ついにザンジバルとお別れの日。
11日間の南国滞在を終え、今日はタンザニア本土の町・アルーシャへ飛行機で移動する。
乗ったのは、乗客わずか12人のセスナ機。
コックピットも丸見えで、まるで“空飛ぶミニバン”のような乗り心地。
ギシギシと不安な音を立てながら離陸したときは、本気で空中分解するかと思ったけれど、無事に着陸してホッと一安心。
標高1,400メートルのアルーシャに降り立つと、ザンジバルの蒸し暑さが嘘のように、ひんやりとした空気が迎えてくれた。
今日は町でのんびりしつつ、明日のツアーに備えて準備を整えることに。
ザンジバル最終日の朝、ダラダラで空港へ向かう

「Kelele Square」は安宿ながら、朝食がついていたのがありがたい。
しっかりお腹を満たしてバックパックを背負い、ベンジャミン・ムカバ・ロードへ。
地図上にある「Parking gratis」の向かい側の車線でダラダラを待っていると、ちょうど505番がやってきた。
手を挙げて合図し、運転手に「空港に行く?」と確認してから乗り込む。
本来は500シリング(=27円)だが、「お釣りがない」と言われて600シリング(=33円)を支払った。
空港近くの停留所(Fast and last zamani ifa garden付近)で下車し、5分ほど歩いてアビード・アマニ・カルーム国際空港T2の「AREA A」に到着。

今回乗るオーリック・エアUI628便は、どうやら「AREA B」から出発するとのこと。
アーケードを歩き、左に進み、ぐるりと回り込んだ先に、ひっそりと「AREA B」の建物が現れた。

最初ちょっと迷ってしまうくらい、地味で控えめな存在感。

チェックインカウンターや搭乗待合室もとてもコンパクト。
あまり時間を潰せるような場所ではないけれど、早めに着いたので、膝にパソコンをのせて作業をしながら静かに待つ。
アフリカの空港あるあるなのか、どの便も遅れがちで、私の乗る便も例外ではなく、かなりの遅延。
小さすぎてドキドキ!人生初のセスナ搭乗記

飛行機へ向かうと、目の前に現れたのは想像以上に小さなプロペラ機。
人生初のセスナ搭乗に、思わず「本当にこれで飛ぶのか…?」と内心ざわつく。

機体の後方には荷物置き場があり、大きなバックパックはそこへ。
他の乗客もみな、自分の荷物をセルフで積み込んでいた。

座席は、1人がけ+2人がけの3席が横に並ぶ配置で、前から後ろまで4列。
乗客はちょうど12人で、満席だった。
通路脇のカゴにはペットボトルの水が入っていて、自由に取って飲むスタイル。
飛行機というより、まるで空飛ぶ乗り合いバンのような空間だ。

パイロットの操縦風景もすぐ目の前。
離陸の瞬間には、熟練の手さばきで操縦する姿に見入ってしまった。
けれど、滑走路を走っている間は、ガタガタミシミシと機体がすごい音を立てていて、心臓に悪いレベルの緊張感。
「このまま空中分解するのでは…!?」とビビりながらも、飛行機は無事にザンジバル上空へ舞い上がった。

眼下には、サンゴ礁に囲まれたザンジバル島の美しい姿。
曇りやスコールに悩まされた11日間だったけど、この島でのんびり過ごした時間は、アフリカ旅の中でほんの束の間の癒しになった。
別れを惜しみつつ、次の目的地・アルーシャへと向かう。
ひんやり涼しいアルーシャ到着!Boltで宿へ移動

結局セスナは定刻より1時間半以上遅れて、ようやくアルーシャ空港に到着。
標高1,400メートルのこの町は、ザンジバルの蒸し暑さが嘘のように、ひんやりとした心地よい空気に包まれていた。

空港から宿までは、配車アプリ「Bolt」でトゥクトゥクを手配。
料金は8,000シリング(=445円)で、中心地の宿までスムーズに移動できた。

今日から2泊するのは「Arusha Backpackers Hotel」。
シングルルームで共用バスルーム、朝食付きなのに、1泊あたりわずか800円ちょっとという驚きの価格。
しかも場所は街のど真ん中という好立地!
部屋は少し狭いけれど、テーブルと椅子もあって機能的。
周囲にはレストランやスーパーもあり、短期滞在には文句なしの宿だった。
Fifi’s Caféで1時間待ちの“遅めランチ”が夕食に

