9日間滞在した涼しい港町エッサウィラを離れ、灼熱のマラケシュへ。
到着後すぐに、シャウエン行きのチケットを確保するため鉄道駅とバス会社を巡り、ラバト・フェズ経由という長時間の強行ルートをなんとか組み上げた。
疲れてたどり着いた宿は、「エアコンあり」と表示されていたはずなのに、実際の部屋にはエアコンも扇風機も窓もなし。
40度の熱気がこもる空間に、思わずため息がこぼれた。
気を取り直して夜のジャマ・エル・フナ広場へ繰り出し、エスカルゴやハリラ、ジュースを屋台で味わいながら活気に包まれる。
明日からは、8年ぶりのサハラ砂漠へ。
忘れられないあの景色を、もう一度見に行く。
その風景を思い浮かべながら、首に濡れタオルを巻いて、灼熱の夜をなんとか乗り切った。
快適エッサウィラから灼熱マラケシュへ
今日はついに、9日間滞在したエッサウィラを離れ、灼熱のマラケシュへ移動する日。
バスのチケットは事前にバス会社のカウンターで購入済み。
11時15分発の便に乗るため、まずは朝食を食べに行くことにした。

フランス菓子の老舗「Pâtisserie Driss」は、Supratours社のオフィスからも近く、出発前にのんびり過ごすのにちょうどいい立地。

今日も少し体調が悪かったけれど、フルーツたっぷりのデニッシュやケーキ、カフェラテを注文して、空腹を満たしてからマラリア薬を飲んだ。

11時、Supratours社のオフィスに到着。
カウンターでトランク預け荷物の料金7ディルハム(=115円)を支払い、専用の荷物シールを受け取る。

私のバックパックは、上の棚にはどうしても収まりきらないサイズだったので、今回はトランクに預けることにした。

バスは指定席で座り心地もよく、定刻通り11時15分にエッサウィラを出発。

途中にトイレ休憩が1回あり、14時15分にはマラケシュの鉄道駅前に到着した。

シャウエン行きは体力勝負の鬼ルートで確保
このまま宿に直行したいところだけど、8月5日にマラケシュからシャウエンへ移動する予定なので、チケットを確保しておきたい。

まずは鉄道駅構内のカウンターで、マラケシュから首都ラバトまでの列車チケットを購入。

2等車で200ディルハム(=3,304円)だった。
英語はあまり通じなかったけれど、Google翻訳を使ってアラビア語でやり取りし、なんとか購入完了。
次は、ラバトからシャウエンまでのバスを探す。

鉄道駅すぐ横にあるSupratoursの窓口へ行ってみたが、ラバト→シャウエンのチケットは扱っていないとのこと。
少し歩いたところにあるCTM社のオフィスへ向かう。

CTMではラバトからシャウエンへの直行便はなかったものの、フェズで30分の乗り換えを挟めば行けるとのこと。

その場で、2本分のチケットを購入した。
- ラバト→フェズ:90ディルハム(=1,486円)
- フェズ→シャウエン:140ディルハム(=2,312円)
マラケシュ→シャウエン間の電車&バス代は合計7,102円。
なかなかの出費だし、5:50発〜20:45着という長旅になる。
ちょっと強行すぎたかも…(‘A`)?
フェズで1泊する案も考えたけど、マラケシュもフェズも今は猛暑まっさかり。
フェズは過去に行ったこともあるし、今回はまだ行ったことのないシャウエンでゆっくりしたかった。
ついでに、ラバトも初めてなので、乗り換えの短時間でも街の空気を感じられたらいいなと。
そうして、ちょっと無茶なルートが完成。
果たして無事にシャウエンまでたどり着けるのか、不安と期待が入り混じる。
とはいえチケットはすべて揃ったので、あとは安心して宿へ向かうだけ。
駅から旧市街までは路線バスでローカル移動
マラケシュ駅から、旧市街(メディナ)の入口であるジャマ・エル・フナ広場までは路線バスで移動できる。
駅前の「Longue Vie Hotel」の前にはバス停の標識はないものの、バスがここに止まるとGoogleマップに表示されていた。
1分も経たないうちに5番バスがやって来たので、運転手に合図して乗車。
行き先表示は「5」の数字しかなく、よくわからなかったけれど、「ジャマ・エル・フナ?」と尋ねると、静かにうなずいてくれたので安心して乗り込んだ。

