チュニスからスースへ、チュニジア南部へ向かう鉄道旅。
活気あるチュニス駅を出発し、遅れ気味の列車に揺られながら約3時間。
リゾート地として知られるスースに到着。
昼は日本食レストランでサーモン丼を食べ、チェックインした宿は事前にビーチ前と知っていたけれど、窓から広がる景色は想像以上。
弧を描く水平線と白い砂浜、まばゆい光に包まれた海を前に、思わず延泊を決めた。
冷房の効いた部屋でごろごろしながら、溜まったブログを書いたり、海を眺めたり。
夜は近くのファストフード店でチャパティをテイクアウトし、ジュースと一緒に部屋でゆったり夕食。
暑さ厳しいチュニジアの夏、無理せず休むこともまた旅のうち。
こうして、スースの海辺でゆるやかな沈没生活が始まった。
チュニスからスースへ|朝の鉄道移動

今日はチュニスからスースへの移動日。
朝7時35分発の電車に乗るため、7時すぎにはチュニス駅に到着。
ホームにはすでに多くの人が並び、出発を待っていた。
近くの人に声をかけて2等席の乗り場を確認し、電車が来るまでしばらく待機。
活気ある朝の駅の雰囲気を感じながら、新しい街での滞在にわくわくしていた。
スースは地中海沿いに広がるチュニジア第三の都市で、「サヘル地方の真珠」と呼ばれるリゾート地。
青く輝く海と白い砂浜、旧市街のメディナや要塞リバトなどの歴史的建物が魅力で、都会的な便利さと古い街並みの両方を楽しめる街だ。

やがて出発時間になり、電車がホームに入線。
みんな一斉に乗り込んでいく。
今回乗ったのはチュニス発・ガベス行きの電車。
チュニスを始発に、スースやスファックスを経由して南へ下り、地中海沿岸を走り抜けていく。
終点のガベスは世界でも珍しい「海辺に広がるオアシス」を持つ都市で、南部サハラへの入口としても知られている。
けれど列車は出発直後からすでに遅れ気味で、スースにいつ着くのか見当がつかない。
乗り過ごさないように気を配りながら、流れる車窓の景色を眺めていた。

2等席は自由席で、座席の広さはまずまず。
長距離でもバスやルアージュ(乗合バン)よりは快適に感じられる。
ただしエアコンはなく、車内はかなり暑い。
それでも窓から入る風に救われつつ、地中海沿いの街々を抜けていく列車旅には独特の味わいがあった。
遅延は気になるものの、移動のしんどさを考えれば電車を選んで正解だったと思う。

約3時間の乗車の末、定刻より45分遅れでスース駅に到着。
大幅な遅れではなかったので、このくらいなら許容範囲。

駅から宿へ向かう途中、民家の窓からちょこんと顔をのぞかせる美猫に遭遇。
飼い主さんによると名前はミミちゃん。
つぶらな瞳でこちらを見つめる姿がかわいすぎて、しばし足を止めてしまった。

今回スースで1泊だけ予約していた宿は、ビーチの目の前にある「レジデンス ボウジョワール」。
チェックインしようとしたが、まだ部屋が準備中とのことで、バックパックだけ預けて昼食へ。
スースのビーチエリアで食べるサーモン丼

あまりに暑くて食欲が出ず、さっぱりしたものが食べたい気分。
ビーチエリアの日本食レストラン「Hayasushi」へ。
和風のインテリアが落ち着く雰囲気を醸していた。

本当はハマチ丼を食べたかったのだけど、残念ながら品切れ。
仕方なくサーモン丼を注文した。
甘めのタレが別皿で添えられていたが、わさびとキッコーマン醤油をもらい、自分でわさび醤油を作ってかけたらちょうど良い味になり、美味しくいただけた。
食後は明日以降の宿探しで何軒か周り、金額交渉をしたがなかなか条件に合う宿が見つからない。
ビーチ前の宿「レジデンス ボウジョワール」でオーシャンビュー沈没生活
宿に戻ると、部屋の準備が整っており、5階のルームキーを受け取った。

部屋に入って驚いた。
窓の外には美しいオーシャンビュー。
ベッドは3台あり、広々とした空間。
窓際のテーブルは、海を眺めながらパソコン作業をするのにぴったりの特等席だった。

窓からは地中海のビーチを一望でき、弧を描く水平線が広がっている。
今回の旅で初めてのオーシャンビューの部屋に、気分は一気に高まった。

キッチンも付いていたが、調理器具はなく皿が一枚あるだけ。
でも冷蔵庫があるのはありがたい。鏡台やソファ、クローゼットなど必要なものは一通り揃っていた。

バスルームは洗面台が別で使い勝手が良く、エアコンも効いて快適。
温度調整こそできないものの、24時間美しい海を眺めながら過ごせる快適さに、迷わず延泊を決めた。
合計3泊分で255ディナール(=13,095円)、しかも朝食付き。

宿の目の前のビーチにも行ってみた。
ゴミも少なく、美しい砂浜と穏やかな空気が漂う。
ビーチベッドもあったが、暑さに負けて海では泳がず、涼しい部屋でごろごろしながら海を眺めることにした。
これこそ私の性分に合っている。
ビーチ滞在初日の夕食はローカル感あるチャパティ

夕食は宿近くのファーストフード店でツナ入りチャパティをテイクアウト。

値段は4ディナール(=205円)。
スーパーで買ったジュースやお菓子と一緒に食べてお腹いっぱいに。
すっかり気に入った宿で、観光はそこそこにしてゆっくり過ごすことに決めた。
スペインでは観光続きでブログが書けず、1週間以上の日記が溜まっている。
チュニジアは暑さも厳しい。
さらにこのあとドイツ・スイスを家族と周る予定なので、ここで無理をせず体調を整えることが大事だ。
こうして、ビーチリゾート・スースでの沈没生活が始まった。
8月30日:使ったお金
宿代と食費だけのシンプルな出費。
・宿代(3泊分):255ディナール(=13,095円)
・昼食代(サーモン丼等):33ディナール(=1,694円)
・スーパー買い物代(ヨーグルト等):12.9ディナール(=662円)
・夕食代(ツナ入りチャパティ):4ディナール(=205円)
合計:15,656円