朝、ナミビアの国境の町・カティマ・ムリロに到着。
ウィントフックからの通しチケットで、最終目的地・ザンビアのリビングストンを目指す。
ここからはバスを乗り換え、いったんボツワナを経由するルートに。
ボツワナでは日本人はビザ不要のため、イミグレでスタンプをもらうだけであっさり入国。
しかもこの移動区間では、チョベ国立公園の中を通過するという、ちょっと特別な道のりが待っている。
道路脇には、野生の象やキリンが姿を見せ、バスの窓からその姿を眺められる贅沢なひととき。
リビングストンに到着後は、SIMカードを入手して街をのんびりと散策。
そして夜には、宿で出会った日本人旅人たちと一緒に、満月の夜にだけ現れる“ルナレインボー”を見にヴィクトリアの滝へ。
月明かりに照らされた水しぶきの中に、うっすらと虹が浮かんでいた。
今日は、国境をまたぎ、野生動物に出会い、月の虹に包まれる──そんな一日になった。
カティマ・ムリロ到着!ここからバスを乗り換え

朝、ナミビアの国境の町・カティマ・ムリロに到着。
ウィントフックからリビングストンまでは通しのバスチケットを持っていたが、ここで一度バスを乗り換え、ボツワナを経由してザンビアへ向かうルートになっている。

ありがたいことに、ドライバーはウィントフックからずっと同じ人で、バスが変わってもそのままリビングストンまで運転してくれるという。
ここで他の行き先のバスに乗り換えていった人も多く、リビングストン行きのバスに残ったのは5〜6人ほど。
乗客が少ないぶん、イミグレもスムーズに越えられそうで一安心。

途中、スーパーにも立ち寄ってくれたので、寒さ対策に温かいスープとパンで朝食を調達。
ここからは、ナミビア・ボツワナ・ザンビアを横断する国境越えの本番が始まる。
ナミビア→ボツワナ→ザンビア、3カ国陸路で一気に横断

まずはナミビア側のイミグレ(Ngoma)で出国手続きを済ませる。
再び車に乗り、チョベ川を越えてボツワナへ。

ボツワナ入国時には、なぜか靴の裏を消毒する儀式がある。
消毒液をしみ込ませた布をフミフミ…これでOK。

イミグレのスタッフは慣れた手つきで、何も聞かれることなくあっさりスタンプを押してくれた。
ここは3カ国の国境が接するエリアでもあり、通過する人も多いのかもしれない。
そしてここからがすごかった──なんとバスはチョベ国立公園の中を突っ切って走るルート。
まさかのサファリ付き国境越え!

窓の外には野生の象がゆっくり歩いていたり、遠くにキリンが見えたり。
まさか国境越えの移動中に、こんなにたくさんの野生動物に出会えるとは思わなかった。
テンション爆上がり。
走ること1時間ほどで、もうボツワナの出国。
ほんの短い滞在だったけど、インパクト大。

カズングラ(Kazungula)の陸路国境では、ボツワナとザンビア両方のイミグレが同じ建物内にあるので、手続きが一気にできてとても便利。
出国・入国をサクサクと終え、再びバスに乗ってリビングストンを目指す。

リビングストンのバスターミナル「Livingstone Inter-City Bus Terminus」には、なんと定刻より2時間も早い12時15分に到着。
国境越えが驚くほどスムーズだったおかげだ。
あらかじめGoogleマップのオフライン地図を保存しておいたので、それを頼りに宿まで歩いて移動。
所要時間は20分ほど。
リビングストンは治安も悪くないので、大通り沿いを選んで歩けば、大きなバックパックを背負っていても問題なさそうと判断。
リビングストンの人気宿「Jollyboys Backpackers」にチェックイン

リビングストンにはいくつか有名なバッパー宿がある。
第一希望はバスターミナルからすぐの「Fawlty Towers」だったけれど、残念ながら満室。
なので第2候補だった「Jollyboys Backpackers」へ。
女子ドミを4泊予約して、料金は57.69ドル(=8,642円)。
ウィントフックでは男女共用のドミで4,000円だったので、それに比べるとかなり割安。

