
日本ではまず見かけない光景だ。

しばらく走って港に到着。
ここから船に乗り換える。

小さなボートに7人が乗り込むと、船員から荷物を船内に入れるよう指示がある。
波をかぶる可能性があるらしい。

案の定、ボートは高波を受けるたびに大きく揺れ、バッタンバッタンと海面に叩きつけられる。
笑うしかないような激しい揺れの中、転覆せずに港へ到着。

港は、ベドウィンの小屋が密集するエリアだった。

海はコバルトブルーとターコイズブルーのグラデーションで美しく、通過点とは思えないほど。

そこからさらに別のトラックに乗り換え、ブルーラグーンへ向かう。
全員荷台に乗る形だった。

雲ひとつない青空の下、岩山を眺めながらのドライブ。

直射日光が地味にきつい。
虚無の顔で座っていたら、ツアーメンバーのエジプト人女性ハビバが写真を撮ってくれた。
彼女はボーイフレンドのアバドゥと一緒に旅行中。
ツアーはほぼエジプト人で、説明はすべてアラビア語。
少し英語ができるハビバが、色々と気にかけてくれた。
こうして旅をしていると、いつもどこかで誰かが助けてくれる。
本当にありがたい。
12時頃、最初の目的地であるブルーラグーンに到着。
ミルキーブルーの海と猫パニック|ブルーラグーンの午後

砂漠の先にぽっかりと現れるミルキーブルーの海。
ブルーラグーンは、青く澄んだ遠浅の入り江で、光の加減によって淡い色合いに変化する。
周囲にはベドウィンの小屋が並び、観光地というより、ただ海を眺めて過ごす場所のようだった。
風は心地よく、波は穏やか。
空にはカイトが舞い、サーファーが水面を滑っていた。

休憩スペースに案内され、自由時間となった。
泳いだり昼寝したり、それぞれ思い思いに過ごす。

海は想像以上に冷たく、足だけ入って引き返す。
カイトサーファーが多く、のんびり泳ぐには少し怖かった。

休憩スペースに戻って昼寝。
海を眺めながらの昼寝は最高だったが、顔にハエが寄ってくるのでハンカチをかけて寝た。
猫も何も持っていなくても近づいてくるので、ちょっと怖い。
同じ船で来た欧米人女性はここで1泊するらしく、ツアーメンバーではなかった。
ツアーメンバーは、エジプト人カップルと、エジプトとサウジのハーフの女性サウセン、そして私の4人だけのようだった。
しかも、昼食付きなのは私だけ。
おそらくエジプト人たちはローカル価格で昼食なしのプランなのだろう。
ハビバも「3か所まわるツアーだよ」と言っていたので、食事以外は同じ内容のはずだ。
ただし、ガイドのハラワは英語を話さないため、細かい案内はまったくわからない。
私が「昼食はいつ、どこで食べるの?」と不安そうにしていたところ、ハビバが「ここで食べたら?」と提案してくれた。
そして彼女がガイドとレストランのスタッフの間に入って通訳をしてくれたおかげで、14時半ごろ、私だけに昼食が出てきた。
もはや、ハビバが実質ガイドなのでは?と思うくらい、場を仕切ってくれていた。

ところが、この昼食を巡って事件が起こる。
周囲にいた空腹の猫たちが、私の皿めがけて一斉に突撃してきたのだ( ゚Д゚)
狂犬病が頭をよぎり、私は完全にビビってしまい、追い払うこともできず固まってしまった。
そんな私を見て、ハビバ、アバドゥ、サウセン、そしてガイドのハラワまでもが総出で猫を追い払ってくれた。
しかし猫たちは諦めず、何度も何度も突っ込んでくる。
背後から飛びかかる猫、皿に手を伸ばす猫、猫同士で喧嘩を始める猫。
まさに猫パニック。
もうカオスだった(‘A`)
ようやく昼食を食べ終えても、出発の気配はない。
喉が渇いたのでマンゴージュースを頼んだら、150ポンド(=441円)もしていて驚いた。
次の目的地はどこ?予定が曖昧すぎるツアー
ブルーラグーンを出発したのは15時半を過ぎていた。
聞いていた予定では、ダハブへの帰着は17時か17時半。
残り2か所をあと2時間でまわれるのか……嫌な予感しかしなかった。

トラックで朝に上陸した港へ戻り、そこから再び、朝とは違うボートに乗り込む。

今回は少し大きめのボートで、他にも多くの乗客が乗っていた。
見た感じ、おそらく定員オーバー。
すし詰め状態の船で揺られながらたどり着いた先は……やっぱりブルーホールだった。
サンゴの海に漂う|ブルーホールでシュノーケリング

そう、Abu Galoumはしれっとカットされていた。
でも誰もそれを気にする様子はない。
「そういうもんだよね」という空気が流れていた。
予定どおりに進まないことすら、もう予定のうち。
インシャラー。神が望むならば。

ブルーホールのビーチ前にはいくつかのレストランが並んでいて、私たちは2階席に案内された。

2階からは、美しい海を一望できる絶景。
だが時間がない。
急いで日焼け止めを塗り直し、荷物を置いて海へ向かう。
ブルーホールは、ビーチの奥にぽっかりと開いた深い青の穴。
ダハブで人気のシュノーケリング&ダイビングスポットで、水深が急激に深くなっている。

すぐ近くには小さな墓があり、ここが危険なダイビングスポットでもあることを物語っていた。
世界でも特に事故が多い場所として知られ、これまでに130〜200人のダイバーが命を落としているという。
今回はダイビングではなく、あくまでシュノーケルなので危険は少ない。
ハビバ、アバドゥ、サウセン、そしてガイドのハラワと一緒にシュノーケルを楽しむ。
透明度が高く、岸からすぐの場所にサンゴが広がっていて、魚もたくさん泳いでいた。
水深の急な変化により、海の中を覗き込むと、青が底知れず沈んでいくようで少し怖くなるほどだった。

シュノーケルが終わった頃には、すでに17時半を回っていた。
滞在時間は1時間ほど。
もう少し泳いでいたかったが、時間がないので仕方がない。
ブルーラグーンで3時間半も過ごしていたのは、どう考えても時間配分ミス。
でも誰も文句を言わない。
それがエジプトという国らしい。
帰りは座席付きのトラックに乗せてもらい、15分ほどでダハブの街に戻ってきた。
旅の終わりに味わう、濃厚シーフードスープ

シャワーを浴びてさっぱりしてから、Friends Restaurantへ。

海を眺めながらのんびりと夕食。

エビ、イカ、カニ、貝がたっぷり入った具沢山のシーフードスープは食べごたえがあり、味も良かった。
スープを頼むと、パンとおかず3品もついてきた。
ダハブに来て3日目。
ようやくシュノーケルができて、大満足の一日になった。
5月7日:使ったお金
ツアー代は前日に支払い済み。
・マンゴージュース:150ポンド(=441円)
・水:30ポンド(=88円)
・夕食代(スープ等):300ポンド(=882円)
合計:1,411円