グリンデルワルトで過ごす最終日、当初の予定を変更して午前中いっぱいこの美しい村を楽しむことに。
向かった先は、ゴンドラ1本でアクセスできる人気スポット「フィルスト」。
山上では、鳥のように空を飛べるアクティビティ「フィルスト・グライダー」を体験し、絶叫と大空の爽快感を家族で共有。
その後は思いがけず山上湖「バッハアルプゼー」までハイキングすることに。
アルプスの雪解け水がたたえられた湖と、雪山や氷河の絶景が広がる道のりは、疲れも忘れる美しさだった。
フィルスト・クリフウォークで最後のスリルも味わい、午後は電車でマッターホルンの麓・ツェルマットへ。
中心地のホテルで3連泊をスタートし、スーパー惣菜の夕食に癒やされながら、家族旅の後半が幕を開けた。
お得なセット券でフィルストへ!ゴンドラは乗り放題

グリンデルワルトで過ごす最終日。
朝のうちにツェルマットへ移動して観光する案もあったけれど、家族全員がこの場所をすっかり気に入ってしまった。
そこで予定を変更して、午前中はグリンデルワルトでゆっくり観光し、午後にツェルマットへ向かうことにした。
この日の行き先は、ゴンドラ1本で気軽にアクセスできる人気スポット「フィルスト」。
ホテルからゴンドラ乗り場までは徒歩でおよそ10分ほど。
フィルストの魅力は、山上にたくさんのアクティビティが用意されていて、まるで山全体がアトラクションパークのようなところ。
山麓駅では、ゴンドラとアクティビティがセットになったお得なチケットが販売されており、しかもゴンドラは1日乗り放題になるのが嬉しい。
体験できるアクティビティは全部で4種類。
私たちはその中から1つだけ体験する予定だったので、「アクティビティ1種類+ゴンドラ乗り放題」のセット券(1人54フラン)を3人分購入。
高いところが苦手な母はアクティビティなしで、ゴンドラのみのチケット(36フラン)を選んだ。
家族4人分あわせて合計198フラン(=36,984円)でチケットを揃えることができた。

便利だったのは、山麓駅に各アクティビティのリアルタイム待ち時間が表示されていたこと。
事前に混雑具合を確認できるので、効率よくチケットを選べる。
朝の早い時間は比較的空いていて、時間が経つにつれてどんどん列が伸びていくので、早めの行動がおすすめ。

チケットを購入してすぐ、待ち時間ゼロでゴンドラに乗車。
なんと、家族4人でゴンドラを貸し切りにできてラッキーだった。
このゴンドラは全長約6kmもある長い路線で、途中にはボルト(Bort)やシュレックフェルト(Schreckfeld)といった中間駅もある。
終点のフィルスト駅(標高2167m)までは約25分。
のんびりと絶景を眺めながら空中散歩を楽しむ。
いったん全員で終点まで上がり、そこから母とは一時お別れ。
母はフィルスト駅周辺を散策し、私たち3人は再びゴンドラに乗って、一つ下のシュレックフェルト駅へと戻った。
空を飛ぶ!?フィルスト・グライダーで鳥の気分に

シュレックフェルトには、私たちが体験するアクティビティ「フィルスト・グライダー」の乗り場がある。
到着時はまだ朝10時前で、待ち時間は30分ほど。
この日も快晴で気温が高く、半袖で歩く人の姿もちらほら。
スイスの山の上とは思えない暑さだった。

しばらくすると、順番が近づいてきて、スタッフからベストを着るように指示される。
荷物はすべて棚に預け、身軽な状態でアクティビティに挑戦。

この「フィルスト・グライダー」は、まるで空を飛ぶ鳥のように、専用ワイヤーに吊るされて空中を滑空するアトラクション。
最大4人まで同時に挑戦できるのも特徴で、今回は父、弟、私の3人で並んで乗ることに。
寝そべるような体勢でワイヤーに吊るされ、合図とともに時速72kmで一気に後方へ引っ張られていく。
そして折り返しでは、時速83kmのスピードで前方に滑空。
後ろ向きで猛スピードで引き上げられる時は、本当に怖くて景色を楽しむ余裕なんてなかったけれど、前向きに風を切って滑空する帰り道は、まさに鳥になったかのような爽快感。
弟は「USJのフライング・ダイナソーみたい!」と大喜びしていた。
待ち時間に比べて体験時間はあっという間だけれど、家族の思い出になる貴重な体験だった。
再びゴンドラに乗ってフィルスト駅に戻る。
母を追ってバッハアルプゼーへ!山上湖ピクニックハイク

フィルスト駅に戻り、母に連絡してみると、「今バッハアルプゼーに向かってるよ!」との返事が。
てっきり近くをのんびり歩いているのかと思いきや、徒歩1時間もかかる山奥の湖を目指していた。
「写真は撮らずに、真っすぐ歩いてきて。湖でピクニックランチしよう!」という指令を受け、私たちも慌てて後を追うことに。
ところが、父はマイペースにのんびり歩き、弟は「写真撮るな」と言ってもシャッターを切りまくる始末。
自由すぎる2人に手を焼きながら、なんとか目的地のバッハアルプゼーに到着する頃には、私はすっかりヘトヘトになっていた。

ようやくたどり着いたバッハアルプゼーは、苦労して来た甲斐があったと心から思えるほど美しい場所だった。
アルプスの雪解け水がたたえられた2つの湖は、まるで天国のような静けさと透明感。
湖の向こうには雪をいただいた山々がそびえ、眺めているだけで疲れが吹き飛ぶ。
中には下着姿で湖に飛び込むヨーロピアンもいて、両親は目を丸くしていた。
いくら暑いとはいえ、雪解け水の冷たさを想像するだけで震えそう。
とても真似はできない。
湖の中をよく見ると、西洋マスが泳いでいた。
いったいどこからやってきたのだろう…と不思議な気持ちになる。

