サン・ミゲル・デ・アジェンデを出発し、カラフルな丘の街グアナフアトへ。
そして3日目には、カリブ海リゾート・カンクンへ移動した今回の旅。
移動の車酔いにぐったりしたり、名物の楽団ツアーで夜の街を歩いたり、ピピラ展望台で夕暮れと夜景に見とれたり…。
のんびり過ごす時間と、少しドキッとする瞬間が混ざり合うのがこの街ならではで、父娘旅のゆるい空気も心地よかった。
一方で、タクシーがつかまりにくかったり、カンクンではホテルの騒がしさやドレスコード問題があったりと、思いがけない場面にもいくつか遭遇した。
そんな11月8日〜10日の3日間を、いつも通りの旅日記として記録する。
11月8日 カラフルな街歩きと名物・楽団ツアーで彩られたグアナフアト初日
今日はサン・ミゲル・デ・アジェンデを出発し、州都グアナフアトへ向かう日。
朝は宿でゆっくり朝食をとり、配車アプリ「Uber」でタクシーを呼んでバスターミナルへ向かった。

サン・ミゲル・デ・アジェンデ→グアナフアトのバスチケット(二人分・490ペソ/4,137円)は、11月5日のうちに購入済み。
ターミナルにはPrimera Plus専用の待合室があったので、そこで出発までのんびり過ごした。

バスは11時30分に出発し、到着予定は13時。
実際には1時間半ほどで遅れもなく到着したのだけど、運転がかなり荒く、私も父も車酔いでぐったりしてしまった。(‘A`)

ターミナルを出るとすぐの場所にバス停があり、そこから路線バスで中心部まで行けるようだったが、体調が良くなかったのでUberで宿へ向かうことに。
ターミナルから宿までは車で約15分。
なかなか距離があるので、タクシーにして正解だったと思う。

今回の宿は看板のない小さな宿「Casa Tecolote 12」。
入口がわかりづらくて少し迷ったけれど、呼び鈴を押すとスタッフが出てきて、無事部屋へ案内してくれた。

予約していたのはダブルベッド1台の部屋だったが、宿側の気遣いで2段ベッドのツインに変更してくれた。
父と1台のベッドで寝るのはなかなか大変なので、これは本当にありがたい。

部屋にはバスルームもついていて快適。
車酔いが残っていたので、しばらくベッドで休んでから昼食へ出かけた。

宿から徒歩30秒ほどのところにある「Santo Café」へ。
グアナフアトで人気のカフェで、手頃な値段なのに料理の量がしっかりしている。

ボロネーゼとカプリチョーザサラダはどちらもとても美味しく、久々にたっぷり生野菜が食べられて体が喜んだ。

昼食後は、カラフルでフォトジェニックな街をぶらぶら散歩。
石畳の道を歩くだけで気分が上がる。

街の中心にあるフアレス劇場は、重厚な柱と彫刻が目を引くグアナフアトの象徴。

その階段前は人が集まる憩いの場所になっていて、ここで楽団のお兄さんに声を掛けられ、話を聞いてみることにした。
グアナフアト名物は、エストゥディアンティーナ(楽団)の生演奏を聞きながら、夜の街を一緒に歩くツアーなのだそう。
19時20分にフアレス劇場を出発し、歌や演奏に合わせて1時間ほど小道を巡っていくらしい。

料金は二人で300ペソ(=2,533円)。
その場でチケットを購入した。

再び街を歩き、黄色い外壁と赤い屋根が愛らしいバロック様式の聖堂「バシリカ」へ。

内装は蜂蜜色に輝き、繊細なレリーフや大きなシャンデリアが上品で、あたたかい雰囲気に包まれている。
そんな教会の静けさをあとに、今度は街でもう一つの人気スポットへ向かう。

名物スポット「口づけの小道」。
家同士が触れそうなほど近い細い路地で、向かい合うバルコニーから手が届く距離が恋人たちの象徴になった場所。
「ここでキスをすると幸せになれる」という言い伝えが広まり、今ではグアナフアトを代表するロマンチックな名所になっている。
訪れるとすでにカップルの長い列ができていて、みんなに見守られながらキスするのは、日本人にはなかなかハードルが高そうだと感じた。

口づけの小道からイダルゴ市場へ向かう途中、グアナフアト名物の地下道へ。

この石造りの地下道は、18世紀に世界の銀の3分の1を産出した時代に掘られた坑道や水路を再利用したもの。
狭い街の交通渋滞を避けるため道路として整備され、現在も車やバイクが行き交う。
中心地の区間は人通りも多く、短い距離なら歩いても問題ないけれど、暗くて長い区間は強盗が出ることもあるため、観光客は地上ルートを使うのが安心。

