【82】空飛ぶミニバン!?12人乗りセスナでザンジバルからアルーシャへ(2025.6.29)

タンザニア

ついにザンジバルとお別れの日。

11日間の南国滞在を終え、今日はタンザニア本土の町・アルーシャへ飛行機で移動する。

乗ったのは、乗客わずか12人のセスナ機。

コックピットも丸見えで、まるで“空飛ぶミニバン”のような乗り心地。

ギシギシと不安な音を立てながら離陸したときは、本気で空中分解するかと思ったけれど、無事に着陸してホッと一安心。

標高1,400メートルのアルーシャに降り立つと、ザンジバルの蒸し暑さが嘘のように、ひんやりとした空気が迎えてくれた。

今日は町でのんびりしつつ、明日のツアーに備えて準備を整えることに。

ザンジバル最終日の朝、ダラダラで空港へ向かう

宿の朝食

「Kelele Square」は安宿ながら、朝食がついていたのがありがたい。

しっかりお腹を満たしてバックパックを背負い、ベンジャミン・ムカバ・ロードへ。

地図上にある「Parking gratis」の向かい側の車線でダラダラを待っていると、ちょうど505番がやってきた。

手を挙げて合図し、運転手に「空港に行く?」と確認してから乗り込む。

本来は500シリング(=27円)だが、「お釣りがない」と言われて600シリング(=33円)を支払った。

空港近くの停留所(Fast and last zamani ifa garden付近)で下車し、5分ほど歩いてアビード・アマニ・カルーム国際空港T2の「AREA A」に到着。

アビード・アマニ・カルーム国際空港T2のAREA「A」のアーケード

今回乗るオーリック・エアUI628便は、どうやら「AREA B」から出発するとのこと。

アーケードを歩き、左に進み、ぐるりと回り込んだ先に、ひっそりと「AREA B」の建物が現れた。

T2のAREA「B」

最初ちょっと迷ってしまうくらい、地味で控えめな存在感。

搭乗待合室

チェックインカウンターや搭乗待合室もとてもコンパクト。

あまり時間を潰せるような場所ではないけれど、早めに着いたので、膝にパソコンをのせて作業をしながら静かに待つ。

アフリカの空港あるあるなのか、どの便も遅れがちで、私の乗る便も例外ではなく、かなりの遅延。

小さすぎてドキドキ!人生初のセスナ搭乗記

アルーシャ行きのセスナ機

飛行機へ向かうと、目の前に現れたのは想像以上に小さなプロペラ機。

人生初のセスナ搭乗に、思わず「本当にこれで飛ぶのか…?」と内心ざわつく。

畿内後部に荷物を置く

機体の後方には荷物置き場があり、大きなバックパックはそこへ。

他の乗客もみな、自分の荷物をセルフで積み込んでいた。

12人乗りの狭い畿内

座席は、1人がけ+2人がけの3席が横に並ぶ配置で、前から後ろまで4列。

乗客はちょうど12人で、満席だった。

通路脇のカゴにはペットボトルの水が入っていて、自由に取って飲むスタイル。

飛行機というより、まるで空飛ぶ乗り合いバンのような空間だ。

コックピット丸見え!迫力のフライト

パイロットの操縦風景もすぐ目の前。

離陸の瞬間には、熟練の手さばきで操縦する姿に見入ってしまった。

けれど、滑走路を走っている間は、ガタガタミシミシと機体がすごい音を立てていて、心臓に悪いレベルの緊張感。

「このまま空中分解するのでは…!?」とビビりながらも、飛行機は無事にザンジバル上空へ舞い上がった。

上空から見たザンジバル島

眼下には、サンゴ礁に囲まれたザンジバル島の美しい姿。

曇りやスコールに悩まされた11日間だったけど、この島でのんびり過ごした時間は、アフリカ旅の中でほんの束の間の癒しになった。

別れを惜しみつつ、次の目的地・アルーシャへと向かう。

ひんやり涼しいアルーシャ到着!Boltで宿へ移動

アルーシャ空港

結局セスナは定刻より1時間半以上遅れて、ようやくアルーシャ空港に到着。

標高1,400メートルのこの町は、ザンジバルの蒸し暑さが嘘のように、ひんやりとした心地よい空気に包まれていた。

配車アプリBoltで呼んだトゥクトゥク

空港から宿までは、配車アプリ「Bolt」でトゥクトゥクを手配。

料金は8,000シリング(=445円)で、中心地の宿までスムーズに移動できた。

激安だけど立地抜群!Arusha Backpackers Hotel

今日から2泊するのは「Arusha Backpackers Hotel」。

シングルルームで共用バスルーム、朝食付きなのに、1泊あたりわずか800円ちょっとという驚きの価格。

しかも場所は街のど真ん中という好立地!

