今日は、5泊過ごしたアンマンを離れて、ペトラへ向かう日。
バスは途中で休憩を挟みながらも、約4時間でペトラに到着した。
昼間は、地元のパン屋さんをのぞいたり、宿でブログを書いたりしながら、のんびりと過ごす。
そして夜、ついにお待ちかねのペトラ遺跡キャンドルナイトへ。
「ペトラ・バイ・ナイト」と呼ばれるこのイベントでは、シーク(峡谷)の道に数千本のキャンドルが灯され、エル・ハズネ(宝物殿)へと続く神秘的な光の道が浮かび上がる。
静寂の中、月明かりとキャンドルの炎に照らされた岩肌を歩く体験は、昼の観光客の喧騒がまるで幻だったかのよう。
宝物殿の前ではベドウィンによる伝統音楽の演奏もあり、幻想的なひとときを心ゆくまで味わった。
今日は、キャンドルの灯りに導かれて、古代神殿へと歩いた夜の記録。
JETTバスのチケット二重請求|返金手続きをしてペトラへ移動
朝、アンマンのホテルをチェックアウトし、UberでJETTのAbdaliオフィスへ。

バスチケットは数日前にJETTの公式サイトでクレジットカード決済したのだが、決済完了の画面は表示されたのに、チケットのメールが届かなかった。
仕方なくもう一度購入手続きをしたところ、案の定、カードの履歴にはチケット代が2回分記載されていた。
オフィスの窓口で相談すると、「Online Refund Form」という書類を渡され、購入日やカード番号などを記入。
後日返金されるとのこと。
たかが15ディナール(=2,079円)とはいえ、ちゃんと対応してくれたのはありがたかった。
書類を書いているうちに、あっという間に出発時間の6時半に。

途中、バスはトイレ休憩のため土産屋に立ち寄った。
そこでは死海の泥パックなどが売られていたが、かなり割高な値段設定。

朝が早かったので、カフェラテとパンを買って簡単に朝食をとる。
合計で3ディナール(=607円)とこちらも高め。
死海で仲良くなった中国人の夫婦と偶然同じバスだったので、会話を楽しみながら出発時間を待った。

バスは2階建ての大型バスで座席は指定制。
早朝の出発だったので、ほとんどの時間を爆睡して過ごし、気がつけばもうペトラに到着していた。
物価の高いツーリストエリアを避けて|ローカルエリアで過ごす昼のペトラ

バスは、ビジターセンター近くにあるJETTバスステーションに到着。
ペトラの街は、遺跡の入口周辺にあるツーリストエリアと、徒歩約30分の距離にあるローカルエリア「ワディ・ムーサ」に分かれており、宿やレストランもこの2ヶ所に集中している。
私は物価の高いツーリストエリアを避け、出費を抑えるためにローカルエリアの宿に滞在することにした。
アンマン以外ではUberは使えないので、移動は流しのタクシーでの交渉が基本。
ただし観光客はふっかけられやすいので、徒歩で宿まで向かうことに。

ローカルエリアまでは上り坂が続き、炎天下の中でバックパックを背負っての移動はかなりきつい。

宿は「Majido Hostel」。
2泊で朝食なし27ディナール(=5,469円)。
予約していたのはダブルルーム+共用バスルームだったが、プライベートバスルーム付きの部屋にグレードアップしてくれた。
二段ベッドとシングルベッドがある広々とした部屋を一人で使うのは少し贅沢な気分。
チェックイン時に、翌々日行く予定のワディラムへの乗合バスも手配してもらった。
料金は12ディナール(=2,430円)。
少し高いかなとは思ったが、自分で探し回る手間を考えて、そのままお願いした。
昼食はワディ・ムーサの中心にある「Beit Al-Barakah restaurant」へ。

サラダとマッシュルームスープ、紅茶を頼むと、サービスでおかずが3品ついてきた。

紅茶もおかわり自由で、つい3杯も飲んでしまった。
これで7ディナール(=1,418円)はペトラの中ではかなり良心的。
味も雰囲気も◎でおすすめのレストラン。

その後はスーパーで2泊分の朝食や飲み物をまとめ買い。
ツーリストエリアよりローカルのスーパーの方が安くて助かる。

街の評判のパン屋「Village lights Bakery」にも立ち寄る。

そこでは「サジ」と呼ばれる半球型の鉄板で、職人が手際よくパンを焼いていた。
中東の伝統的な主食であるサジパンは、香ばしい匂いが漂っていて、つい見入ってしまう。

「写真撮ってもいいよ!焼きたてが一番美味しいから食べてみて!」
と、職人が熱々のサジパンを分けてくれた。
そのフレンドリーなやりとりに、ヨルダンの人々の温かさを感じた。