湖を見下ろす場所に座って、プレッツェルとバナナ、オレンジジュースの簡単ランチ。
プレッツェルは、香ばしくカリッとした表面と、もちっとした中身の食感が楽しく、岩塩のしょっぱさが絶妙でとても美味しかった。

帰り道は、行きとは違って写真を撮りながらのんびり歩く。

途中、牛の放牧地も通過。
カウベルの音が山に響き、スイスらしい風景を五感で感じることができた。

正面には雪山と氷河の絶景が広がり、それを眺めながらの帰り道。
歩くたびに絶好のシャッターポイントが現れ、何度も足が止まってしまう。

太陽の光に照らされた氷河はキラキラと輝き、アルプスの神々しい美しさを改めて実感した。
フィルスト・クリフウォークで最後のスリル体験

フィルスト駅まで戻ってきたところで、最後のお楽しみとして「フィルスト・クリフウォーク」へ。
これは展望台近くの断崖に設けられた遊歩道で、所要時間は約15分ほど。
途中には吊り橋があり、風で揺れるとちょっとスリリング。
足元が金網になっていて、崖の下が丸見えになるため、思わず足がすくむ瞬間も。
母はここでも展望台でお留守番。
父、弟、私の3人で最後のスリルも楽しみ、グリンデルワルト最終日の思い出をしっかり胸に刻んだ。
午後は列車で移動、目指すはマッターホルンの村ツェルマット

午後2時ごろ、グリンデルワルトのホテルに戻り、預けていた大きなスーツケースをピックアップ。
それからスーパーに立ち寄って、お酒を数本調達し、急いでインターラーケン行きの列車に飛び乗った。
朝からしっかり歩いた後の一杯は、身体にじんわりと染みわたっていく。

スイス滞在も長くなり、私もようやく慣れてきた。
SBB(スイス国鉄)の公式アプリを使えば、切符もApple Payで簡単に購入できるようになった。
駅で行列に並ばなくてもいいし、アプリでホームの番線や遅延状況も確認できるので、これを使いこなせば旅のストレスが一気に減る。
ツェルマットへ向かうには、インターラーケン(Interlaken)、シュピーツ(Spiez)、フィスプ(Visp)と3回の乗り換えが必要。
そのため1本の列車に長く乗ってのんびりする時間は少なめだったけれど、車窓からの風景を楽しみながら、のんびりと列車旅を楽しんだ。
区間によっては混雑していて、必ずしも4人並んで座れるとは限らない。
それでもボックス席に家族全員で座れたらラッキー。
空いていなければ、バラバラに座ることになっても、座れるだけでありがたいという感じだった。

そして午後6時前、ようやくツェルマット駅に到着。
大きな荷物を抱えた観光客で駅はとてもにぎやかだった。

ツェルマットは、スイスを代表する名峰「マッターホルン」の麓の村。
グリンデルワルトよりもさらに観光地として栄えていて、街全体が洗練された雰囲気に包まれていた。
村の中心で快適ステイ!ホテルとスーパーごはんに癒やされた夜

今夜から3泊お世話になるのは、「Hotel Helvetia」。
駅から徒歩10分ほど、大通り沿いの村のど真ん中にあるホテルで、アクセスもとても便利。
エレベーターがなく、私たちは3階と4階の部屋をあてがわれたので、大きなスーツケースを運ぶのがなかなか大変だった。
でも、部屋に入ってびっくり。

4階の部屋は広々としていて、なんとジャグジー付き!
3階の部屋はそこまで広くはなかったけれど、窓の外には堂々たるマッターホルンの姿が。
山小屋風の素朴な雰囲気のホテルだけど、宿泊費の高いツェルマットで、中心地にこの設備で泊まれるなら、充分すぎるクオリティ。

夕食は、スーパーで半額になっていたサラダやキッシュなどを中心に買い込み、部屋でのんびりといただくことに。
ワンプレートに盛り付ければ、なかなか豪華な夕食に。
スイスのスーパーには種類豊富なお惣菜が揃っていて、どれも美味しい。
毎日ちょっとずついろんなおかずを試すのが楽しいし、外食よりもリーズナブルに済むのも嬉しい。
栄養バランスを考えて、野菜多めでヘルシーなものを選んでいるおかげか、便秘にもならず、みんな体調は良好。
旅が長くなるとこういう食事管理が地味に大事。
気づけば、家族でのスイス旅もいよいよ終盤。
明日は父がずっと楽しみにしていた、逆さマッターホルンで有名な湖を目指してトレッキングの予定。
どうか明日、マッターホルンがその美しい姿を見せてくれますように。
そんな願いを胸に、眠りについた。
9月19日:使ったお金
今日は3泊分の宿代をまとめて支払ったので、かなりの高額出費に。
・スーパー買い物代(パン等):12.55フラン(=2,344円)
・ゴンドラ往復代&アクティビティ代(グリンデルワルト↔フィルスト):198フラン(=36,984円)※ハーフフェアカード適用料金
・電車代(グリンデルワルト→ツェルマット):195.6フラン(=36,536円)※ハーフフェアカード適用料金
・宿代(3泊分):1,068フラン(=207,241円)
・スーパー買い物代(酒):7.5フラン(=1,400円)
・スーパー買い物代(夕食等):45.74フラン(=8,545円)
合計:293,050円