ついに憧れのサファリツアーがスタート!
今日はンゴロンゴロのクレーターを抜けて、広大なセレンゲティ国立公園へ。
ピクニックランチを挟みつつ、午後は約2時間半のゲームドライブ。
バッファロー、ライオンの赤ちゃん、ハイエナ、キリン、そして木の上でガゼルを食べるレオパード──息を呑むような大自然のドラマが次々と目の前に現れる。
ビッグファイブのうち、いきなり3種を初日で制覇するという幸運に恵まれ、早くも興奮は最高潮。
夜は公園内のキャンプサイトでテント泊。
水しか出ないシャワーにもめげず、シェフが作ってくれた温かい夕食にほっと癒された、サファリ初日。
サファリツアー出発!朝食とお土産タイムからスタート
いよいよ、念願だったセレンゲティ&ンゴロンゴロの2泊3日サファリツアーへ出発!
朝6時10分、宿に迎えの車がやってきた時点で、すでに2名の参加者が乗っていた。
イタリア人女性のキャラと、モロッコ人男性のアボ。
どうやらカップルのようだ。
その後、私をピックアップし、さらにもう1名──中国人女性のスハンが加わった。
今回のサファリカーは6人乗りだったが、私たち4人だけの参加となったため、車内はゆったり。
快適に旅がスタートした。

アルーシャを出て約2時間半、車は「Jua Manyara Lodge & Camping」という宿泊施設に到着。

最初はトイレ休憩かと思ったが、なんとここで朝食が始まった。
てっきり初日の朝食はつかないと思っていたので、お腹が空いていた私は嬉しいサプライズに感謝。
ここで、前日タランギーレ国立公園でサファリを行っていた別のグループと合流。
これからの3日間は、彼らと同じ行程をともにすることになった。
その中に、日本人男性のコウジさんとコウダイさんがいて、同郷というだけで自然と会話がはずむ。
日本語で話せるって、やっぱり安心する。

朝食後、車で数分の場所にある巨大なお土産屋「Safariland Tanzania」へ。
まだサファリも始まっていないうちから「はい、どうぞお土産を買っていってね」と言わんばかりの立ち寄りに少し苦笑。
並んでいる品々はどれも欧米価格で、なかなか手が出ない。

店内には、タンザニア北部でしか採れない貴重な宝石・タンザナイトのジュエリーも展示されていた。
見る角度によって青や紫に輝くその美しさは、まさに一見の価値あり。
サファリの記念にひとつ…と手が伸びかけたけれど、お値段を見て静かに引っ込めた。
目の保養で十分!(‘A`)

今回の旅の相棒は、サファリ仕様に改造されたトヨタ・ランドクルーザー。
がっしりとした車体は頼もしく、どんな悪路でもガタつかずに突き進んでくれる。
四駆の力強さを感じる一台だ。

屋根はパカッと開く仕様で、椅子の上に立って360度の視界で動物を探すことができる。
足元は、脱ぎ履きが楽なサンダルが断然おすすめ。
すぐに立ち上がって動物に反応できるのがいい。
座席もふかふかで、長時間の移動も苦にならず、まさにサファリの心強い相棒!
放牧するマサイ族とすれ違いながら、クレーターの縁を走る

10時45分、ようやくンゴロンゴロ保全地区のゲート「Lodoare Gate」に到着。
ここではトイレ休憩と、ビジターセンターのミニ展示を見学。

ンゴロンゴロは、約250万年前の火山の大噴火によって誕生した、世界最大級のカルデラクレーター。
直径は約19kmもあり、底には広大な草原と湖が広がっている。
その中に無数の野生動物が暮らしており、まさに“天然の動物の楽園”。
ビジターセンターにはその地形を立体的に再現した模型が展示されており、自然のスケールに圧倒される。
今日はまだこのクレーター内には入らず、その先に広がるセレンゲティ国立公園を目指す。
サファリカーは標高2,200mほどのクレーターの縁を走りながら、ぐんぐんと山道を登っていく。
眼下には緑のパノラマが広がり、澄んだ空気と爽やかな風に包まれながら、車窓からの景色にただただ見惚れた。
この一帯は「ンゴロンゴロ保全地域」として、野生動物の保護と並行して、マサイ族の人々が伝統的な暮らしを営んでいる。

道すがら、放牧中のマサイの少年たちが羊の群れを引いていたり、キリンのすぐそばを歩いていたりと、驚きの光景が何度もあった。

観光地でありながら、ここでは「観光」と「日常」の境界があいまい。
マサイの人々にとって、ここは「働く場所」ではなく「生きる場所」。
そのことを、車窓に流れる風景がしみじみと教えてくれる。
セレンゲティ到着!丘の上でランチピクニック

13時、ついにセレンゲティ国立公園のメインゲートに到着!