夜のキャンドルナイトに備えて、午後は宿の共用スペースでブログを書いたりして、静かに過ごす。
この後、幻想的な「ペトラ・バイ・ナイト」の世界が待っている。
光に導かれる夜の遺跡散策|幻想的なペトラ・バイ・ナイト
「ペトラ・バイ・ナイト」は、毎週月・水・木の20:30〜22:30に開催される特別イベント。
シーク(峡谷)の道に数千本のキャンドルが灯り、エル・ハズネ(宝物殿)まで続く幻想的な光の小径が出現する。
宝物殿前では、ベドウィンによる伝統音楽の演奏もあり、古代遺跡が静かに息を吹き返すような時間が流れる。
ペトラ遺跡の入場券は1日券で50ディナール(=10,131円)、2日券で55ディナール(=11,144円)とかなり高額。
「ペトラ・バイ・ナイト」に参加するには、さらに追加で17ディナール(=3,443円)のチケットも必要となる。
日中に観光して、夜のイベントにも参加するほどの体力は私にはない。
そこで、体力温存のためにこの日は遺跡には入らず、2日券とナイトイベントのチケットを合わせて購入することにした。

19時45分、チケット売り場に到着。
イベント自体は20時半開始だが、宝物殿までは歩いて30分かかるため、20時までにはここに着いておくのがベスト。

入場券と「ペトラ・バイ・ナイト」のチケットはそれぞれ別の窓口で販売されており、購入にはパスポートの提示が必要。
忘れずに持っていこう。


しかし、ナイトイベントのチケットはすぐに買えたものの、肝心の入場券カウンターがなぜか閉まっている。
係員に伝えると「20時になったら開くよ」と言われたが、時間になっても誰も現れず…。
しびれを切らして再度聞いてみると、「まあ、入っていいよ」とチケットなしで通してくれた。
さすがに世界的観光地でこのゆるさはどうなんだ…と思いつつも、無事入場。

夜のペトラ遺跡を歩くのは、まったく別の世界。
キャンドルの炎に照らされたシークの岩壁は、昼間とはまるで違う表情を見せる。
静けさの中、足音だけが響くこの道を、光に導かれるように一歩ずつ進んでいく。

途中には、ライトアップされた「オベリスクの墓」も現れ、旅の幻想がさらに深まっていく。

道端にずらりと並ぶキャンドルは、すべて本物のろうそく。
LEDかと思いきや、ひとつひとつに火が灯されていて、関係者の苦労が目に浮かぶ。

高い岩壁に挟まれたシークの中は、月明かりも届かず、頼れるのはキャンドルの明かりだけ。
しばらく歩くと、岩の合間から宝物殿がふっと姿を現す。

無数のキャンドルに包まれたエル・ハズネは、まるで夢の中の光景のようで、息を呑む美しさだった。

宝物殿の前には敷物や椅子が並べられ、スタッフの案内で腰を下ろす。
ほどなくして、甘く香るベドウィンティーが配られた。
身体の内側から温まっていく感じがして心地いい。
21時、いよいよベドウィンによる演奏が始まる。

笛や弦楽器の音色、静かに響く歌声──それらがライトアップと相まって、まるで古代の神殿が再び目を覚ましたかのような錯覚に陥る。

30分ほどで演奏が終わると、自由に写真を撮る時間に。
色とりどりに照らされるエル・ハズネは、ずっと見ていたくなるほど神秘的だったけれど、明日は早朝から遺跡観光の予定があるので、写真を数枚撮って足早に戻る。
再び30分、キャンドルの小道を歩いて遺跡の入口へ。

ゲートを抜けて街の明かりが見えたとき、幻想の余韻を残しつつも、どこかほっとした。

夕食は遺跡からの帰り道にある「Falafel Time Restaurant」へ。

22時をまわっていたこともあり、夕食はファラフェルサンドだけで簡単に済ませることに。
余韻を胸に、明日の観光に備えて早めに就寝した。
4月30日:使ったお金
ペトラの物価は全体的に高め。
ツーリストエリアに比べるとローカルエリアは多少安いけれど、それでも旅のコストはかさむ。
・タクシー代:1.46ディナール(=305円)
・バス代(アンマン→ペトラ):10ディナール(=2,079円)
・カフェ代:3ディナール(=607円)
・宿代(2泊分):27ディナール(=5,469円)
・バス代(ペトラ→ワディラム砂漠):12ディナール(=2,430円)
・昼食代(サラダ等):7ディナール(=1,418円)
・スーパーでの買い物(朝食等):1.9ディナール(=384円)
・ナイトイベント入場料:17ディナール(=3,443円)
・夕食代(ファラフェルサンド等):7ディナール(=1,418円)
合計:17,553円