宿の庭にはプールがあり、プールサイドでのんびりチルするには最高のロケーション。
泳いでいる人もいたけれど、私は寒くてパス。

共用スペースも充実していて、電源付きカウンターやゆったり座れるソファなど、食事やPC作業にも困らないつくり。


女子ドミはケープタウン以来。
部屋は広めでロッカーも完備。

奥の下段ベッドが空いていたのでそこを確保。
出入り口近くの扉がギィギィとうるさいので、静かに過ごすには奥のベッドが正解だった。
SIMカード購入とHungry Lionでランチ&街ぶら
チェックインも終わり、荷物も置いて身軽になったので、まずは恒例のSIMカードの調達へ。

宿から歩いて5分ほどの場所にある「MTN Livingstone Service Center」へ。
ここで、8.5GB+ストリーミング用5.5GBのプラン(100クワチャ)を選び、SIMカード代10クワチャとあわせて110クワチャ(=682円)を支払い。
南アやナミビアよりかなり安くてありがたい。
このエリアは銀行がずらりと並んでいて、ガードマン付きのATMも多く、ついでにキャッシングも済ませる。
気がつけばもう14時。
お腹も空いてきたので、近くのファストフード「Hungry Lion」へ。

Hungry Lionは、南部アフリカ各地で見かける人気のファストフードチェーン。
ザンビアの街中にもあちこちにあり、いつも地元の人たちでにぎわっている。

この日頼んだハンバーガーセットは95クワチャ(=589円)。
ザンビアの平均月収が2,000〜3,000クワチャ(=12,407〜18,611円)と考えると、なかなかの“ごちそうファーストフード”だ。
でも、店内はローカルでほぼ満席。
値段は高めでも、それだけ支持されているのがうかがえる。

街を歩くと、カラフルなチテンゲ布をスカートのように巻いた女性たちが、頭に大きな荷物を載せて歩く姿をよく見かける。
手を使わずにすっと運ぶその姿は、たくましくもあり、どこか優雅でもある。
満月の夜、ルナレインボーを見にヴィクトリアの滝へ
夕方、同じ宿に泊まっていた日本人旅行者のムラタさん、ササキさんと意気投合。
ちょうど今夜はルナレインボーが見られるタイミングだと知り、3人で行ってみることにした。
ルナレインボーとは、満月の光が滝の水しぶきに反射して現れる“夜の虹”。
ヴィクトリアの滝では、満月の前後の数日間だけ、この神秘的な現象が見られる。
今夜は正確には満月の翌日だったけれど、条件が良ければ見えるということで、急遽タクシーをチャーターしてナイトツアーへ。
ササキさんが空港から乗った高級車・アルファードのドライバーと連絡先を交換していたそうで、その車を手配することに。

滝に着くと、ドライバーがチケットも購入してくれ、さらに暗い中を安全に進めるようガイドまで付けてくれた。

懐中電灯の灯りを頼りに進み、展望台へ。
展望台へ向かって歩いていくと、まず耳に届いたのはゴォーッという滝の轟音。
その音がどんどん大きくなり、やがて視界が開けると、目の前にはヴィクトリアの滝が姿を現した。

満月の光に照らされた水しぶきの中に、うっすらと虹が浮かんでいる。
派手さはないけれど、たしかに“夜の虹”が見えたことにじんわり感動した。
とはいえ、虹はほんのり見える程度。
入場料490クワチャ(=3,039円)にチャーター代も加わると、正直ちょっと割高感もあった。
それでも「満月の夜にしか見られない虹を、ヴィクトリアの滝で見る」という特別感はやはり格別で、やっぱり来てよかったと思えた。
チャーター代は3人で割って一人150クワチャ(=930円)。
少し高めではあるけれど、滝周辺は電波が不安定で、配車アプリも頼りにならなかったかもしれない。
そう思えば、最初からチャーターしておいて正解だった。
ササキさんたちもリビングストンに数日滞在するそうで、すっかり打ち解けた。
今日は、国境越えも夜の滝も月の虹も──旅のハイライトがぎゅっと詰まった一日になった。
6月12日:使ったお金
ザンビアに入って、物価がぐっと下がった印象。
ドミトリーとはいえ、宿代が安いのはやっぱり助かる。
・バス代(ウィントフック→リビングストン):750Nドル(=6,068円)
・宿代(4泊分):57.69ドル(=8,642円)
・SIMカード(8.5GB+ストリーミング5.5GB):110クワチャ(=682円)
・昼食代(ハンバーガー等):95クワチャ(=589円)
・スーパー買い物代:500クワチャ(=3,101円)
・チャータータクシー代(割り勘):150クワチャ(=930円)
・滝入場料:490クワチャ(=3,039円)
合計:23,051円