世界一周のお金の持ち方|海外キャッシング・カード・外貨現金を徹底解説

旅の準備

世界一周するなら、お金ってどうやって持っていけばいいんだろう?

これから世界一周をする人の中には、お金の持ち方について悩んでいる人も多いのではないだろうか。

現地通貨はどうやって調達するのがいいのか、USドルなどの外貨現金はいくら持っていけばいいのか、カードは何枚必要なのか。

私も出発前にいろいろ調べ、カードの特徴や手数料を比較しながら、自分なりのお金の持ち方を考えて準備した。

実際の旅では、現地での支払いは現金をメインにし、必要な現地通貨はクレジットカードの海外キャッシングで調達。

カード決済には主にデビットカードを使い、USドルなどの外貨現金は予備として持っていった。

この記事では、31カ国349日の世界一周で実際に使った、お金の持ち方や現地通貨をお得に調達する方法を紹介する。

※この記事のカード情報や手数料は、2026年9月時点の情報です。カードのサービス内容や手数料は変更されることがあるため、最新情報は各カード会社の公式サイトで確認してください。

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現地での支払いは「カード」より「現金」を中心にした

海外では、クレジットカードが使える場所も多い。

それでも世界一周中は、カードが使える場所でも、あえて現金で支払うことが多かった。

その理由のひとつが、クレジットカードの海外事務手数料。

海外事務手数料とは、海外でクレジットカードを使って外貨で支払ったときに、カード会社から請求される手数料のこと。

手数料率はカードによって異なるけれど、私が持っていたクレジットカードでは、2026年9月現在、海外事務手数料が3.63~3.85%ほどかかる。

以前は2.2%だったカードもあったのに、世界一周中に手数料が引き上げられた。

たとえば1万円分のカード決済をすると、海外事務手数料だけで363~385円。

1回だけならそれほど大きく感じないけれど、旅行中は食事や買い物などで何度もカードを使う。

毎日のように使っていると、この差額も少しずつ積み重なっていく。

もうひとつ、私が現地でのカード決済を控えていた理由が、カード情報を使う機会をできるだけ増やしたくなかったから。

海外では、利用した店やサービスからカード情報が漏れたり、不正利用されたりする可能性もある。

実際、私自身も世界一周中にカードの不正利用を経験した。

そのため、現地での食事や買い物、観光費用などはできるだけ現金で支払い、カード決済はバスや鉄道、ホテル、航空券などをネットで予約するときの利用を中心にしていた。

では、その現金をどうやって用意していたのか。

そこで活躍したのが、クレジットカードの「海外キャッシング」だった。

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現地で使う現金は「海外キャッシング」で調達

海外キャッシングとは、海外のATMでクレジットカードを使って現地通貨を引き出す方法。

必要になったタイミングでATMから現地通貨を引き出し、その国での支払いに使っていた。

たとえば、

  • エジプトならエジプトポンド
  • 南アフリカならランド
  • ペルーならソル

というように、その国で必要な通貨をその都度調達する。

ただし、海外キャッシングには利息がかかる。

そのため、単純に「キャッシングならお得」というわけではない。

私の場合は、

・海外ATM手数料が無料のカードを選ぶ
・キャッシング後に早期返済する
・利息がかかる期間をできるだけ短くする

という使い方をしていた。

こうすることで、手数料などを含めた最終的な負担が、クレジットカードでそのまま決済するより安くなるケースが多かった。

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海外キャッシングにはどんな費用がかかる?

