【8】旅の疲れを癒すローカルハマムと謎すぎ遊園地inブハラ(2025.4.11)

ウズベキスタン

午前中は、別名「月と星の宮殿」とも呼ばれるスィトライ・モヒ・ホサ宮殿(Sitori-i-Mokhi Khosa Palace)へ。

水色を基調とした可愛らしい外観と、美しくきらめく幾何学模様が印象的で、まさに“女子心をくすぐる”ような素敵な宮殿だった。

午後、街をぶらぶらと歩いていたら、偶然ローカル遊園地に辿り着いてしまった。

そこには、どこか見覚えのあるけれど明らかに偽物なミッキー&ミニーが…。

そんな奇妙な世界観の中で一番人気らしい「バイキング」に乗ってみたら、想像以上の絶叫系!

安全バーが頼りなさすぎて、本気で怖くて悲鳴が出た。

夜はローカル向けのハマムで、屈強なおばちゃんにアカスリをしてもらい、明日からのユルタキャンプに備えて体を整える。

今日は、ガイドブックには載っていない、ブハラのローカルスポットを満喫した1日。

ユルタツアー交渉スタート|S&P Travelオーナーと価格のやりとり

朝食

朝、宿で朝食を食べたりブログを書いたりしていると、9時きっかりに「S&P Travel」のオーナーが訪問。

ユルタキャンプツアーの料金は220$とのことだったけれど、私の予算は180$。

少しオーバーだと伝えると、「じゃあ180$でも大丈夫だよ」と柔軟に対応してくれた。

アイダール湖周辺にはいろいろなランクのユルタがあるらしく、リーズナブルな場所を選べばその価格内に収まるという。

ツアーの内容はかなり盛りだくさん

  • ブハラの宿からサマルカンドの宿までのチャーター移動
  • 道中のGijduvan陶芸工房とアレクサンドロス大王の要塞に立ち寄り
  • ユルタでの宿泊(夕食&朝食付き)
  • 5分間のキャメルライド
  • 夜のキャンプファイヤー&民族音楽の演奏

昼食は別料金で、道中のレストランで自由に食べられるスタイル。

支払いは現地で現金のみ(US$またはスム)。

スムの札束

180$分のスムはなんと2,335,000スム…ATMから出てきた札束の厚みに一瞬笑ってしまう。

ツアーも決まり、明日からの旅に向けて気持ちが軽くなった。

月と星の宮殿へ|水色がまぶしいスィトライ・モヒ・ホサ宮殿

午前中はタクシーで、ブハラの中心地から少し離れた場所にあるスィトライ・モヒ・ホサ宮殿へ。

名前の由来は、ペルシア語で「月と星のように美しい」という意味。

この場所は、かつてブハラの首長たちが避暑地として使っていた夏の離宮だった。

敷地内には放し飼いの孔雀も

広い敷地には孔雀が放し飼いにされていて、のんびりとした空気が流れている。

宮殿の外観
水色を基調とした外観

建物の外観は水色を基調としたロシア風の可愛らしいデザインで、星型の黄金の模様が特に印象的だった。

建物出口も可愛らしい

内部はロシア風と東洋風がミックスされた豪華な装飾。

白の間と呼ばれるハンの謁見室

ハン(首長)の謁見室「白の間」では、中央アジアで初めて導入された発電機によって点灯されるシャンデリアがあり、その歴史にも驚かされる。

内装も豪華

展示品には東西の調度品、日本の焼き物、伝統衣装やスザニなどの工芸品も多く、見どころが豊富。

ここで、数日前にタクシーを相乗りしたフランス人カップルとまさかの再会。

明日、彼らはヒッチハイクでヌラタへ行き、そこから2日かけてトレッキングするらしい。

うらやましい行程!

