波の音と朝日を浴びながら始まった一日。
宿が無料で主催していたビーチヨガに参加して、自然の中で体と心を整える、清々しい朝のひととき。
雲ひとつない青空の下、テーブルマウンテンがくっきり姿を現していたので、迷わず観光に出発。
スーパーで寿司弁当を調達し、ケーブルカーに乗って山頂へ。
ケープタウンの街と海を一望する大パノラマを前にして食べる寿司は、ちょっとしたご褒美のような味がした。
午後はそのままシグナル・ヒルへ足をのばし、海に沈む夕日を眺める。
空の青からオレンジへのグラデーション、海と空の境目が溶けていくような景色に、ただただ見とれる。
ここが“アフリカの最南端”じゃないと知っていても、この先にあるのが南極だけだと思うと、感傷的にならずにはいられなかった。
日が沈んだ後に慌ててUberを呼び、無事に帰還。
夜は再び寿司弁当で〆る。
ヨガに始まり、絶景と寿司と夕日に癒された、完璧な一日だった。
朝のビーチヨガで心と体をリセット

朝食を済ませてから、宿のレセプションに集合。
この宿では毎日さまざまなアクティビティを開催していて、無料のものから有料ツアーまで幅広く揃っている。
今朝は、無料のビーチヨガに参加することに。
前夜に申し込んでおいた。
宿の車で向かったのは、Camps Bay Beachのすぐ隣にあるTidal Pool(海水を利用した人工プール)のあるビーチ。

目の前に広がる大西洋、波の音、澄んだ空気の中で始まったヨガ。
まずは1時間ほど、ビーチでさまざまなポーズに挑戦。

ヨガの最中には、鳥が乱入してきて、皆つい笑ってしまい集中が切れる場面も。
それもまた、旅先らしいハプニング。

自然に囲まれながら、海を眺めて朝日を浴びるヨガは、体も心もすーっと整っていく感じがした。

ヨガのあとは希望者だけが人工プールで冷水浴に挑戦できるのだが、今はケープタウンの冬。
水に足をつけた瞬間、あまりの冷たさにぶるぶる震えるほどだった。
それでもヨガメンバーたちは、水着に着替えて、腕を組んで次々と首まで浸かっていく。
私は足首まででギブアップ。
「みんなすごすぎる…!( ゚Д゚)」と、遠巻きに見守ることしかできなかった。

ヨガから帰宿後、隣のスーパーで買い出し。
テーブルマウンテンの山頂で食べる用に、お寿司弁当等をゲット。
南アフリカのスーパーには、意外にも種類豊富なお寿司が並んでいて、日本人旅人にはちょっと嬉しい発見だった。
雲ひとつないテーブルマウンテンで絶景ピクニック
雲ひとつない青空が広がり、今日はまさにテーブルマウンテン日和。
晴れていても山頂だけ雲がかかっていたり、風が強くてケーブルカーが止まっていたりする日もあるのだが、この日は山頂もくっきり見え、風も穏やか。
文句なしの天候に、迷わず観光に出発した。
実は明後日、宿が主催するテーブルマウンテンのトレッキングツアー(150ランド=1,222円)に申し込んでいたのだけど、予報では天気が崩れるとのこと。
もし行けなかったり景色が見えなかったら悔しすぎるので、結果的に2回登ることになるかもしれないけど、先に行っておくことにした。
結果的に、ツアーは悪天候で中止に。
だからこそ、この日に行っておいて本当に良かった。

Uberでテーブルマウンテンのケーブルカー乗り場へ向かい、現地でチケットを購入。
明日からの天気の崩れを見越してか、すでに観光客の長い列ができていて、乗車までに1時間20分待ち。

テーブルマウンテンの山頂までは、ケーブルカーでたった5分ほど。

中に入るとまず驚くのが、ゴンドラの床がゆっくり360度回転する仕組み。
どこに立っていても絶景が見渡せるようになっていて、刻々と変わる景色に目が離せない。

眼下に広がる風景に、乗っているだけでテンションが上がる。

山頂駅は、切り立った崖の上に建っており、まるで空中に浮かぶ要塞のような佇まい。

標高約1,000メートルの山頂には、展望デッキやカフェ、岩場を歩ける遊歩道が整備されていて、観光にも軽いハイキングにもぴったり。
空気はひんやりとしていて、心地よい風が吹き抜けていく。
テーブルマウンテンはその名の通り、山頂がテーブルのように平らな独特の地形。
2億年以上前に形成されたとされ、世界でも有数の“古い山”のひとつに数えられている。