海外ATMで現地通貨を引き出すと、為替レートによる換算に加えて、ATM利用手数料や利息などがかかり、日本円で請求される。

① 海外ATM利用手数料

まず、カードによっては、海外ATMを利用する際に手数料がかかる。

たとえば、1万円以下の引き出しで110円、1万円を超えると220円というカードもあれば、無料のカードもある。

また、これとは別に、ATMを設置している銀行や事業者が「ATMオーナー手数料」を設定している場合もある。

ATMオーナー手数料については、後の章で詳しく解説する。

② 為替レートによる換算

次に、引き出した現地通貨が日本円に換算される。

換算には、国際ブランド(Visa、Mastercard、American Expressなど)が定める基準レートが使われる。

③ キャッシングの利息

そして、海外キャッシングで忘れてはいけないのが利息。

キャッシングは、クレジットカードを使ってお金を借りる仕組みなので、返済までの日数に応じて利息が発生する。

一般的なキャッシング金利は実質年率18.0%。

たとえば5万円を30日間借りた場合、

5万円 × 18.0% ÷ 365日 × 30日 = 約740円

となる。

ただし、これは30日間借りた場合。

早期返済に対応しているカードなら、キャッシングから返済までの期間を短くすることで、利息も抑えられる。

世界一周中に実際に使った海外キャッシング用カード

海外キャッシング用のカードを選ぶとき、私が特に重視したのが「海外ATM手数料が無料+お金をかけずに簡単に早期返済ができること」という点だった。

ここからは、私が世界一周中に実際に使っていた海外キャッシング用カードを紹介する。

メインはセディナのホークスfanカード

これまでの海外旅行では、セディナのホークスfanカードを海外キャッシング用として使っていた。

海外ATM手数料が無料で、キャッシング後の早期返済もペイジーでできる。

ペイジーなら銀行振込ではないので、振込手数料を気にする必要もない。

スマホから手続きして返済できるため、海外旅行中でもとても使いやすいカードだった。

今回の世界一周でも、このカードをメインのキャッシング用カードとして使っていた。

ところが、ナミビアで不正利用が発生

ところが、2025年6月のナミビア旅行中、このカードで少額の不正利用が発生した。

金額は少なかったものの、安全のためすぐにカードを停止。

問題は、このホークスfanカードがすでに新規募集を停止していたこと。

そのため、カードを停止すると再発行することができなかった。

長年、海外旅行のキャッシング用として使ってきたカードだったので、これはかなり悲しかった。

とはいえ、クレジットカードを複数枚持っていたおかげで、旅行そのものが立ち行かなくなることはなかった。

代わりにDilightジャックスカードを利用

そこで、ホークスfanカードの代わりに使い始めたのが、Dilightジャックスカード。

こちらも海外ATM手数料が無料で、早期返済に対応している。

ただし、返済方法はホークスfanカードとは少し違う。

ウェブから早期返済を申し込むと、返済金額と振込先がメールで届く。

あとは、その口座にネット銀行から振り込むだけ。

ホークスfanカードのペイジー返済に比べると、ひと手間かかる。

それでも、海外からネットだけで手続きできるので、長期旅行中でも使いやすかった。

ネット銀行の「振込手数料無料」も活用

Dilightジャックスカードの早期返済では、銀行振込を利用する。

そこで役立ったのが、普段から使っていたネット銀行だった。

海外にいてもネットから振込ができるので、旅先から早期返済を行っていた。

私は楽天銀行とソニー銀行の2つを使っていて、2026年9月現在、

  • 楽天銀行:月4回まで振込手数料無料(預金残高などの条件によって無料回数が異なる)
  • ソニー銀行:月2回まで振込手数料無料

となっている。

合わせて月6回まで無料で振り込めるため、その範囲に収まるように早期返済していた。

ちなみに、楽天銀行のキャッシュカードは持っていかず、口座だけを海外から利用していた。

手持ちのクレカ5枚を海外キャッシング用に比較

ここからは、現在私が持っているクレジットカードの中で、海外キャッシングの使いやすさを比較してみる。

海外旅行では、カードを複数枚持つだけでなく、国際ブランドも分散しておくと安心。

私はVisa、Mastercard、American Expressの3ブランドを持っていた。

カード国際ブランド海外ATM手数料早期返済
DilightジャックスカードMastercard無料Web申込み → 指定口座へ振込
ジャックスカードシルバー
(旧ジャックス横浜カード)
Mastercard無料Web申込み → 指定口座へ振込
エポスゴールドカードVISA110~220円Web申込み → ペイジー支払い
楽天プレミアムカードVISA110~220円チャット申込み → 指定口座へ振込
セゾンゴールドアメックスAMEX110~220円Web申込み → 指定口座へ振込

