バハラ要塞を訪れるため、朝から作戦会議。
バスは時間が合わず、ヒッチハイクの可能性も視野に入れて、乗合タクシーを探すことに。
果たして予算3リアルで往復できるのか(‘A`)?
実在するか不明だった乗合タクシーは意外にもすんなり見つかり、優しいドライバーたちの朝食に混ぜてもらうなど、オマーンらしい交流も体験。
到着したバハラ要塞は、迷路のような構造と静けさが魅力の穴場スポットだった。
しかし、帰りのタクシーがなかなか来ず、ヒッチハイクに挑戦するも失敗。
ようやく拾った乗合タクシーでニズワに戻り、Coraと最後の食事を楽しんだ後、長距離バスでマスカットへ。
今日は、バハラ要塞を目指して3リアルで往復を試みた、小さな冒険の記録です。
往復3リアルで行けるのか?乗合タクシー探しから始まった朝
朝ごはんは、リサさんが昨日の夕食で残ったビリヤニをテイクアウトしてくれて、それに卵と味噌を加えて雑炊にアレンジしてくれた。

スパイシーなはずの味が一気に和風に変わって驚いたし、料理ができる人って本当にすごい。
そんな朝食を食べながら、今日のバハラ要塞行きの作戦会議。
リサさんはバスで行きたい派。
けど私とCoraは、夕方にマスカット行きの長距離バスに乗らなきゃいけない。
1日2本しかないバスは時間が合わないし、Coraは明後日台湾へ帰国。
Coraの手元に残った交通費は、なんと3リアルのみ…!( ゚Д゚)
というわけで、リサさんはバス、私とCoraは乗合タクシーを探して、片道1.5リアル以下なら乗る、なければヒッチハイクで挑戦するという流れに。
ただ、そもそも「乗合タクシーって本当にあるのか…?」と半信半疑のまま、ニズワのTaxi Parkingへ向かうことに。

話を聞くと、どうやら乗合タクシーは実在するらしい!ホッとした。
「4人集まれば1人1リアルでバハラまで連れて行くよ」とのことで、今いる3人(先客の男性、私、Cora)であと一人を待つことに。

無事往復3リアル以内に収まりそうで、ヒッチハイク回避できて、心底ほっとする。

待っている間、ドライバーからアラビックコーヒーをご馳走になった。

しばらくすると、カレーとアラビアパンが運ばれてきて、朝食タイムがスタート。
オマーンの人たちは、こういう時も当たり前のように「食べなよ」と分けてくれる。
優しさが自然で沁みる。

朝ごはんが終わる頃、ついに4人目が到着。
20分ほどの待ち時間で、無事タクシー出発!
まるでRPGの世界|灼熱の迷宮・バハラ要塞を探検
ニズワからバハラまではタクシーで30分ちょっと。

バハラ要塞の前で下車。

入り口には立派なミニチュア模型が飾られていて、テンションが上がる。
まるでRPGのダンジョンの入口に立ったような気分。

バハラ要塞は、13世紀に築かれたオマーン内陸の城塞で、ユネスコ世界遺産にも登録されている。
土だけでなく石や砂岩も使われた堅牢な造りで、かつての城塞都市の面影を色濃く残す。

迷路のような構造や防御の仕掛けも多く、歩いているとまるでRPGやドラクエの世界に迷い込んだような気分になる。


素朴な土壁に囲まれた空間は、飾り気がないぶん、時の流れが静かにしみ込んでいた。


天井のあちこちにはコウモリが逆さまにぶら下がっていた。
最初は「死んでる…?」と思ったけど、Coraが「あれは寝てるだけ」と教えてくれて笑った。


私たちは10時半からお昼すぎまで、2時間ほどかけて要塞内をのんびり見てまわった。
ただ、とにかく暑い! 日陰が少なくて、地面や土壁が太陽の光を反射して、下からも照らされてるよう。
「私たち、今バーベキューになってない?( ゚Д゚)」と冗談を言いながら、汗だくで探検を続けた。


ニズワ要塞に比べると、バハラ要塞は立地もアクセスも悪くて観光客が少ない。
そのぶん、写真は撮り放題だし、広い空間をほぼ貸し切りで楽しめたのは贅沢だった。

1時間ほど歩いて限界を感じ、要塞内のカフェで休憩。


出てきたペプシの値段は…なんと0.8リアル(=292円)。
観光地価格にびっくりしたけど、干からびそうだったのでありがたくいただいた。
帰りの足が見つからない!タクシー難民とヒッチハイク未遂
観光を終え、バハラ要塞前にあるタクシー&バスの待合所へ。

