【105】港町エッサウィラで沈没生活スタート!猫とハマムと夕日(2025.7.23)

モロッコ

避暑地・エッサウィラで迎えた静かな朝。

青い漁船が並ぶ港を歩き、モロッカン朝食のムセメンに癒されて一日がスタート。

午後はローカルハマムに挑戦し、地元マダムのやさしさに心がほぐれる。

猫たちがのびのび暮らす旧市街を散歩しながら、隠れ家レストランで魚介スープの夕食。

クレープ片手に城壁の上へ登れば、白波が砕ける音とともに、空がゆっくりとオレンジに染まり始める。

日没が20時半のこの街では、そんな夕暮れが“今日の締めくくり”になる。

港町の朝はのんびりと。青い漁船とカモメたち

朝8時、街はまだ眠っている

朝8時、朝食を食べようと外に出たけれど、どこも店が開いていない。

どうやらエッサウィラの朝はゆっくりらしい。

日の入りが20時半と遅いため、生活リズムも夜型なのだろう。

観光地とは思えないほど静かな朝だった。

青い漁船が並ぶ漁港

ぶらぶらと海沿いを歩いて漁港へ。

そこには、エッサウィラの象徴とも言える青い漁船がずらりと並んでいた。

港のカモメたち

すぐそばでは、カモメたちが漁師のまわりを旋回しながら、おこぼれの魚の切れ端を狙っている。

鳴き声が響きわたり、これぞ港町、という風情。

なんとも気持ちのいい朝だった。

ムセメンが絶品!リヤドで楽しむモロッカン朝食

リヤドでモロッカン朝食

しばらく歩きまわって見つけたのが「Riad Étoile d’Essaouira」。

宿併設のレストランでモロッカンスタイルの朝食を提供していて、ここでひと休みすることに。

チョコ入りブレッドにパン、搾りたてのオレンジジュース、コーヒー、そして名物ムセメン。

モロッコ名物ムセメン

ムセメンは、カリッともっちりの食感にバターの香ばしさが重なって絶品。

ジャムやはちみつをつけるのが王道スタイルで、朝から幸せな気分になった。

食事中、オーナーと意気投合し、「1泊200ディルハムで泊まっていいよ」と声をかけてもらった。

プライベートバスルーム付きのダブルルームでこの値段は、予約サイトには出てこない破格。

「また来るね!」と3泊分だけその場で予約し、朝の出会いに感謝しながら店をあとにした。

メディナに活気が戻ってきた

10時半を過ぎると、ようやく旧市街の店々が動き始める。

にぎやかになってきたメディナを少し歩いたあと、宿に戻ってブログを書こうとしたら…Wi-Fiが不調に。

せっかくなので、コワーキングスペースに行ってみることにした。

メディナ内のNOQTA SPACE

向かったのは、メディナの中にある「NOQTA SPACE」。

紅茶がセルフで飲み放題、1時間15ディルハムの良心的な価格。

2時間利用して30ディルハム(=493円)。

ネット環境は爆速で、作業もサクサク進んだ。

こういう場所があるのは本当にありがたい。

ローカルハマムで垢すり体験。優しさに包まれた時間

ハマム:女性用の入口

夕方、新市街にあるローカルハマム「Laafoo Hammam」に行ってみた。

男女で入口が分かれていて、女性用入口の向かって左にチケットカウンターがある。

チケット売り場

そこで入浴チケットを購入し、女性用入口から中へ入る。

料金は15ディルハム(=246円)と激安。

黒石鹸(サボン・ノワール)

女性用の受付横には、黒石鹸(サボン・ノワール)や垢すり用の手袋「ケッサ」が売られていた。

ケッサ

今回はセルフで垢すりするつもりだったので、とろっとした黒石鹸(1ディルハム)と、ザラザラしたケッサ(20ディルハム)を購入。

合計21ディルハム(=345円)。安い!