使いやすさで見ると、ジャックスの2枚が特に使いやすく、その次がエポスゴールドカード。

その後に楽天プレミアムカードとセゾンゴールドアメックスが続く。

ジャックスの2枚は、海外ATM手数料が無料で、早期返済もネットから申し込める。

次に使いやすいのがエポスゴールドカード。

海外ATM手数料はかかるものの、ペイジーで早期返済できるのがメリット。

銀行振込ではないので、振込手数料を気にしなくていい。

その次が楽天プレミアムカードとセゾンゴールドアメックス。

この2枚は海外ATM手数料がかかるうえ、早期返済には銀行振込が必要なので、キャッシング用としての使いやすさはジャックスやエポスより下がる。

ちなみに、ジャックスカードシルバーは、世界一周前から持っていたジャックス横浜カードが終了し、切り替わったカード。

世界一周には、この表の5枚のうち、ジャックス横浜カード以外の4枚を持っていった。

Dilightジャックスカードを持っていたので、ジャックス横浜カードは必要ないと思い、自宅に置いていった。

ところが、旅の途中でホークスfanカードが使えなくなった。

Dilightジャックスカードがあったので困らなかったが、今思えば、ジャックス横浜カードも予備として持っていけばよかったと思う。

海外ATMを使うときの注意点

海外キャッシングは、必要なときに現地通貨を調達できて便利だった。

ただ、海外のATMを利用するときは、手数料以外にもいくつか注意しておきたいことがある。

ここからは、私自身が海外旅行でATMを利用する中で意識している、特に注意したいポイントを紹介する。

「Conversion」が表示されたら、現地通貨を選ぶ

海外ATMでは、「Conversion」という表示が出ることがある。

これは、ATM側で日本円に換算するか、現地通貨のまま処理するかを選ぶ画面。

ここでは必ず、現地通貨のまま処理する「Without Conversion(換算せずに続ける)」ほうを選ぶ。

「DCC(Dynamic Currency Conversion)」と呼ばれる仕組みで、日本円への換算を選ぶと、ATM側が設定した為替レートが適用される。

多くの場合、カード会社のレートよりかなり不利なレートが設定されるため、せっかく海外キャッシングで手数料を抑えても、ここで大きく損をすることがある。

ATMの表示意味選択
Without Conversion換算せずに続ける◎ こちら
Continue without Conversion換算せずに続ける◎ こちら
Decline Conversion換算を拒否する◎ こちら
With Conversion換算して続ける× 選ばない
Accept Conversion換算を受け入れる× 選ばない

