【18】マスカット市内観光 モスクとスークと港町を歩いた1日(2025.4.21)

オマーン

今日は1日かけてマスカット市内を観光。

まずは、真っ白な大理石と巨大なシャンデリアが輝く、オマーンの誇り──スルターン・カブース・グランド・モスクへ。

女性はアバヤやスカーフで頭部を覆わないと入れないので、入口でアバヤをレンタル。

その後、バスを乗り継いでオールドマスカットへ移動。

伝統衣装や生活道具を展示する「Bait Al Zubair Museum」を見学した後、さらにバスでムトラ地区へ。

フランキンセンスの香り漂うムトラスークを歩き、夕暮れには港に浮かぶ豪華客船を眺めた。

今日は、モスク、博物館、スークと港町を巡った、マスカット市内観光の記録。

白亜に輝くスルターン・カブース・グランド・モスクへ

まずはタクシーで、マスカット屈指の名所──スルターン・カブース・グランド・モスクへ。

ここは朝の数時間だけ観光客が入場でき、しかも入場料は無料。

ただし女性は、アバヤかスカーフで頭を覆う必要があるので、入口でアバヤをレンタルした。

アバヤのレンタルスペース

レンタル料は2.5リアル(=932円)。

デポジットとしてパスポートを預ける。

スタッフの女性がサイズを見て、ぴったりのアバヤを着せてくれるのもありがたい。

スルターン・カブース・グランド・モスク

スルターン・カブース・グランド・モスクは、オマーン最大規模を誇るだけでなく、異教徒にも開かれた貴重なモスク。

真っ白な大理石に包まれた、静謐な空間

真っ白な大理石で包まれた敷地は、朝の日差しを浴びると眩しいくらいに輝く。

優雅な雰囲気

ただの白ではなく、ほんのりアイボリーがかった温かみのある色合いが、無機質さを感じさせず、優雅な雰囲気を纏っている。

内部には贅を尽くした美しさが満ちている

内部に足を踏み入れると、白亜の静かな外観とは一転、贅を尽くした絢爛豪華な世界が広がっていた。

天井から吊るされた巨大なシャンデリア

天井から吊るされた重さ8トンのスワロフスキー製シャンデリア。

カオナシみたいな私

せっかくアバヤをレンタルしたので写真を撮ってもらったのだけれど、なんだかカオナシ感が漂っていて、オマーン人女性たちのような気品はまったく感じられず、ちょっと残念。

きっとあの気品は、服装だけでなく、内面からにじみ出るものなんだろうな(笑)。

メインホールに広がる手織りのペルシャ絨毯

足元には、600人のイラン人女性職人が4年かけて織り上げた、世界最大級の手織りペルシャ絨毯。

繊細な花模様

繊細な花模様が広がる絨毯と、光り輝くシャンデリア──その圧倒的な空間美に息を呑んだ。

巨大なシャンデリアと、床一面に広がる精巧な絨毯
手足を清めるウドゥーエリア


モスクには、礼拝前に手足を清める「ウドゥーエリア」もあり、静かな雰囲気の中で、ひんやりとした空気が漂っていた。

休憩室

休憩室では、訪問者に無料でアラビックコーヒーや水、デーツが振る舞われ、ほっと一息。

デーツなどの伝統菓子
アラビックコーヒー

異教徒にも門戸を開き、訪れる人をもてなす懐の深さに、オマーンらしさを感じる。

庭園もよく手入れされている

広大な敷地に広がる庭園も手入れが行き届き、モスク全体がオマーンの誇りそのものだった。

バス移動に苦戦しながら辿り着いた、白壁の街オールドマスカット

モスク最寄りのバス停からバスに乗り、オールドマスカットを目指す。

1番バスでRuwiバスターミナルまで移動し、そこから4番バスに乗り換え。

合計で約1時間半──マスカットの街は想像以上に広く、移動だけでかなり時間がかかる。

モスク最寄りのバス停

ほとんどのバス停にはエアコン付きの待合所がなく、屋根さえないことも多い。

そんな炎天下で、本数の少ないバスをひたすら待たなければならず、じわじわと体力が削られていく。

1番バス

1番バスは比較的本数が多いものの、それ以外の路線は気まぐれ運行。

Googleマップの時刻表はまったくアテにならなかった。

Ruwiから4番バスに乗り、Al Alam Palaceを目指す予定だったが、運転手に「手前のHillat Al Madabaghahまでしか行かない」と言われ、そこで下車。

オールド・マスカットの街並み

オールドマスカットの街並みは、白壁の建物と静かな海辺が調和する美しい景色。

だが、昼間は気温35度超え。

長時間の散策は無理なので、今回は「Bait Al Zubair Museum」だけを見学することにした。

オマーン文化が詰まった博物館「Bait Al Zubair Museum」を見学

Bait Al Zubair Museum

館内には、オマーン男性の伝統衣装「ディシュダーシャ」や女性用アバヤ、銀細工が施された短剣「ハンジャル」、太鼓などの伝統楽器、そして中東の暮らしに欠かせないコーヒーポット「ダッラー」まで、多彩な展示が並ぶ。

ハンジャル(短剣)
オマーン人男性の衣装「ディシュダーシャ」
女性の衣装「アバヤ」
アバヤは地域によってデザインが異なる
太鼓などの伝統楽器
ダッラーと呼ばれる伝統的なアラブのコーヒーポット

