アフリカ南部を陸路で大移動!
この日は、南アフリカのケープタウンからナミビアの首都ウィントフックへ、片道およそ23時間の長距離バス旅。
利用するのは、“アフリカで最もVIP”とも言われる長距離バス会社「インターケープ」。
快適な車内で雄大な景色を楽しみながら、のんびり移動…のはずだった。
ところが旅は、まさかの展開を迎える。
乗務員の一言。
「日本人はナミビアに入るのにビザが必要だよ」
えっ、えっ、今なんて!?
慌てて調べてみると、制度が今年4月に変更されていて、ほんとにビザが必要になっていた!!
すでにバスは国境目前。
パスポートしか持ってない私、このまま入国できるのか…!?
VIPバス「インターケープ」でケープタウンを出発!国境越えの長旅へ
今日は、南アフリカのケープタウンからナミビアの首都・ウィントフックまで、片道約23時間の長距離バス旅。
国境越えのルートを走るのは、“アフリカで最もVIP”と評判の長距離バス会社「インターケープ」。
チケットは事前に公式サイトで購入済み。
宿からバスターミナルまではUberで向かう。
Intercape bus stationの周辺は治安があまりよくないと聞いていたので、念のため警戒モード全開でタクシーを降りる。

ターミナルの入口を入ると、左手に待合室。


まずはインターケープのカウンターで、オンラインで予約しておいたバスチケットを紙のチケットに引き換える。


その後、待合室に戻って乗り場を確認すると、係員の方が「GATE12で待っていてね」と案内してくれた。
そのとき、もうひとつ重要な注意事項が。
「不審者が声をかけてきて、“バスのチケットを出すから”とATMに誘導することがあるけど、絶対についていっちゃダメだよ」
なんでも、係員のふりをして近づき、旅人をATMに連れていってカードや現金を奪う詐欺が多いらしい。
本物の係員から直接そう言われると、リアルに怖い。
幸い、私は誰にも声をかけられずにすんだけれど、ここを利用する人は注意してほしい。

出発の約45分前になると、GATEで受付がスタート。
ここで荷物の重さを量り、タグをもらって、バスの後ろに連結されたラゲッジトレーラーに荷物を積み込む。


いよいよバスに乗車!
2階建ての車体にはトイレも完備されていて、見た目からしてなかなか立派。
これなら長時間の移動も快適に過ごせそう。

座席にはフットレストとUSB充電ポートがついていて、ピッチも広め。
リクライニングも深く倒せて、くつろげる設計。

頭上のディスプレイでは映画が流れていて、Wi-Fiに接続すればラインナップの中から好きな作品を選んで観ることができる(インターネット接続は不可)。
思った以上に充実していて、これはもうバスというより“移動するリビング”って感じ。
トイレ使用に2ランド!?現金ゼロでまさかのピンチ発生

バスは、南アフリカの広大な自然を眺めながらのんびり走行。
出発から3時間ほど経った頃、最初のトイレ休憩地に停車した。

ところが、ここでまさかのトラブル発生。

トイレはまさかのチップ制で、2ランド硬貨を入れないとゲートが開かない仕組みだったのだ。
……が、私はというと、前日までに現金をすべて使い切ってしまっていて、1ランドも持っていない!
しかも運悪く、敷地内のATMも故障中でキャッシングもできない。
さらにさらに、なんとバスの車内トイレまで故障していて使用不可。
これは……まさかの野ションコース!?(T_T)
焦る私に声をかけてくれたのは、優しい乗客のおじさん。
彼も小銭は持っていなかったのに、なんとコーヒーを買ってお金をくずし、わざわざ私に2ランドを渡してくれたのだった。
そのおかげで、私はなんとか尊厳を守って無事にトイレへ……!
見知らぬ土地でのちょっとした親切が、本当に身に沁みる。
次からは、国境越えの日は少しでも現金を持っておこう――そう強く心に誓った。
国境目前で判明…日本人にビザが必要だなんて聞いてない!
バスは再び、雄大な自然の中をひた走る。
南アらしい広々とした大地と、どこまでも続く空。
まるで映画のワンシーンのような景色が、次々と車窓を流れていく。

夕方頃、国境手前の休憩地に到着。
ここで各自、夕食を買ったりトイレを済ませたりする時間が設けられる。
私も食事を買い込んでバスに戻ると、そこで乗務員から衝撃の一言が飛び出した。
「日本人は、ナミビアに入国するのにビザが必要だよ(・∀・)」
……えっ!?
なにそれ聞いてないんだけど!?と一気に血の気が引く私。
慌ててスマホで調べると、2025年4月1日からナミビアのビザ制度が変更され、日本人にもビザ取得が義務化されていたことが判明。
やばい。まじで知らなかった……。( ゚Д゚)
しかも、今いるのはすでに国境の町・Vioolsdrifのすぐ手前。
ここからオンラインでEビザを申請しても、もう間に合わない。
在ナミビア日本大使館の公式サイトによると、ナミビア入国時に必要な書類として、
- 往復航空券
- 旅行保険の証明書
- 宿泊先の予約バウチャー
- 銀行の残高証明書
……などが必要とのこと。
私が持っているのは宿泊予約のバウチャーだけ。ほかは一切なし。
ヤバすぎる。冷や汗止まらん。
しかも「入国管理官によって求められる書類や対応は異なるため、全ての書類を準備しておくことが望ましい」と書いてある。
つまり、“運が悪いと門前払いされる”可能性もあるってこと。
真夜中の国境で、たった一人バスから降ろされる未来がチラつく。
パスポートしか持ってないこの私、どうなる…!?(T_T)

そんな不安を抱えたまま、車窓から地平線に沈む夕日を眺めながら、買ってきたチキンとポテトをやけ食い。

気が動転していたせいで、食べる前に写真を撮るのをすっかり忘れていた。
かろうじて残っていた“食べかけのチキン”だけ写真におさめる。

あれこれ考えても仕方ない。もうなるようにしかならない!
覚悟を決めて、座席のリクライニングを限界まで倒して眠りにつく。
夜が更けるにつれ、車内は静まり、乗客たちはみんな深い眠りに落ちていった。
ドキドキの国境越え、パスポートしかない私は入国できるのか!?

夜22時ごろ、ついにバスは南アフリカ側の国境・イミグレーションに到着。
まずはここで出国手続き。
乗客は全員バスを降りて、パスポートチェックと荷物検査を受ける。
ところが、この荷物チェックが思った以上に時間がかかる。
外は真っ暗、しかもかなり冷え込んでいる。
手続きが終わってもすぐにはバスに戻れず、寒空の下でひたすら立ち尽くす時間が続く。
およそ1時間後、ようやくバスに乗り込み、次はいよいよナミビア側へ。
果たしてビザなしの私、無事に入国できるのか……?
続きは、次回のブログで!
5月30日:使ったお金
国境越えのバス代は明日の旅費に計上します。
この日の支出は前日までに現金を全て使い果たしたため、全てクレカ決済。
・水:14ランド(=119円)
・タクシー代(宿→バスターミナル):50ランド(=427円)
・夕食代(チキン等):40ランド(=345円)
合計:891円
これまでの旅費の合計
エジプト出国から南アフリカまでの旅費の合計は、112,102円でした。
・航空券(エジプト→南アフリカ):60,265円
・南アフリカでの滞在費(4泊):クレカ払い24,224円+キャッシング27,613円=51,837円
合計:112,102円
日本出国から南アフリカまでの旅費の総合計は、657,723円でした。