飾られている調度品は東西から集められた逸品揃い
日本の焼き物もある
伝統衣装の展示もある

見学を終え、次はチョルミナルへ向かうことに。

高級レストランでのランチと歴史建築巡り

チョルミナルは、4本のミナレットが立つ小さな建物。

Chor Minor Madrasah
コウノトリの巣のオブジェ

塔の上にはコウノトリの巣を模したオブジェがあり、かつてこの地に本物のコウノトリが飛来していたことを示している。

ブハラではコウノトリが幸運の象徴とされ、コウノトリのハサミなどのお土産も人気。

お腹が空いてきたので、ランチはちょっと贅沢に「Ayvan」へ。

Ayvan
内装が美しい屋内席

このレストランは、もともとユダヤ人が建てた歴史的建築物を利用しており、内装も壁の幾何学模様やフレスコ画がとても美しい。

サラダ
ボルシチ

西洋風のツナサラダと、温かいボルシチを注文。

味もサービスも申し分なく、価格に見合ったクオリティだった。

Bolo Hauz Mosque

食後はボロハウズ・モスクへ。

残念ながら内部には入れなかったが、入口の20本のくるみの木の柱に施された彫刻はとても繊細で美しかった。

そのまま公園を歩き、ふと見ると木陰で休むラクダの姿が。

日陰で休むラクダ

写真撮影用のラクダらしいけど、今日は出番待ちのようだった。

さらに奥へ進むと、9世紀末に建てられたイスマーイール・サーマーニー廟へ。

イスマーイール・サーマーニー廟

中央アジアに現存する最古のイスラーム建築で、レンガの積み方だけで複雑な模様を表現している、美しくて歴史を感じさせる建物だった。

レンガの積み方だけで様々な模様を作り出している

ブハラの偽ミッキーと絶叫バイキング|カオス全開のローカル遊園地体験

イスマーイール・サーマーニー廟のすぐ隣に、なんとも場末感ただよう小さな遊園地があった。

ミッキー&ミニー(風)オブジェ

中に入ると、なにやら見覚えのあるキャラクターが目に飛び込んでくる。

そう、ミッキー&ミニー(風)のオブジェ!(# ゚Д゚)

ただし、その顔つきが…どう見ても“公式ではない”やつ。

目が…(笑)

目のバランスがおかしいし、表情もなぜか妙にじわじわくるインパクトで、むしろ忘れられない存在感。

一番人気のアトラクション・バイキング

そんなカオスな空間の中、なんとか稼働していたのが「バイキング」。

お客さんもちらほら乗っていたし、20,000スム(=220円)と格安だったので、ちょっと乗ってみるか〜と軽い気持ちで乗り場へ。

安全バー…?
今にも外れそうなロック

安全バーがガバガバで、ちゃんとロックされてるのか不安になるレベル。

「まぁ、そこまで高くはならないでしょ」とたかをくくっていたその直後、バイキングはグングンとスイングの角度を増していき、あっという間に天高く!

高い!!!