地下道を抜け、地元の活気がつまったイダルゴ市場へ。

1階は食堂や食材、2階は民芸品エリアになっていて歩くだけでも楽しい。

果物屋で翌日の朝食用にリンゴを買い、市場近くのパン屋「Panadería la Purisima」でパンも購入。
これで翌朝はコンビニのコーヒーを買えば十分。

帰り道に寄ったアイス屋さんの果肉入りシャーベットは驚くほど美味しく、日本にも欲しいレベルだった。
宿に戻って少し休憩。
父は今日もテキーラでご機嫌。

19時15分、集合場所の「Iglesia de San Diego」へ向かうと、すでに大勢の人でにぎわっていた。
楽団のリーダーがスペイン語で盛り上げていて、何を言っているかはサッパリわからないけれど、雰囲気はとても楽しい。

19時20分、いよいよツアーがスタート。
歌いながら演奏する楽団の後を、50人以上の参加者がぞろぞろとついて歩く。

小道の途中にチケットチェックの“関所”があるため、タダでついてくる人がいないのも納得。
坂道を歩きながら、陽気な演奏や甘いラブソングが響き、コロニアル都市の夜が一気に華やぐ。
途中にはメスカルの屋台バーがあったり、男性が恋人へ贈るバラを買わされたりと、商売っ気は強いけれど、それも含めて賑やかで楽しい。

終盤は「口づけの小道」近くの広場で締めの演奏。
みんなで歌ったり笑ったりして、ただ歩くだけでは得られない、特別な夜の思い出になった。

ツアーのあとは、人気店「Enchiladas de Doña Lupe」へ。
地元の名物・エンチラーダス・ミネラスを味わう定番スポットで、店頭ではおばちゃんが手際よくトルティーヤを焼いている。

赤く見えるのに辛さは控えめで、鶏肉と野菜の甘みがしっかり感じられるやさしい味。
少し量が多かったが、ぺろりと完食してしまった。

宿に戻り、屋上テラスに上がるとライトアップされた街並みが一望できた。
昼間も夜も絵になる街、グアナフアト。
到着初日からたっぷり満喫できた1日だった。
11月9日 ピピラ展望台で過ごす夕暮れの贅沢時間と、宝石のような夜景

グアナフアト2日目は、宿の屋上テラスでの朝食からスタート。
昨日の夜景もきれいだったけど、朝の静かな街並みもまた美しくて、少しだけ特別な気分になれる。

朝食は昨日買っておいたパンとリンゴ、そして今朝コンビニで買ったコーヒー。
今日は夜にピピラ展望台から夜景を眺める予定だけど、それ以外はとくに決めていない。
昨日で主な見どころはだいたい回ったので、昼過ぎまではのんびり部屋で過ごすことにした。
私は行程の計画や予約作業を進め、父はテキーラを飲みながらテレビ鑑賞。
思い思いにゆるい時間を楽しんだ。

昼食は宿のすぐ近くにある日本食レストラン「Delica Mitsu」へ。

ショーケースには生春巻きやひじきなど、ヘルシーなお惣菜がずらり。

2〜5種類選べるプレート Bento が人気で、私たちも惣菜5種盛りを注文した。
どれも味付けが優しくて美味しく、手頃な値段で気軽に日本の味が楽しめるおすすめのお店。

夕方、16時半ごろから街へ出て、歩いてピピラ展望台を目指すことにした。
途中、巨大なガイコツの飾りがあるお店の前を通過。
死者の日からだいぶ日が経っているのに、まだ飾ってあるのか、それとも1年中なのか…謎だけど、こういうユニークな装飾があちこちにあるところがメキシコらしくて愛おしい。

しかし、展望台へ向かう道に入ると雰囲気が一変。
人通りがほとんどなく、噂どおり“強盗が出ることもある”という、ちょっと物騒な空気が漂っていた。
明るい時間帯とはいえ、歩いていて不安になるほどで、父と2人でも慎重に歩くレベル。
フアレス劇場から展望台までケーブルカーが出ているので、心配な人はそちらを使うのが無難だと思う。

かなりの階段を登り切り、やっと展望台へ到着すると、目の前に広がる景色に息をのむ。
カラフルな家々が折り重なるように広がり、街の中心には黄色い外壁が印象的な「バシリカ」がよく見える。
夕日に染まるグアナフアトの街並みは本当に美しく、日が暮れるまでここでのんびり過ごそうと思ったのだが…予想以上に風が強くて寒い。
夜景を見に来る人は、ダウンなどあたたかい服が必須かもしれない。