表示内容がよくわからない場合は、無理に進めず、取引をキャンセルするのもひとつの方法。

ATMはできるだけ安全な場所を選ぶ

海外ATMは、できるだけ安心して利用できる場所を選びたい。

私は、銀行の建物内や空港、ショッピングモールなど、管理されている場所にあるATMを利用していた。

特に、警備員がいる場所は比較的安全だと感じるので、なるべくそうした場所を選んでいた。

道端やガソリンスタンドなどにぽつんと設置されているATMよりも、人の目がある場所のほうが安心。

もちろん、銀行内や警備員がいる場所だから絶対に安全というわけではないので、利用するときは周囲の状況も確認していた。

スキミングの機械がないか確認する

ATMを使う前に、カード挿入口やキーパッドに不自然なものが付いていないか確認する。

不自然な出っ張りや後付けされたような部品があれば、スキミング装置の可能性があるので、そのATMは使わない。

周囲に不審なカメラやデバイスがないかも確認し、少しでも怪しいと感じたATMは避けるようにしていた。

暗証番号は手で隠して入力する

ATMで暗証番号を入力するときは、必ず手でキーパッドを隠す。

周囲に人がいる場合はもちろん、隠しカメラなどから見られる可能性もあるので、毎回意識していた。

カード・現金の取り忘れに注意

海外のATMでは、一定時間カードを抜かないと、カードがATMに吸い込まれてしまうことがある。

現金を受け取って安心して、カードを取り忘れないように注意したい。

カードが出てきたら、すぐに抜き取る。

取引が終わったら、カードと現金をすぐにバッグへしまい、レシートも念のため保管しておく。

カードと現金をしまったら、ATMの前に長居せず、その場を離れる。

ATMオーナー手数料に注意

海外ATMでは、カード会社の手数料とは別に、ATMを設置している銀行や事業者が「ATMオーナー手数料」を設定していることがある。

ATMオーナー手数料は国やATMによって大きく異なり、無料のATMもあれば、1回数ドルの手数料がかかるところもある。

2026年の海外ATM調査では、旅行者が支払う手数料として最も一般的だったのは5.87米ドルだった。

出典:ATM Fee Saver「Travel ATM Fee Index 2026」

特にデビットカードでは、この手数料がそのまま請求されるケースが多い。

そのため、私は海外ATMで現金を引き出すときに、デビットカードは使わないようにしていた。

一方、クレジットカードの海外キャッシングでは、ATMの画面に手数料が表示されても、実際の請求には反映されないケースが多い。

なぜクレジットカードでは請求されないことが多いのか。

その背景のひとつが、クレジットカードのキャッシングに適用される利息制限法だ。

利息制限法では、キャッシングにかかる利息に上限が定められている。

そのため、カード会社がキャッシングに高額な手数料を上乗せすることは難しい。

実際、私の場合は、海外ATMでは手数料が表示されることがほとんどだったが、クレジットカードでキャッシングすると、実際の請求には反映されないことが多かった。

ただし、ATMやカードによっては手数料が請求される場合もあるので、必ず無料になるとは限らない。

海外ATMを利用するときは、

  1. できるだけ現地の主要銀行ATMを選ぶ
  2. ATM画面に表示される手数料を確認し、高ければキャンセルして別のATMを探す
  3. 独立系ATM(Euronetなど)は高額な手数料が設定されていることがあるため、できるだけ避ける

この3つを意識しておくと安心だ。

現地でのカード決済は主にデビットカード

世界一周には、クレジットカード4枚に加えて、ソニー銀行のVisaデビットカード「Sony Bank WALLET」も持っていった。

カード決済が必要な場面では、手数料を抑えられるこのカードを主に利用していた。

ただし、不正利用が心配な場所ではクレジットカードを使うなど、利用する場所によって使い分けていた。

クレカより手数料がお得なSony Bank WALLET

Sony Bank WALLETは、ソニー銀行のキャッシュカードにVisaデビット機能が付いたカード。

海外のVisa加盟店で利用でき、外貨口座を利用することで、海外でのカード決済にかかる手数料を抑えられるのが特徴だ。

対象10通貨の外貨口座を開設し、一定の条件を満たせば、海外事務手数料が0円になる。

対象通貨は、米ドル、ユーロ、英ポンド、豪ドル、NZドル、カナダドル、スイスフラン、香港ドル、南アランド、スウェーデンクローナ。

私は外貨をあらかじめ用意しておくのではなく、円口座に日本円を入れて使っていた。

「円からアシスト」という機能があり、外貨口座の残高が足りない場合は、不足分が円口座から自動的に充当される。

そのため、海外でカードを使うたびに、必要な分だけ円から外貨に自動で両替される。

外貨預金は預金保険制度(ペイオフ)の対象外なので、私は外貨を持ったままにせず、円で資金を管理していた。

また、対象10通貨以外の通貨で利用した場合でも、海外利用時の事務処理経費は1.79%。

私が持っているクレジットカードの海外事務手数料は3.63~3.85%ほどなので、対象10通貨はもちろん、対象外の通貨でもSony Bank WALLETのほうが手数料を抑えられる。