一番高いところに到達するたびに、体がふわっと浮く恐怖感と、安全バーの頼りなさで、心臓バクバク、顔は引きつりっぱなし。

悲鳴しか出なかった。

向かいのカップルも怖そう

向かい側に乗っていたカップルも、同じく無言でしがみついていた。

園内には他にも絶叫系らしきアトラクションがいくつかあったけれど、この一回で十分。

というか、いろんな意味で怖すぎて、もう絶対乗らないと誓った。

ゴリラのアトラクション
観覧車

ローカル遊園地を後にして、昨日はライトアップだけ見たカラーン・モスクへと再び足を運んだ。

カラーン・モスクとミナレット

このモスクに併設されているカラーン・ミナレットは、1127年に建てられたもの。

かつてブハラの街を侵攻したチンギス・ハンも、立派な塔に感銘を受けたのか、破壊を免れたと伝えられている。

カラーン・ミナレット

ミナレットの表面には、イスマーイール・サーマーニー廟と同じように、レンガの積み方だけで多様な模様が作り出されており、装飾の美しさに見入ってしまう。

昼間に見ると、その繊細な幾何学模様や陰影がよりはっきりと分かり、また違った魅力を感じられる場所だった。

廃墟感たっぷりのローカルハマムで整う屈強おばちゃんのゴシゴシアカスリ体験

観光客向けのハマムは、アカスリやマッサージ込みでなんと45万スム(約5,000円)もしていて、さすがに手が出ない…。

そこで、事前に調べておいたローカル御用達の「Zabiyon-Dabiyon Hammam」へ向かった。

Zabiyon-Dabiyon Hammam

昼間にいちど様子を見に行っていたので、建物の場所や雰囲気はばっちり把握済み。

建物はかなりの年季もので、ほとんど廃墟のよう。

でも、そのレトロな佇まいが逆に味わい深くて、「これはこれでアリかも」と思わせてくれる雰囲気だった。

ハマムにはプライベートの個室と、地元の人たちと一緒に入る公共浴場の2種類があったが、せっかくなのでローカル気分を味わいたくて公共浴場を選択。

料金は80,000スム(=881円)。

受付のおかみさんから「アカスリもする?80,000スムよ」と言われたが、「ちょっと高いかな〜」と断ろうとすると、「じゃあ50,000スムでどう?」とあっさり値引きしてきた。

商魂たくましい(笑)。

というわけで、ハマム+アカスリの合計で130,000スム(=1,441円)に。

脱衣所

脱衣所で服を脱ぎ、荷物はロッカーに入れる。

全てのロッカーはこの金具で開け閉めできる

脱衣所に置いてある金具で、全てのロッカーを開け閉めできる。

みんなで共同で使う鍵なので、防犯は期待できない。

念のため、最低限の現金とスマホを入れた南京錠付きのショルダーバッグをおかみさんに預かってもらった。

ハマム入り口

脱衣所の奥のドアからハマムへ。

年季の入ったハマム

中に入ると、シャワーはなく、たらいにお湯をためて行水する昔ながらのスタイル。

中央には大きな石があり、そこに横たわって体をじっくり温める。

じんわり汗が出てきて、とても気持ちいい。

夜だったこともあって、なんと浴場は貸し切り状態!

昼に見たときは何人か地元の女性がいたけれど、ちょうど時間帯が良かったのか、完全に一人占めできた。

しばらく汗をかいたところで、脱衣所へ戻ると、そこには簡易ベッドがセットされていて、屈強なおばちゃんがスタンバイ。

さっそくアカスリがスタートし、容赦ないゴシゴシ攻撃で、信じられないくらい垢が取れていく…!

ありがたいやら痛いやらで、施術後は全身ツルツル。

…と思いきや、翌日体中に擦り傷ができていてちょっと驚いた。

肌が弱い人は、ハマムのみの利用で十分かも。

どうしても内部の様子を写真に撮りたくて、おかみさんに頼んでみると「どうぞどうぞ!」と満面の笑みで快諾。

誰もいない時間だったからこそ、気兼ねなく撮影できて、夜に来た甲斐があった。

ハマムのおかみさん

ちゃっかり商売上手なおかみさんだけど、「荷物預かってあげるよ」と気を配ってくれる優しさもあって、なんだかホッとする空間だった。

ハマムのスチームで喉の調子も整い、ここ数日くすぶっていた体調不良も一気にスッキリ。

明日から始まるユルタキャンプ、元気に出発できそうだ!

ラビハウズのライトアップ

ハマムの後は、ラビハウズの夜景を眺めながらのディナーへ。

空気が乾燥しているので、濡れた髪もすぐ乾いて助かる。

昨日と同じレストランで、今日はラグマン(中央アジア風の焼きうどん)とスープを注文。

ラグマンとスープ

ラグマンは少し味が濃くて残してしまったけど、うどんっぽい麺料理がウズベキスタンで食べられるのはちょっと感動だった。

4月11日:使ったお金

この日はちょっと贅沢な一日。

高級レストランでのランチに、ハマム&アカスリ体験も含めてこの金額なら満足!

・タクシー(2回):30,000スム(=332円)
・スィトライ・モヒ・ホサ宮殿入場料:60,000スム(=665円)
・昼食(ボルシチ等):210,000スム(=2,328円)
・トイレ:3,000スム(=33円)
・遊園地乗り物代:20,000スム(=221円)
・カラーン・モスク入場料:15,000スム(=166円)
・ハマム(アカスリ込):130,000スム(=1,441円)
・夕食(ラグマン):98,000スム(=1,086円)

合計:6,272円