部屋は少し狭いけれど、テーブルと椅子もあって機能的。

周囲にはレストランやスーパーもあり、短期滞在には文句なしの宿だった。

Fifi’s Caféで1時間待ちの“遅めランチ”が夕食に

Fifi´s Restaurant & Café

飛行機の遅れもあって、Fifi’s Restaurant & Caféに到着したのは16時半ごろ。

ところが料理が出てくるまでが長かった…。

なんと約1時間待って、ようやくビーフシチューが登場。

もはや夕食の時間。

ビーフシチュー

シチューはとろとろで、マッシュポテトやおかずと一緒にいただくタンザニアスタイル。

ストロベリーシェイクもつけて19,500シリング(=1,085円)と、ザンジバルに比べてだいぶリーズナブル。

「やっぱりザンジバルはリゾート地だったなあ」と思いながら、美味しく完食した。

サファリの支払い完了!波乱を呼ぶツアー予約も…

アルーシャの街並み

アルーシャは、セレンゲティやンゴロンゴロ、タランギーレなどへの玄関口。

世界中の旅人がここからサファリに出発する。

私ももちろん、そのサファリのためにこの町へやって来た。

「Safiri by Mazzola. Safari House & Backpacking」という会社に、事前にWhatsAppで連絡を取り、567ドルのツアーを予約済み。

夕方には、Mazzolaのオーナーがわざわざ宿まで来てくれて、料金の受け取りへ。

支払い方法は、米ドル・タンザニアシリング・クレジットカードの3択。

米ドルは、ケニアでのサファリに使いたかったので温存したい。

となると、残る選択肢はカード払いか、大量のシリングをATMでキャッシングして街を歩くか──。

でも、大金を持って街をうろつくのは、リスクを考えるとさすがに怖い。

少しでも安全を取るべきだと判断し、カード決済を選んだ。

カード手数料3%が上乗せされ、最終的な支払額は584ドル(=81,882円)に。

出費は痛いけれど、“安全料”だと思えば仕方ない。

ちなみにこのツアー、2泊3日で食事・水・国立公園入場料すべて込み。

これでもサファリとしては最低価格帯。

とはいえ、私の旅の中ではかなりの高額出費だ。

どんな食事が出るのか、テントはちゃんと寝られるのか──不安もあるけれど、それ以上にサファリへの期待が膨らむばかり。

明日はサファリ前の自由日。

実は前から気になっていた「サーバル・ワイルドライフ(Serval Wildlife)」という施設に行ってみたくて、ザンジバルにいる時からコツコツ情報を集めていた。

ここはアルーシャから車で約2時間の場所にある、私営の動物保護施設。

入場料は120ドルと高めだけど、ライオンやキリン、シマウマなどと間近でふれあえ、写真も撮れるという、ちょっと贅沢な日帰り体験スポット。

宿に出入りしていたゼデクという男性が、ツアーを手配できると言うので相談。

最初はタクシー往復プランを提示されたが高すぎて断念。

トゥクトゥク移動に切り替えたら、入場料・ランチ込みで160ドル(=23,433円)まで下げてくれたので、それで契約することに。

まさかこれが、明日の“事件”の引き金になるとは、この時は思ってもみなかった…。

露天で中古の変換プラグを購入

ちょうどその夜、変換プラグが壊れてしまい、急きょ夜の街へ買い出しに行くことに。

ゼデクが「ついて行ってあげるよ」と声をかけてくれて、露店で無事に中古のプラグをゲット。

この時の私は、彼の親切さにすっかり気を許してしまっていた。

でも今思えば、あの時、自分から「トゥクトゥクで行ける?」なんて提案しなければよかったと後悔している。

思い出すたびに、自分のうかつさに腹が立つ。

6月29日:使ったお金

この日はサファリ代金の支払いがあったため、出費はかなり高額に。

・ダラダラ(ストーンタウン→ザンジバル空港):600シリング(=33円)
・航空券代(ザンジバル→アルーシャ):7,820円
・トゥクトゥク(アルーシャ空港→宿):8,000シリング(=445円)
・宿代(2泊分):30,000シリング(=1,669円)
・夕食代(ビーフシチュー等):19,500シリング(=1,085円)
・変換プラグ:10,000シリング(=556円)
・サファリツアー代:584ドル(=87,835円)

合計:99,443円