日暮れまでの間、展望台にある屋台で軽く腹ごしらえ。
私はとうもろこしのバター煮にチーズをのせたものを、父は鉄板でこんがり焼いた熱々のソベスを。

ソベスは分厚いトルティーヤの上に肉やチーズがたっぷりのっていて、タコスよりもずっと食べ応えがある。

18時半頃、ようやく街に灯りがともりはじめ、夕暮れから夜に変わる瞬間の美しさにしばし見入る。
中世都市にタイムスリップしたような幻想的な光景で、寒さを忘れるほどだった。
下山はケーブルカーを…と思ったけれど、この時間帯は大行列。
どうしようか迷っていたところ、タイミングよくメキシコ人女性2人組が歩いて降りるところに遭遇し、声をかけて一緒に下山させてもらうことにした。
外国人だけの徒歩は少し不安でも、女性同士のグループに混ざるだけで安心感が全然違う。
おかげで無事に降りることができたが、やはり夜間の徒歩移動はあまりおすすめできない。
展望台のあと、市場で翌朝用のブルーベリーを買い、夕食へ向かった。

夕食は韓国ラーメンのお店「Ramen Express」へ。
店内では韓国の袋麺がずらりと販売されていて、自分でトッピングを選び、セルフで調理するスタイル。

スタッフがIH調理機の使い方を丁寧に教えてくれるので、初めてでも心配なし。

父はラーメン、私はジャージャー麺を選び、トッピングも入れたら一気に豪華になった。
この形式のレストランはメキシコでは珍しいのか、ローカルの人たちでにぎわっていて人気のようだった。
11月10日 カンクンへ飛んで気候差に驚き。ダウンタウン宿はまさかの試練

グアナフアト3日目。
朝食は昨日の残りのパンと、市場で買っておいたブルーベリー、そしてコーヒー。
今日はグアナフアトを離れ、飛行機でカリブ海のリゾート地・カンクンへ移動する日だ。
グアナフアトの空港は、市街地から高速道路に乗って30分ほど走った先、シラオという街の郊外にある。
空港までの道のりの治安がやや心配だったが、こればかりはタクシードライバーを信じるしかない。
しかし、配車アプリ「Uber」でタクシーを呼ぼうとしても、なかなかつかまらない。
グアナフアトではドライバーがカード払いを嫌がる傾向があり、マッチング後に“現金払いにしてほしい”と言われることが多発した。
でも、マッチング後に支払い方法の変更はできないので、現金を渡すと二重払いになってしまう。
こちらが断るとキャンセルされ、また最初から呼び直し…。
結局、現金払いに設定し直したことでなんとか乗車できたものの、タクシーが捕まるまでに1時間もかかってしまった。
グアナフアトでタクシーを呼ぶときは、時間に余裕を持った方がいい。

タクシーは、市街地を縦横に走る地下道を抜けて高速道路へ向かう。
暗い地下道を歩いている人の姿も見かけたけれど、観光客が真似をするのは危険。
この街らしい景観ではあるけれど、あくまで車窓から楽しむのが安全だ。

なんだかんだでフライトの2時間半前には空港に到着。
ウェブチェックインを済ませていたので、スマホの電子搭乗券のQRコードをかざして保安検査へ向かった。

待合室ではサンドイッチとジュースで軽い昼食。
タクシー争奪戦で疲れていたこともあって、あっという間に完食してしまった。

15時35分発、19時5分着のLCC「ビバエアロブス」でカンクンへ移動。
航空券は機内持ち込み10kgのオプション付きで、公式HPから2人分4,578ペソ(=39,489円)で購入した。
なお、グアナフアトからカンクンへ向かうと時差が1時間進む。
同じ国の中で時間帯が違う場所があるというのは不思議で、そこで暮らす人たちはどんな感覚で日々を送っているのだろうと、ふと興味が湧いた。

カンクン空港ではターミナル2に到着。
建物を出たところにADO社のバスチケットカウンターがあり、ダウンタウンまでのバスチケット(280ペソ=2,364円)を購入。
カンクン空港は配車アプリが使えないため、移動手段は割高のタクシーか、ADOバスの2択だ。

運よく待ち時間ゼロで乗車でき、すぐに市内へ向かうことができた。

赤い車体のADOバスは指定席で、上位クラスよりはシンプルだけれど、とても清潔で快適だった。
バスはダウンタウン中心地のADOバスターミナルに到着。

バスターミナルから歩いて5分ほどの「Suites Cancun Center」を予約していたので、この日はその宿にチェックイン。
立地はとても便利なのだが、目の前のパラパス公園が夜通し騒がしく、音楽と人の声が絶えず聞こえてきて、ほとんど眠れなかった。
しかも、カンクンには全部で11泊する予定だったのに、そのうち6泊をキャンセル不可のプランでこの宿にしてしまっていたため、正直かなり辛い滞在になってしまった。

