いよいよケニアを離れ、旅は“魔境”西アフリカへ突入──!
情報も少なく、「地球の歩き方」にさえハブられてる未知の地、セネガルとモーリタニア。
怖さはあるけど、それ以上にこの目で見たいという好奇心が勝った。
選んだのはトーゴ・ロメ経由のASKY航空。
鼻息荒くナイロビ空港へ向かったものの、まさかの「出国航空券がないと乗れません」の一言に凍りつく。
モーリタニアへは乗合タクシーで国境越えの予定。
そんな“チケット”がネットにあるわけもなく…。
こうして、不安とトラブルだらけの西アフリカ旅が幕を開けたのだった。
搭乗拒否の危機!ナイロビ空港で出国チケット騒動
ついに西アフリカへ。
ケニア・ナイロビからセネガル・ダカールへのフライトを予約。
高額な航空券が多い中、必死に探して見つけたのがASKY航空の通しチケット(373.1ドル=55,663円)。
ASKYはトーゴ・ロメ空港をハブにしている航空会社で、今回はロメで2時間のトランジットあり。
通しチケットなので、トーゴのVISAも不要でOK。
遅延しませんように…と祈りつつ、ジョモ・ケニヤッタ国際空港へ向かう。

ナイロビ空港の敷地に入るには、まずタクシーを降りてボディチェックを受けなければならない。

荷物をタクシーに残したまま、ゲート脇の建物でチェックを受け、その先のロータリーで再びタクシーに乗車してターミナルへ。

今回利用するのは1Bターミナル。
ターミナル名をドライバーに伝えると、建物前までちゃんと送ってくれた。
「1B」の案内板を確認して、いざ建物の中へ。
やっと乗れたASKY航空!ロメの空港ではフランス語の壁に焦る
そして西アフリカの最初の関門は、なんとチェックインカウンターだった。
「セネガル出国の航空券がないと搭乗できません」
いやいや、予定ではセネガル→モーリタニア→西サハラ→モロッコと陸路移動して、最後は船でスペイン入りするつもり。
そんな出国航空券なんて持ってない。
事情を説明すると、「じゃあモーリタニア行きのバスチケットを見せて」と言われる。
いやいや、セネガルもモーリタニアも乗合タクシー移動が基本で、ネット予約できるバスなんてない。
「そんなチケットは存在しない」と伝えるも、「じゃあ搭乗できません」の一点張り。
ふと、以前オマーンからヨルダンへ飛ぶ際、同じように出国チケットを求められたことを思い出した。
あの時は泣く泣く、キャンセル可能な航空券をその場で買ってなんとかしのいだ。
でも今回もまた同じことをするのは、なんか負けた気がして嫌だった。
1時間近くカウンター前で粘って交渉。
上司らしき人まで出てきて、質問攻め。
「仕事は?」「その後の旅程は?」など何度も同じことを聞かれる。
無職なのは正直に言いたくなかったので、とっさに「自営業」と答え、「何の?」と聞かれたので「ブロガー」と返す……収益ないけど(゚∀゚;)
パスポートの中身もすみずみまでチェックされる。
そして、最後にスペインからチュニジアへ向かう別件のEチケットを見せたら、なぜかそれでOKになった。
……関係ないチケットでいいなら、最初からそれで良くない(‘A`)?
さらに、「バックパックも身の回りの手荷物も全部合わせて7kg以下にしろ」と言われ、カウンター脇で荷物を仕分けるハメに。
なのに結局、すべての荷物をそのまま機内に持ち込んでOKという結末。
じゃあなんで分けさせたんだよ!とツッコミたくなるが、おそらくこれは“権力ごっこ”。
「従わなければ飛行機に乗せないぞ」という力関係を振りかざしてくるのだろう。
そんなこんなで疲弊しながらも、なんとかダカール行きの搭乗券をゲット。
とりあえずホッ…。

9:05発のロメ行きKP0079便は、30分遅れで出発。
トランジットが2時間しかないので冷や冷や。

機内では朝食が提供された。
味はまぁまぁ、悪くない。

到着後、飛行機を降りてバスでターミナルへ移動。
前方に立っていた女性スタッフが誰かの名前が書かれた看板を持っていたのでスルーしようとしたその時、彼女の周りに数名の乗客が集まり始めた。
ん?これってもしかして、トランジットが短い人用の案内( ゚Д゚)!?
慌てて周囲の乗客に確認すると、やはりその通りで、ダカール行きの人はここで待つようにとのこと。
トーゴはフランス語圏で、案内もフランス語オンリー。
英語アナウンスがなく、知らなかったらそのままバスに乗って迷子になるところだった…。

その後、専用バスでトランジット用の保安検査場へ直行。
そこを抜けると、次の便──ダカール行きの搭乗口が目の前に現れた。
結果的に、2時間のトランジットは余裕たっぷりだった。