飛行機の遅れもあって、Fifi’s Restaurant & Caféに到着したのは16時半ごろ。
ところが料理が出てくるまでが長かった…。
なんと約1時間待って、ようやくビーフシチューが登場。
もはや夕食の時間。

シチューはとろとろで、マッシュポテトやおかずと一緒にいただくタンザニアスタイル。
ストロベリーシェイクもつけて19,500シリング(=1,085円)と、ザンジバルに比べてだいぶリーズナブル。
「やっぱりザンジバルはリゾート地だったなあ」と思いながら、美味しく完食した。
サファリの支払い完了!波乱を呼ぶツアー予約も…

アルーシャは、セレンゲティやンゴロンゴロ、タランギーレなどへの玄関口。
世界中の旅人がここからサファリに出発する。
私ももちろん、そのサファリのためにこの町へやって来た。
「Safiri by Mazzola. Safari House & Backpacking」という会社に、事前にWhatsAppで連絡を取り、567ドルのツアーを予約済み。
夕方には、Mazzolaのオーナーがわざわざ宿まで来てくれて、料金の受け取りへ。
支払い方法は、米ドル・タンザニアシリング・クレジットカードの3択。
米ドルは、ケニアでのサファリに使いたかったので温存したい。
となると、残る選択肢はカード払いか、大量のシリングをATMでキャッシングして街を歩くか──。
でも、大金を持って街をうろつくのは、リスクを考えるとさすがに怖い。
少しでも安全を取るべきだと判断し、カード決済を選んだ。
カード手数料3%が上乗せされ、最終的な支払額は584ドル(=81,882円)に。
出費は痛いけれど、“安全料”だと思えば仕方ない。
ちなみにこのツアー、2泊3日で食事・水・国立公園入場料すべて込み。
これでもサファリとしては最低価格帯。
とはいえ、私の旅の中ではかなりの高額出費だ。
どんな食事が出るのか、テントはちゃんと寝られるのか──不安もあるけれど、それ以上にサファリへの期待が膨らむばかり。
明日はサファリ前の自由日。
実は前から気になっていた「サーバル・ワイルドライフ(Serval Wildlife)」という施設に行ってみたくて、ザンジバルにいる時からコツコツ情報を集めていた。
ここはアルーシャから車で約2時間の場所にある、私営の動物保護施設。
入場料は120ドルと高めだけど、ライオンやキリン、シマウマなどと間近でふれあえ、写真も撮れるという、ちょっと贅沢な日帰り体験スポット。
宿に出入りしていたゼデクという男性が、ツアーを手配できると言うので相談。
最初はタクシー往復プランを提示されたが高すぎて断念。
トゥクトゥク移動に切り替えたら、入場料・ランチ込みで160ドル(=23,433円)まで下げてくれたので、それで契約することに。
まさかこれが、明日の“事件”の引き金になるとは、この時は思ってもみなかった…。

ちょうどその夜、変換プラグが壊れてしまい、急きょ夜の街へ買い出しに行くことに。
ゼデクが「ついて行ってあげるよ」と声をかけてくれて、露店で無事に中古のプラグをゲット。
この時の私は、彼の親切さにすっかり気を許してしまっていた。
でも今思えば、あの時、自分から「トゥクトゥクで行ける?」なんて提案しなければよかったと後悔している。
思い出すたびに、自分のうかつさに腹が立つ。
6月29日:使ったお金
この日はサファリ代金の支払いがあったため、出費はかなり高額に。
・ダラダラ(ストーンタウン→ザンジバル空港):600シリング(=33円)
・航空券代(ザンジバル→アルーシャ):7,820円
・トゥクトゥク(アルーシャ空港→宿):8,000シリング(=445円)
・宿代(2泊分):30,000シリング(=1,669円)
・夕食代(ビーフシチュー等):19,500シリング(=1,085円)
・変換プラグ:10,000シリング(=556円)
・サファリツアー代:584ドル(=87,835円)
合計:99,443円