荷物をカウンターに預けてパンツ姿で中に入ると、サウナのような蒸し暑さに包まれる。

台座などはなく、みんな床にビニールシートを敷いて直に座っていた。

ひとりで戸惑っていたら、マダムが風呂イスを譲ってくれ、アラビア語とジェスチャーでハマムの入り方を教えてくれた。

まずバケツでお湯をくみ、体にかけて黒石鹸を塗り、少し置いてから流す。

その後ケッサでごしごし垢すり。

すると…垢がぽろぽろ!

さらに、隣にいた地元のおばちゃんが、突然私の背中をケッサでこすってくれた。

言葉は一切通じないのに、見ず知らずの私を受け入れてくれる優しさが身にしみた。

ハマムを出ると、肌はつるつるすべすべ。

芯から体が温まり、まるで温泉に入ったあとのような気持ちよさ。

長旅でおざなりになっていた身体を、ようやく労われたような気がして、嬉しくなった。

かごの上で、すやすやと眠る猫

帰り道、かごの上で気持ちよさそうに眠っている猫に出会った。

エッサウィラは、世界でも屈指の“猫にやさしい街”。

細い路地にも、カフェのテラスにも、魚市場の片隅にも、猫の姿がある。

誰にも追い払われることなく、のびのびと暮らす猫たちを見ていると、この街のやさしさが自然と伝わってくる。

隠れ家レストラン「Triskala」で味わう魚介スープ

Triskalaでディナーを

夕食は、メディナの奥にひっそりと佇む隠れ家レストラン「Triskala(トリスカラ)」へ。

まるでアートギャラリーのようなおしゃれな内装で、色とりどりのランプや壁の装飾がどこを切り取っても絵になる空間だった。

魚介の旨みたっぷりスープ

この日は、シーフードスープとハーブティを注文。

パンもセットで付いてくる。

イカやエビがたっぷり入ったスープは、魚介の出汁がしっかり効いていて、やさしい味わい。

体の芯までじんわり温まった。

クレープ片手に、城壁の上で大西洋に沈む夕日を

海沿いの城壁・レンパール・モガドール

食後は旧市街をぐるりと囲む城壁の一角「レンパール・モガドール」へ。

ここはかつて、海賊や外敵から街を守るために築かれた要塞で、重厚な石造りの壁が今もその歴史を物語っている。

旧市街を囲む城壁

城壁の上を歩けば、大西洋の波しぶきと潮風を間近に感じられ、エッサウィラの街並みと海のコントラストが美しい。

サンセットにはまだ早かったので、メディナの中を歩いてクレープを探すことに。

クレープ屋さん

エッサウィラでは、街角のあちこちにクレープ屋さんがあり、目の前で焼きたてを作ってくれる。

とろけるヌテラとバナナクレープ

定番のヌテラ×バナナのクレープは25ディルハム(=411円)。

とろっとしたチョコヘーゼルナッツクリームに、熟したバナナの甘さが重なって、焼きたてのクレープと相性抜群。

まさにとろけるような一品だった。

夕日と波しぶきの演出

クレープ片手に再び城壁へ。

夕日に照らされた大西洋の荒波が岩に打ち寄せ、白いしぶきが豪快に弾ける。

その光景を見た瞬間、思わず頭の中で、あの「東映」のオープニング映像が再生された。

ここがモロッコだということを一瞬忘れそうになるほど、迫力ある“海の演出”だった。

空はゆっくりとオレンジに染まり、海も赤く照らされていく。

大きな太陽が水平線に沈んでいく光景は、「日没する国」モロッコを象徴するような美しさだった。

7月23日:使ったお金

ローカルハマムはほんとに安い!

・朝食(モロッカン・ブレックファスト):50ディルハム(=822円)
・カフェ(2時間席代):30ディルハム(=493円)
・ケッサ&黒石鹸:21ディルハム(=345円)
・ハマム:15ディルハム(=246円)
・夕食代(シーフードスープ等):80ディルハム(=1,315円)
・バナナクレープ:25ディルハム(=411円)

合計:3,632円