ロメからダカールへ向かうKP0050便では昼食が提供され、チキンか魚から選べたので魚をチョイス。
ワインも頼めて、意外としっかりした味。
トラブル続きだったぶん、快適なフライトにちょっと救われた気分になった。
セネガル初上陸!SIM購入からグラン・ヨフ経由で宿までの大移動

17時半、飛行機は定刻どおりにセネガル・ダカール空港へ到着。
まずは空港内のATMで現地通貨をキャッシングし、SIMカードを購入することに。
空港内には数軒の携帯キャリアのカウンターが並んでいたが、セネガルでは「Orange」が一番人気とのことで、そちらに決めた。
12.5GBのデータプランが5,000フラン、SIMカード代が500フラン。
合計5,500フラン(=1,450円)で無事にSIMをゲット!

空港の建物を出てすぐ右手に、エアポートバスの乗り場がある。
セネガルでは物価に対して空港タクシー代がやたらと高く、配車アプリ「YANGO」で呼んでも、高速代込みで25,000〜30,000フラン(=6,500〜7,800円)もする。
もし外が真っ暗ならタクシーを使おうと思っていたけれど、想像していたよりも明るかったので、まずはエアポートバスで市内の「グラン・ヨフ(Grand Yoff)」まで移動することにし、そこからタクシーに乗り換えることにした。
バス乗り場には2台バスが並んでいて、手前の車内にチケット売りの人がいたので、6,000フラン(=1,582円)でチケットを購入。
乗車は奥側のバス。

行き先表示に「Grand Yoff」とあったが、念のためスタッフにも確認してから乗り込む。

バスの座席は自由席で、車両も思っていたよりしっかりしていて乗り心地も上々。
1時間20分ほどでグラン・ヨフに到着した。
この周辺は、ダカールの中でも治安があまり良くないと言われているエリア。
なるべく滞在は避けたかったので、到着してすぐにYANGOでタクシーを手配。

すると来たのは、まさかのジャガー。
エアコンもしっかり効いていて、車内は快適そのもの。
これで1,800フラン(=474円)は安い!
目的地の宿、「日本食レストラン・大和」には、約30分で無事到着した。
ダカールの日本人宿「大和」へ!担々麺と和風空間に癒やされた夜
「大和」は、日本人ご夫妻(原田さん夫妻)が営むレストランで、ダカールの中でも比較的治安が良い高級住宅街・ビラージュに位置している。
建物には原田さんファミリーや日本人インターン生が住んでいて、その中の一室を旅人向けに提供してくれている。
本来は5泊以上からの予約制だが、今回は知人の紹介というご縁で、特別に4泊でも泊めていただけることに。

この時期のセネガルの最高気温は30度以上。
湿度も高く、体感では35度くらいに感じる蒸し暑さ。
エアコンがないのはちょっと辛いけれど、扇風機でなんとかしのげた。
シャワーも水のみだが、この暑さだとむしろ水シャワーでちょうどいいクールダウンになる。
宿泊費は一泊素泊まりで25,000フラン(=6,567円)と少しお高めだけど、ダカールはそもそも宿泊費が高く、さらに盗難被害も多いと聞く。
日本人に囲まれて、安全に安心して泊まれる環境は本当にありがたかった。
セネガルについてはネットに情報がほとんどないため、観光地や移動手段、治安のリアルな情報など、現地に詳しい人の話が本当に貴重。
原田さんやインターンの方々が、日本語で丁寧に教えてくださり、本当に助かった。
明日以降の動き方やおすすめレストランまで、たくさん質問しまくってしまったけれど、みなさん親切に対応してくださった。

夕食はレストランで担々麺を注文。
日本茶付きで9,500フラン(=2,495円)とお高めではあったけど、その価値は十分。
鶏ガラから丁寧に出汁を取っているそうで、西アフリカでこのクオリティの担々麺が食べられるとは思っていなかった。
久々の本格ラーメンに感動…!

レストランの店内からは、日本風の中庭が見え、なんだかほっとする雰囲気。
その奥にある窓付きの一室が、今夜から私が泊まる部屋。
遠く離れた西アフリカの地で、こんなにも“和”を感じられる空間に身を置けるとは。
魔境・西アフリカに足を踏み入れたはずなのに、心が落ち着く、そんなセネガル初日の夜だった。
7月11日:使ったお金
西アフリカ行きはやはり高かった…!
・航空券代(ナイロビ→ダカール):373.1ドル(=55,663円)
・SIM代(12.5GB5,000+カード代500):5,500フラン(=1,450円)
・バス代:6,000フラン(=1,582円)
・タクシー代(グラン・ヨフ→宿):1,800フラン(=474円)
・夕食代(担々麺等):9,500フラン(=2,495円)
合計:61,664円