運賃は乗車時にドライバーに直接支払い、4ディルハム(=66円)。

バスに揺られること約15分、ジャマ・エル・フナ広場前のバス停で下車。
ここからは徒歩でメディナの宿まで向かう。
“エアコンあり”のはずが…まさかの灼熱サウナ部屋

今夜の宿は、事前にAgodaで予約していた「Red Vibes Hostel Marrakech」。
だが、建物の前でチャイムを何度鳴らしても、誰も出てこない。
気温は40度、日陰もなく、灼熱の中で30分近く待ちぼうけをくらった。
しかもこの宿、Googleマップにすら載っておらず、Agoda上の電話番号も分かりづらい位置に表示されている。
ようやく番号を探し出し、WhatsAppで連絡をとってみると、スタッフが慌てて駆けつけてきた。
しかし、トラブルはこれで終わりではなかった。

部屋に案内されてみると、なんとそこにはエアコンも扇風機も、窓さえもない。
Agodaの宿情報には「エアコンあり」と明記されていたのに…。
確認すると「全室エアコンはついていない」との返答。
室内は風が通らず、熱がこもって息苦しいほどの暑さ。
翌朝早くにチェックアウトする予定だったこともあり、他の宿を探すのは面倒で、泣く泣くこのまま泊まることにした。
Agodaに問い合わせたところ、返金には応じてもらえたが、やりとりだけでかなり神経を削られた。
夜のジャマ・エル・フナで屋台グルメを満喫

21時ごろ、気分転換もかねて夜のジャマ・エル・フナ広場へ夕食を食べに出かけた。
夜の広場は、屋台の煙とスパイスの香り、音楽と笑い声が渦巻く、マラケシュの熱気が凝縮されたようなカオスな空間。
屋台にはそれぞれ番号がふられており、料理のジャンルごとに常連客もついている。

まず向かったのは5番のエスカルゴ屋台(No.5)。

味付けしっかりのエスカルゴをつまんだあとは、スパイシーなスープを飲み干す。
クセになる美味しさ。

その後はフレッシュなミックスジュースで口直し。
甘さと酸味のバランスが絶妙で、屋台巡りの合間にちょうどいい。

次に訪れたのは6番のハリラスープ屋台。

地元の人たちに混ざって、豆やパスタが入ったとろみのある定番スープをすすった。
やさしい味が身体にしみわたる。

締めは15番の屋台レストランで、モロカンサラダとほうれん草の煮込みを注文。

サラダのフレッシュさと、ほうれん草のほっとする味わい。
どちらも旅の合間にうれしい、やさしいひと皿だった。

食後は、ペットボトルを釣り上げるミニゲームに夢中の人々を眺めたり、ゲンブリを奏でる路上パフォーマーの演奏に耳を傾けながら、夜の広場をのんびりと散策。

観光客とローカルが入り混じる、この混沌こそがマラケシュの醍醐味だ。
満腹と余韻に浸りながら、にぎやかな広場を後にした。
明日からは、2泊3日のサハラ砂漠ツアーに参加する。
本当は今回の旅程に入れていなかったけれど、モーリタニア行きが頓挫して日程に余裕ができたため、急遽参加を決めた。
砂漠は大好きで、今までいくつもの砂漠を訪れてきたけれど、やっぱり私の中でナンバーワンは、8年前に訪れたサハラ砂漠だった。
あの時の感動をもう一度味わいたくて──。
久々の再訪に胸が高鳴る。
そんなことを思いながら、エアコンも扇風機もない灼熱の部屋で、首に濡れタオルを巻き、なんとか眠りについた。
7月30日:使ったお金
今日は翌週のシャウエン移動の電車&バスチケットをまとめて購入したため、出費は多め。
・枕チップ:20ディルハム(=330円)
・トイレチップ(2回分):2ディルハム(=33円)
・朝食代(ケーキ等):28ディルハム(=462円)
・荷物預け代:7ディルハム(=115円)
・電車代(マラケシュ→ラバト):200ディルハム(=3,304円)
・バス代(ラバト→フェズ):90ディルハム(=1,486円)
・バス代(フェズ→シャウエン):140ディルハム(=2,312円)
・バス代(マラケシュ駅→ジャマ・エル・フナ広場):4ディルハム(=66円)
・宿代:1,794円→返金されたため0円
・宿泊税:25ディルハム(=413円)
・水:10ディルハム(=165円)
・エスカルゴ:10ディルハム(=165円)
・ミックスジュース:20ディルハム(=330円)
・ハリラスープ:5ディルハム(=82円)
・夕食代(サラダ等):20ディルハム(=330円)
合計:9,593円