部屋自体は広くてベッドもゆったりしているものの、雨漏りする部屋があったり、Wi-Fiの電波が弱い部屋があったりと、設備の当たり外れが激しい。
さらにこのホテルには独特のルールがあり、敷地内(客室含む)は全面禁酒。
もし飲酒が見つかると1,500ペソの罰金を払わないといけない。
メキシコでは屋外飲酒が禁止されていることもあるため、ここではレストラン以外でお酒を飲むことができない。
お酒大好きな父にとっては過酷なルールだが、私はむしろ「父がセーブできる良い機会かも」と思ったほど。
カンクンではオールインクルーシブホテルへ4泊する予定なので、そこで思い切り飲めばいい。

さらに残念だったのが、部屋によってはシャワーの湯温がとてもぬるいこと。
気温の高いカンクンだからまだ耐えられたが、高齢の父には少ししんどかったようだ。
とはいえ、このエリアではかなり宿代が安い方なので、ある程度の設備面の妥協は必要なのかもしれない。

宿の前のパラパス公園には屋台がずらりと並んでいて、リーズナブルに食事が取れる。
今日は移動で疲れていたので、ここで夕食を済ませることに。

「試食してみて」と焼き立てのお肉を出してくれたタコス屋さんで、5個80ペソのタコスを購入。
美味しかったので、結局カンクン滞在中に2回食べた。

他にはワカモレやスイカジュースを買って、公園のテーブルで食べた。
メキシコシティやサンミゲル、グアナフアトは朝晩肌寒いくらいだったのに、カンクンは夜でもむわっと蒸し暑い。
最高気温は27〜29度、夜でも22〜24度ほどあり、気候の違いにびっくりした。
ネパールで買った短パンとTシャツが、ついに本格的に活躍する時がきたか…!?(*´Д`*)
と思いきや、ここでハプニング。
明日から2泊するオールインクルーシブホテルのレストランやバーに、ドレスコードがあることが判明。( ゚Д゚)
宿泊前日に届いたメールで知り、一気に青ざめる。
バックパッカー旅だから、小綺麗な服も靴も持っていない。
案内には「男性はドレスショーツ、ドレスサンダル、またはつま先が覆われた靴」「女性はドレスサンダル」などと書かれていて、庶民すぎてそもそも単語の意味すらわからない。
高級ビーチリゾートホテルは家族旅行でハワイやグアムに行った時以来で、その時の記憶からして、正直そこまで厳しくない気もするが、入店拒否は避けたい。
仕方ないので明日の朝、急いで服とサンダルを調達しに行くことに決めた。
ネパールで買ったTシャツやショートパンツがまったく役に立たず、ちょっとガッカリしたカンクン初日の夜だった。
11月8日〜11月10日:使ったお金
11月8日
・タクシー代(宿→バスターミナル):84ペソ(=724円)
・タクシー代(バスターミナル→宿):100ペソ(=865円)
・宿代(2泊分):1,512ペソ(=12,767円)
・昼食代(ボロネーゼ等):350ペソ(=2,955円)
・楽団ツアー:300ペソ(=2,533円)
・りんご(2個):30ペソ(=253円)
・パン:35ペソ(=295円)
・アイス:65ペソ(=548円)
・夕食代(エンチラーダミネラス等):345ペソ(=2,913円)
合計:23,853円
11月9日
・ギガチャージ代(3.5GB):200ペソ(=1,688円)
・コーヒー:61ペソ(=515円)
・昼食代(ベントー5種盛り等):310ペソ(=2,617円)
・ブルーベリー:60ペソ(=506円)
・とうもろこし:40ペソ(=337円)
・ソペス:50ペソ(=422円)
・夕食代(ラーメン等):207ペソ(=1,747円)
・水:17ペソ(=143円)
合計:7,959円
11月10日
・コーヒー:40ペソ(=337円)
・タクシー代(宿→空港):470ペソ(=3,968円)
・昼食代(サンドイッチ等):380ペソ(=3,208円)
・航空券代(グアナフアト→カンクン):4,578ペソ(=39,489円)
・バス代(空港→バスターミナル):280ペソ(=2,364円)
・宿代(1泊分):5,131円
・スイカジュース:60ペソ(=506円)
・グアカモレ:80ペソ(=675円)
・タコス(5個):80ペソ(=675円)
合計:56,353円