ありがたいことに中はエアコンが効いていて、火照った体をクールダウンできた。
5分ほどすると、同じようにタクシーを待つ男性2人が現れた。

彼らもマスカット方面へ向かうらしく、これで4人のメンツがそろった!と思ったのも束の間…タクシーがまったく来ない。

やっと来た!と思ったら、すでに別の客を乗せているうえに、行き先も違うタクシーで落胆(‘A`)
あれから30分、タクシーは1台も通らず、次第にあきらめムードが漂いはじめる。
しびれを切らした私は、オマーン人男性と一緒にヒッチハイクを試みる。
1台だけヒッチハイクに挑戦してみたけど、さすがに4人まとめては無理だったようで、あえなく失敗。
「そりゃそうだよね…」とCoraと苦笑い。

45分が経過し、もう今日はダメかも…とあきらめかけたその時、ついに救世主が現れた。
ニズワからの観光客を降ろしたばかりの空車タクシーが到着!
急いで駆け寄ってドライバーと値段交渉。
こちらの希望は往路と同じ1リアル(=365円)。
でも提示されたのは1.5(=548円)リアル。
…高い。
でも、このチャンスを逃したら次はいつ来るか分からない。
予算の往復3リアルにはギリギリ収まるので、潔く交渉成立。無事帰れる…!
最後のニズワ時間|個性派カフェと閉まるスーパーに翻弄された午後
ニズワに戻ってから、Coraと遅めのランチへ。
中心部は高そうだったので、宿の近くで見つけた「Safar Cafe」に入ってみたら、そこは想像以上に個性的な空間だった。

なんと、店員さんが機長のコスプレ姿(笑)

店内には飛行機の座席風のエリアがあり、窓には飛行中の空を模した映像が流れていて、本気のコンセプトカフェ( ゚Д゚)

私たちは普通の窓側席を選んだけど、そこからはニズワの岩山と街並みが見えて、これはこれで良い感じ。

フルーツ&チーズ入りのサラダとストロベリーモヒートを注文。
お値段は4.6リアル(=1,682円)とオマーン基準ではちょっとお高め。
でもサラダはボリュームも味も文句なしで、満足度は高かった。
そのあとCoraとは一旦ここでお別れ。
夕食の買い出しにスーパーへ向かうも、どこも閉まっていてごはん難民に…。
そう、オマーンの週末は金曜と土曜。
加えて昼休みが長くて、14時〜16時くらいは軒並み閉まっていることを忘れていた。

あちこち歩き回った末、ようやく開いていたのが「Pakistani Samosa Chaat Restaurant」。
テイクアウトOKということで、サラダとオレンジスムージーを購入し、宿へ戻る。

荷造りをしてバックパックを背負い、宿のオーナーに別れのあいさつ。
この「Salem House Hostel Nizwa」、安宿だけど掃除も行き届いていて、共用スペースも快適だった。
何より、オーナーの気さくな笑顔と気配りが素晴らしく、また戻ってきたくなる宿だった。

ニズワからマスカットへ|バス移動とAirbnb宿の夜
Coraと一緒に「Saalwalkingbridge1」のバス停へ。

ここからマスカット行きのバスに乗る。
バハラ方面から来る路線バスなので、少し遅れて到着。

車内はほぼ満員状態で、さっそく座席でさっき買ったサラダを広げる。

…が、ドレッシングがかかってないただの素材盛りサラダだった(‘A`)
玉ねぎや人参の生スライスを、そのまま食べる文化って、日本ではなかなかないよね。
玉ねぎはさすがに半分だけ残した。
夜8時40分頃、マスカットの「Azaiba Bus Station」に到着。
Coraとはここでお別れ。お互いの旅の無事を祈って別れた。
実は当初、オマーン初日に泊まった宿にもう一度泊まる予定だったけど、どうしても再訪する気になれず、直前でキャンセル。
代わりに予約したのが、Airbnbの宿。
Azaiba Bus Stationから徒歩で30分以上かかる場所にあったけど、治安も雰囲気も良い高級住宅地エリアの中で、静かで落ち着いた環境。

オーナーも丁寧で親切。
高級住宅をそのままゲストハウスにしたような感じで、すごく居心地がよかった。
明日からはこの宿を拠点に、ワディ・シャーブやワヒバ砂漠など、マスカット近郊を周る予定。
ニズワやバハラは本当に暑かったから、マスカットの海風の中でひと息つけそう。
4月19日:使ったお金
今日は、行きも帰りも乗合タクシーを使えたおかげで、交通費はかなり節約できた。
ただ、お昼に入ったカフェがなかなかの価格設定だったのと、マスカットのAirbnb宿4泊分をまとめて支払ったので、全体としてはやや高め。
・乗合タクシー(2回):2.5リアル(=913円)
・バハラ要塞入場料:4リアル(=1,462円)
・昼食代(サラダ等):4.6リアル(=1,681円)
・夕食代(サラダ等):2リアル(=731円)
・朝食代(パン):0.2リアル(=73円)
・宿代(4泊分):8,702円
合計:13,562円