アルプスの麓に広がる小さな町、フュッセン。
今日は朝から、旅のハイライトともいえるノイシュバンシュタイン城を目指して山道を登る。
予約していた時間ぴったりにゲートが開き、日本語オーディオガイドで巡る城内は、まさに“メルヘン王”ルートヴィヒ2世の夢が詰まった幻想空間。
見学の最後には、虹がかかる絶景まで見ることができた。
午後はプレッツェルで簡単にランチをすませたあと、絵本のように可愛いフュッセンの旧市街をのんびり散策。
教会やお城、レヒ滝まで足をのばし、ロマンチック街道の終点にふさわしい余韻にひたる。
夜は地元の人気レストランで、ドイツ料理の定番をテーブルいっぱいに並べて、ドイツ最後の夜をゆっくりと味わった。
朝の味噌汁にほっこり、城めぐりへ出発

今日の朝ごはんは、味噌汁、サラダ、フルーツ、パン、ヨーグルトなど盛りだくさん。
部屋に冷蔵庫があるおかげで、食材をいろいろ買い込めて、かなり充実した朝食タイムになった。

朝から向かうのは、あの有名なノイシュバンシュタイン城。
フュッセン駅前にあるバス停から、城の麓にある村「ホーエンシュヴァンガウ」へは、路線バスの73番か78番に乗ればアクセスできる。

バスは1時間に2本ほどしか出ていないため、余裕を持って8時5分発に乗る。
フュッセンの宿に泊まると、チェックイン時にもらえる「フュッセンカード」が便利。
このカードがあれば、周辺エリアの路線バスが無料で乗れる。
私たちも今回は連泊だったので、このカードで往復とも無料。
しかも、フュッセンカードはバスだけでなく、観光施設やアクティビティの割引も付いていて、なかなかお得だ。

約10分でホーエンシュヴァンガウのバス停に到着。
バスを降りると、遠くにノイシュバンシュタイン城の姿がうっすらと見える。
バス停は観光案内所の目の前にあり、有料トイレもここにあるので、先に済ませてから城に向けて出発。

城へは、徒歩・シャトルバス・馬車の3通りのアクセス方法がある。
バスや馬車は有料なので、節約旅のわたしたちは徒歩を選択。
登り道の途中では、観光用の馬車がのんびりと行き交っていて、なんだか絵本の世界みたい。
夢のお城を歩く、ノイシュヴァンシュタイン見学と絶景体験

森の緑を楽しみながら、30〜40分ほどかけてゆっくり山を登ると、ついに城の門へ。
この門をくぐると中庭に出て、ここがチケットの集合場所になっている。
人気の観光地なので、私たちは2ヶ月ほど前に公式サイトから予約しておいた。
今回の入場時間は9時55分。
集合は9時40分までと書かれていたので、遅れないように注意が必要。

本当は集合前にマリエン橋まで足をのばすつもりだったけれど、天気がいまひとつだったので後回しに。
そのぶん早く到着しすぎてしまい、時間を持て余すことに。
近くの階段をのぼってお城の写真を撮ったり、周辺の遊歩道をのんびり歩いたりして、静かに過ごした。

9時55分、ゲートが開き、QRコード付きのEチケットをかざして入場。
入口で日本語のオーディオガイドを受け取り、ガイドに従って団体での見学がスタート。
内部は写真撮影禁止。
自由見学ではなく、音声解説を聞きながら、次々と部屋を見てまわるスタイル。
この「ノイシュヴァンシュタイン城」は、“メルヘン王”ルートヴィヒ2世が19世紀に建てた夢の城。
謁見の間、寝室、歌人の広間、そして人工の「洞窟」など、どの部屋も彼の美意識があふれていて、見ごたえたっぷりだった。
とくに印象に残ったのは、突如として現れる「洞窟」。
人工の岩でつくられた幻想的な空間で、まるで夢のなかに入り込んだような感覚になった。

見学の最後には、テラスからアルプスの山々やフュッセンの街並みが一望できる。
そしてそこに、大きな虹がかかっていた。
雨模様の中でも、こんなサプライズがあるなら、天気の悪い日の観光も悪くないなと思えた。

城の見学を終えたあと、ようやくマリエン橋へ向かう。

ここから見るノイシュヴァンシュタイン城は、白い壁と尖塔、そして背後にそびえるアルプスの山々と森が織りなす、まさに“おとぎ話”そのものの光景。
この風景が、ディズニーランドの「眠れる森の美女の城」のモデルになったとも言われている。
橋の上はかなり混雑していて、しかも木の板がギシギシと鳴って揺れる。
「これ、落ちないよね…?」と内心ビクビクしつつも、その絶景を前にすれば、怖さなんて吹き飛ぶ。
ちょうど雨も止んで青空がのぞき、美しい写真を撮ることができてラッキーだった。