地域ごとに異なる衣装の刺繍模様や、武器に込められた誇りを見ていると、オマーンの文化の奥深さを感じる。

中庭

見学後、博物館の中庭カフェでランチ。

サラダ

暑さで食欲はあまり湧かなかったけれど、チキン入りサラダでさっと栄養補給。

オマーンの伝統的な帆船「ダウ船」

館内には、オマーンの伝統帆船「ダウ船」の模型展示もあり、海洋国家オマーンの歴史に触れることができる。

建物内部には写真撮影禁止のエリアがあり、そこにはさまざまなダウ船の模型が並んでいる。

外に展示されているダウ船の模型は撮影OKだったので、そちらはしっかり写真に収めた。

小規模ながらも展示内容は濃く、オマーン文化にたっぷり浸れる博物館だった。

バス停「Hillat Al Madabaghah」

博物館見学を終え、再び「Hillat Al Madabaghah」のバス停へ。

幸いにも4番バスがすぐ来たので、ムトラ地区へ移動できた。

フランキンセンス香るムトラスークと港町ムトラを歩く

ムトラ地区

ルウィとオールドマスカットの間に広がるムトラ地区は、海沿いの遊歩道と活気ある市場が魅力の、昔ながらの港町。

中でも有名なムトラスークは、香辛料やフランキンセンス(乳香)の香りが漂う、迷路のようなマスカット最大の伝統市場だ。

ムトラスーク入口

ムトラスークに着いたのはちょうど昼休憩の時間帯で、開いている店はわずか。

スーク全体が薄暗く、静かな空気が流れていた。

昼休憩の時間は薄暗い
猫と遊ぶ少年

中を歩いていると、少年に遊ばれている猫たちを発見。

ビニール袋に食いつく猫

ビニール袋に食いつく二匹の猫が、やんちゃでとても可愛い。

元気な猫

16時からまた夜の営業が再開されるので、それまで街をぶらぶらすることにした。

かつて港とスークを見守った見張り塔

ムトラ港を見渡す岩山には、かつて港とスークを見守っていた見張り塔が建っている。

スラム街のような階段

スラム街のような細い階段を登ると、見張り塔の近くまで行けた。

見張り台

塔そのものには立ち入れなかったが、岩の丘からはムトラの街と海を一望できた。

ムトラの街と海
メロンのフレッシュジュース

散策のあとはカフェに入り、メロンのフレッシュジュースでひと休み。

16時になり、夜の営業が始まったムトラスークへと再び向かう。

カラフルなモザイク模様の天井が美しい

ムトラスークにはカラフルなモザイク模様の天井が施されていて、庶民的な市場の中にも中東らしい美しさが漂う。

星型の天井が可愛い
香辛料の山
ナザール・ボンジュウが敷き詰められた階段

香辛料が山積みされたエリア、ナザール・ボンジュウ(目玉模様のお守り)が敷き詰められた階段、天井からぶら下がるお土産品たち。

おもちゃ箱をひっくり返したようなカオスな空間を歩くのは、ただそれだけで楽しい。

ラクダの骨で作られた伝統的な装飾箱とランプなど

中央には、ラクダの骨で作られた伝統的な装飾箱や、びっしりと吊り下げられたランプたち。

ハンジャル(短剣)

伝統の短剣ハンジャルも売られていたが、飛行機に持ち込むのは難しいので購入には注意が必要だ。

フランキンセンス(乳香)の香りが立ち込めるムトラスーク

スークの中はフランキンセンス(乳香)の香りが立ち込め、エキゾチックな雰囲気に包まれている。

フランキンセンス(乳香)
アラジンの魔法のランプ風の置物

さらに、アラジンの魔法のランプ風の置物、ラクダや魚をかたどった独特な錠前、鳥モチーフのドアノブまで。

見ているとつい、あれもこれも欲しくなってしまう。

ラクダや魚をかたどった独特な錠前、鳥モチーフのドアノブ
ゴールド・スーク

ムトラスークの隣には、まばゆい金の宝飾品が並ぶゴールド・スークも広がっている。

金の宝飾品

一体いくらするんだろう、と思いながらショーケースを眺めていると、裕福そうなオマーン人女性たちが真剣なまなざしでジュエリー選びをしていた。

金の宝飾品
スークの路地裏

スークの路地裏を歩くと、モスクのミナレットが夕日に染まり、静かなアザーンが街に響き渡っていた。

海沿いの遊歩道

帰りのバスを待ちながら、海沿いの遊歩道へ。

夕日の中、ムトラ港に並ぶ豪華客船が、ゆっくりと静かに揺れている。

寄港している豪華客船
バス停「Hay Al Mina_1」

バス停「Hay Al Mina_1」で4番バスを待つも、なかなか来ない。

またこれか……と思い、配車アプリでタクシーを呼んでルウィへ。

そこから1番バスに乗り換え、宿の最寄りバス停へ向かう。

とはいえ、最寄りとは名ばかりで、バス停から宿までは30分以上歩くはめに。

帰宅には2時間ほどかかり、この日はもうくたくたになった。

オマーンでは全てタクシー移動が一番快適だけれど、ウズベキスタンのように安いわけではないので、そうそう使えないのが悩ましい。

宿でバジルパスタを自炊してのんびり夕食

宿に戻り、昨日スーパーで買っておいたバジルソースとパスタで夕食作り。

うっかりパスタを茹ですぎてしまい、山盛りのパスタが完成(‘A`)

食べきれなかった分は、翌朝の朝ごはんに回すことにした。

バジルパスタの夕食

4月21日:使ったお金

オマーンでは外食費が高いため、できるだけ自炊とバス移動で節約。

・タクシー代(2回分):2.53リアル(=944円)
・アバヤレンタル:2.5リアル(=932円)
・バス代(4回分):1.4リアル(=522円)
・Bait Al Zubair Museum入場料:3.2リアル(=1,194円)
・昼食代(サラダ):3.5リアル(=1,306円)
・カフェ代(フレッシュジュース):0.8リアル(=298円)

合計:5,196円