ここでツアーメンバー全員で記念撮影。
まだ出発して半日ほどだけど、すっかり打ち解けて、気持ちもリラックスしていた。

メインゲートからさらに車で30分ほど進んだ場所、Naabi Hill Gateでランチタイム。

帯同しているシェフのマティが、朝から仕込んでくれていたお弁当ランチを、開け放った空の下でピクニックスタイルでいただく。
外で食べるご飯って、どうしてこんなに美味しいのだろう。
ついついデザートのバナナを2本もぺろり。
サファリ本格始動!ライオンの赤ちゃんとレオパードの捕食シーンに釘付け

ランチを終え、いよいよサファリ本番。
サファリカーの屋根がパカッと開き、みんなで立ち上がって草原を見渡す。
期待と興奮が一気に高まる。

まず最初に姿を見せてくれたのは、ビッグファイブの一つ・バッファロー。
ごつごつとした大きな角と、重厚な体格。
何頭かの群れで草を食んでいる姿には、ただただ圧倒された。
セレンゲティの広大な大地を堂々と歩く姿が、とても印象的だった。

そして次に出会ったのがライオンの群れ!
こちらもビッグファイブの一角。
しかも、目の前には何頭もの赤ちゃんライオンたちが!
母ライオンにじゃれたり、お乳を飲んだりする姿がたまらなく可愛くて、思わず顔がほころぶ。

中でも印象に残ったのが、木の二股に前足をだら〜んと垂らしてくつろいでいた子ライオン。
無防備すぎるその姿に癒やされまくり。
しかもかなり近い距離で見ることができて、本当にラッキーだった。

少し先へ進むと、今度は巨岩の上で寝そべるライオンたちが。
高台から悠然と周囲を見渡す姿は、まさに『ライオン・キング』そのもの。
青空とサバンナの大地、そしてライオン…「これぞアフリカ!」と言いたくなるような絶景だった。

続いて現れたのはハイエナ。
最初はのそのそと歩いていたのに、突如、何かに反応したのかダッシュで草むらの中へ。
獲物を探しているような緊張感が漂い、その動きから目が離せなかった。
どこか不気味で、不思議な存在感を放っていた。

そんな道中、ぬかるみにはまり動けなくなっているサファリカーを発見。
牽引用のロープで引っ張る車と、後ろから押すドライバーたち──うちのドライバーももちろん参戦!
泥だらけになりながらも、息を合わせて一発で脱出成功。
荒野のど真ん中での連携プレーに拍手を送りたくなった。

さらに進む途中、ふと空を見上げると、雲の切れ間から太陽の光が放射状に差し込み、まるでサバンナに光のカーテンが降り注いでいるようだった。
動物だけでなく、こうした自然の一瞬の美しさに心を奪われるのも、サファリの魅力のひとつ。

おなじみのキリンにも遭遇。
しばらく目が合い続け、「このキリンは何を思って人間を見ているのだろう」と勝手に妄想しながら見つめ合っていた。

そしてサファリ初日のクライマックス──最後に姿を現したのは、ビッグファイブの一角・レオパード。
しかも、なんと木の上でガゼルを食べている最中!
枝の上から垂れ下がるのは、すでに手足が骨だけになったガゼルの体。
そしてレオパードはその頭に夢中でかぶりついていた。
その生々しさに驚きながらも、どこか神聖さを感じるこの瞬間。
哀れさと迫力が入り混じる中で、「これが自然なのだ」と、目をそらさずにじっと見つめ続けた。

サバンナの地平線にゆっくりと沈んでいく夕日を、サファリカーの窓からぼんやりと眺めながら、今日の宿となるキャンプサイトへと向かった。
セレンゲティのキャンプサイトに宿泊。そして帯同シェフの作った夕食を食べる

18時半すぎ、本日の宿「Tumbili Public Campsite」に到着。

鉄骨テントの組み立ては、ナミブ砂漠で経験済みだったのでお手のもの。
ささっと手際よく設営完了。

2人用サイズのテントを、今日は一人で使用。
中にはスリーピングマットと寝袋も完備。
日が沈むとぐっと冷え込んできて、夜は意外と寒い。

キャンプサイトのシャワールームは水しか出なかったので、シャワーは見送り。
月が明るく照らすキャンプサイトは幻想的だったが、それでも懐中電灯やヘッドライトがないと何も見えない。
テントの中に吊るせる小型ライトなどがあると、さらに快適に過ごせそう。

20時半、夕食の時間。
まずは温かいスープで体を温め、続いてパスタやサラダといったメイン料理が登場。

もちろんすべてシェフのマティが現地で手作りしてくれたもの。
机も無く、明かりも最小限の中で、椅子に座って静かに味わう。
素朴だけど、すごく美味しい。
今日は、バッファロー、ライオン、レオパードという豪華メンバーに出会い、さらにレオパードの捕食シーンという貴重な場面まで。
大自然のスケールとドラマを全身で浴びた、忘れられないサファリ初日となった。
7月1日:使ったお金
サファリツアー代は事前に支払い済み。
食事もお水もツアー代に含まれてたので、出費ゼロ!