山頂からはケープタウンの街並みと大西洋、ライオンズヘッド、そして沖合に浮かぶロビン島まで見渡せる。
このロビン島は、アパルトヘイト時代にネルソン・マンデラが長年収容されていた場所で、南アフリカの歴史を語るうえで欠かせない島だ。

晴れた日にはパラグライダーが空を舞い、青空の中を優雅に滑空する姿も見られる。

ベンチや岩場に腰を下ろせる場所も点在していて、私はここで朝に買った寿司弁当を広げてピクニック。
エビ&アボカドの寿司に、グリル野菜の弁当。
青く輝く海と街を眺めながら味わうランチは、旅の中でも格別だった。

足元には、どこからともなく現れた丸っこい動物。
モルモットのように見えるけれど、実は「ロックハイラックス(ローカル名:ダッシー)」という野生動物で、意外にもゾウの遠い親戚らしい。
人に慣れていて、観光客のそばでのんびり日向ぼっこしていた。

崖の縁に立てば、眼下に広がるのは延々と続く大西洋とその海岸線。
荒々しい断崖が波に削られてできたダイナミックな地形も、ここから一望できる。

その景色を背景に、旅の記念写真を一枚。
「ここが地の果てなんじゃないか」と錯覚しそうになるような、壮大な光景だった。
シグナル・ヒルで夕日を眺めながら一日を締めくくる
ケーブルカーで下山したのは15時過ぎ。
シグナル・ヒルの夕日は日没直前がベストだけど、宿に戻ってまた出直すより、今のうちに向かったほうが効率がいいと判断して、そのままUberで移動。

テーブルマウンテンの北西に位置する小高い丘、シグナル・ヒル(Signal Hill)。
ここは、海に沈む夕日を眺める絶景スポットとして、地元の人にも観光客にも人気の場所。
山頂の広場にはゆるやかな時間が流れていて、駐車場にはスナックを売る移動販売カーの姿も。


私もポテチを一袋買って、スナック片手に夕暮れを待つことにした。

丘の端では、パラグライダーが次々と空へと舞い上がっていく。
飛び立った瞬間、ふわっと空に溶け込んでいくようで、その姿に思わず見入ってしまう。

足元をちょこちょこと歩き回るのは、白い斑点模様のある鳥「ホロホロ(Guineafowl)」。
警戒心があまりなく、のんびりと人の近くを歩くその姿が、この丘ののどかな雰囲気をさらに引き立てていた。

背後には堂々と構えるテーブルマウンテン。
前方には大西洋が広がり、太陽はその水平線へとゆっくり近づいていく。
広場の奥に伸びる細い遊歩道を少し歩くと、人の姿がまばらになり、静けさが広がってくる。
石ころに腰を下ろして、何も考えずに、沈んでいく太陽をただ見つめる。

やがて空は青からオレンジへとゆっくり染まり、海と空の境目がぼんやりと滲んでいく。
“この先にはもう南極しかないんだ”と考えると、自分が遠い世界の果てに立っているような、不思議な感覚になった。
日が沈んだあとはすぐにUberを呼び、暗くなる前に無事帰還。
ケープタウンでは、日が暮れると治安が一気に不安定になるので、どんなに景色が名残惜しくても、夜の移動は慎重に。

夜宿に戻ったあとは、スーパーで買っておいたエビ&アボカドの寿司弁当で夕食。
寒さもあったので、あたたかいミートグラタンも追加。
ガリもわさびも付いていて、スーパーの寿司とはいえ侮れないクオリティ。
実はケープタウンでは寿司が大人気らしく、現地の人にもよく食べられているんだとか。
今日は天気にも恵まれ、朝はヨガ、昼は絶景、夕方は大西洋に沈む夕日を眺めた。
心も体も癒されて、文句なしの一日だった。
明日からは天気が崩れる予報で、喜望峰やボルダーズビーチの観光が少し心配だけど──
今日はもう、いい一日だった。
それで充分。
5月27日:使ったお金
夜のタクシーは利用者が集中するため、料金がぐっと上がる。
ケーブルカーなど観光にはお金がかかったけれど、食事はスーパーで買った寿司弁当で節約。
観光に全力、食はコスパ重視の一日。
・昼食代(寿司等):75ランド(=610円)
・タクシー代(宿→テーブルマウンテン):110ランド(=923円)
・ケーブルカー往復乗車券:490ランド(=3,989円)
・水:29ランド(=236円)
・タクシー代(テーブルマウンテン→シグナル・ヒル):81ランド(=681円)
・スナック:10ランド(=81円)
・タクシー代(シグナル・ヒル→宿):180ランド(=1,465円)
・夕食代(寿司等):120ランド(=976円)
合計:8,961円