帰りも、朝と同じバス停からフュッセン行きの路線バスに乗る。
12時15分発の78番バスに乗って宿に戻るころには、へとへとに。
人も多く、歩く距離もけっこうあるので、体力はかなり消耗する。
連泊でゆっくり部屋で休めるのがありがたかった。
プレッツェルランチと、絵本のようなフュッセン街歩き

城見学から戻って、いったん部屋でひと休み。
昼食は、ドイツらしいプレッツェルと、サラダやフルーツ中心の軽めのメニュー。
歩き疲れた体にちょうどよく、お腹を満たしたあとは、少し休憩してからフュッセンの町を歩きに出かけた。

アルプスの麓にある小さな町フュッセンは、ノイシュヴァンシュタイン城の玄関口、そして「ロマンチック街道の終点」としても知られている。
石畳の道にカラフルな家々が並び、歩くだけでまるで絵本の世界に迷い込んだような気分になる。

旧市街の中心にあるのが、白い壁と赤い屋根が目を引く「聖マング市教区教会」。

中に入ると、美しい祭壇に目を奪われる。
思わず息をのむような、荘厳で華やかな空間だった。

教会のすぐ隣には、かつて司教の居城だった「ホーエス城」が建つ。
外壁にはだまし絵で描かれた窓や柱があり、ぱっと見では本物の建築にしか見えない。
こんな遊び心に出会えるのも、この町の魅力のひとつ。

ホーエス城の塔に登ると、赤屋根が連なる旧市街と、その向こうに広がるアルプスの山々を一望できる。

さらに町を歩いていると、もうひとつ印象的な教会に出会う。
それが「ハイリヒ・ガイスト・シュピタル教会」。

中に入ると、こぢんまりとした空間に優雅な装飾が施されていて、なんともあたたかみのある雰囲気だった。

聖スティーブン・フランシスコ会修道院の奥へ進むと、「ロマンチック街道の終点」と誇らしげに刻まれた門が現れる
今回の旅では、出発地となる「ロマンチック街道の起点」ヴュルツブルクにも立ち寄っていたので、起点と終点の両方を自分の足で訪れることができたのが、なんとも嬉しい。
ただの移動手段ではなく、道そのものに意味がある──そんな旅の醍醐味を改めて感じる瞬間だった。

最後に町の外れまで足をのばして訪れたのが「レヒ滝」。
エメラルドブルーの水が段差を勢いよく流れ落ちる姿は、迫力があって、町歩きの締めくくりにぴったりだった。
フュッセンは、ノイシュヴァンシュタイン城だけ見て通り過ぎる人も多いけれど、実際に町を歩いてみると、人も多すぎず、素朴で可愛らしい雰囲気にあふれていた。
おとぎ話の舞台のようなこの町は、城のついでじゃなく、しっかり“目的地”として楽しみたくなる場所だ。
ドイツ最後の夜は、ごちそうドイツ料理でしめくくり

夜は、ドイツ最後の夕食ということで少し奮発してレストランへ。
選んだのは「Beim Olivenbauer – Füssen」。
地元の人にも人気のドイツ料理が味わえるお店だ。

この日の夕食は、まさにドイツの味覚フルコース。
・衣がサクサクの「ウィーン風シュニッツェル」
・ソースが絶品の「アルゴイ風ローストビーフ」
・やわらかく煮込まれた「牛肉のロール煮込み」
・屋台グルメの代表「カリーヴルスト」
・とろけるチーズが絡む「チーズ入りシュペッツレ」
南ドイツらしい濃厚で力強い味に、テーブルはごちそうでいっぱいに。
どれも美味しくて、満足感もひとしおだった。
明日は、いよいよ国境を越えてスイスへと移動。
ドイツもけっして安くはなかったけれど、スイスはその上をいく物価の高さと聞く。
旅費はちょっと心配だけど、それでも山に囲まれた景色が待っていると思うと、わくわくしてくる。
9月14日:使ったお金
15日に支払ったパン代は、ドイツでの合計に含めるため14日分に計上します。
・トイレチップ(2人分):2ユーロ(=346円)
・ノイシュバンシュタイン城入場料:94ユーロ(=16,620円)
・お土産代(マグネット):5.95ユーロ(=1,029円)
・夕食代(シュニッツェル等):141.5ユーロ(=24,480円)
・宿代(2泊分):442ユーロ(=76,382円)
・昼食代(パン):4ユーロ(=693円)
合計:119,550円
これまでの旅費の合計
チュニジアからドイツでの旅費の合計は29,820円でした。
・航空券代(チュニス→フランクフルト):29,820円
合計:29,820円
日本出国からドイツまでの旅費の総合計は、2,113,212円でした。
※ドイツでの家族4人の滞在費(4泊分)は合計で295,814円(一人当たり約74,000円)、私のドイツ前泊滞在費(1泊分)は7,426円使っていましたが、私の分の旅費は家族が負担してくれました。