そのため、海外でカード決済するときは、Sony Bank WALLETを積極的に利用していた。

特に、航空券やホテル、バス・鉄道のチケット、観光チケット、ビザ代、配車アプリの運賃など、公式サイトや公式アプリからネットで支払う場面でよく使った。

なお、海外でカード決済するときに「現地通貨」か「日本円」かを選べる場合は、キャッシングのときと同じように「現地通貨」を選ぶようにしていた。

日本円を選ぶと、店舗側が独自の為替レートで換算する「DCC(ダイナミック・カレンシー・コンバージョン)」が適用されることがある。

DCCについては前の章で詳しく説明しているので、ここでは省略する。

使う場所を選んでカードを使い分ける

Sony Bank WALLETは海外決済の手数料を抑えられるメリットが大きく、できれば旅行中に不正利用などでカードを停止する事態は避けたかった。

そのため、信頼できるお店や、公式サイトだと確認できたネット決済など、安心して使える場所に限定していた。

反対に、少しでも不安を感じる場所ではクレジットカードを使っていた。

クレジットカードなら、万が一不正利用されても補償の対象になれば、銀行口座から直接お金が出ていくわけではないので安心感がある。

また、不正利用に備えて、Sony Bank WALLETに紐づくソニー銀行には必要以上のお金を入れず、普段の資金は楽天銀行に多めに置いていた。

カードの利用履歴を一元管理する

不正利用に早く気づけるように、持っているカードはすべて家計簿アプリ「マネーフォワード」に連携していた。

すべてのカードの利用履歴を一元管理し、毎日まとめて確認していた。

実際に、2025年6月のナミビア旅行中には、クレジットカードの少額の不正利用にすぐ気づくことができた。

すぐにカードを停止したため、大きな被害にはならなかった。

海外旅行では、不正利用を完全に防ぐのは難しい。

だからこそ、万が一に備えて、利用履歴を確認しやすい状態にしておくことも大切だと思う。

ネット決済では通信環境にも注意

ネットでカード決済をするときは、偽サイトではないかを確認するだけでなく、通信環境にも気をつけていた。

公共Wi-Fiでは決済せず、基本的には現地で購入した物理SIMやeSIMのモバイル回線を使っていた。

どうしてもWi-Fiを使う必要がある場合は、宿のWi-Fiに接続したうえでNordVPNを利用していた。

SMS認証が必要な決済に注意

クレジットカードやデビットカードによっては、ネット決済の際にSMSによる2段階認証が必要になることがある。

楽天モバイルなど、海外でのSMS受信が国によって制限される通信サービスでは、渡航先によって認証コードが届かず、決済できないこともある。

そのため、渡航前にカードの2段階認証が「SMS」なのか「メール」なのか確認しておきたい。

世界一周のように辺鄙な国をたくさんまわるなら、auのサブブランドであるpovoがおすすめだ。

海外ローミングに対応しており、200以上の国・地域でSMSを利用できる。

基本料は0円で、半年に1回、最も安い250円のトッピングを購入して電話番号を維持するという使い方もできる。

私も世界一周の途中でpovoを契約し、SMS認証用として利用していた。

キャッシングにはデビットカードを使わなかった

デビットカードでも、海外ATMから現地通貨を引き出すことができる。

ただ、前の章で説明したように、デビットカードではATMオーナー手数料がかかる場合が多いため、私はデビットカードで現金を引き出すことはしなかった。

また、Sony Bank WALLETでは、海外ATM利用時に1.79%の事務処理経費がかかり、対象10通貨以外ではさらに220円の海外ATM利用料がかかる。

一方、私は海外ATM手数料が無料のクレジットカードでキャッシングし、早期返済で利息も抑えていた。

そのため、現金の調達にはデビットカードよりクレジットカードの海外キャッシングを利用していた。

緊急時用にUSドル等の外貨現金も持っていった

世界一周では、カード決済やキャッシングだけに頼らず、USドルなどの外貨現金も用意しておくと安心。

国によっては、USドルでの支払いを求められたり、ドル現金を持っていることで有利に両替できたりするためだ。

実際に持っていった外貨と、使った場面

海外では、

・ATMが見つからない、故障している
・カードが使えない
・カードを盗難・紛失する
・国境付近などで現金が必要になる

など、予定どおりにいかないことがある。

また、国によっては、現地通貨があるにもかかわらず、USドルでの支払いを求められることもある。

アフリカのサファリツアー代など、USドルでの現金払いが前提になっているものもある。

一方、アルゼンチンやボリビアなどでは、自国通貨の価値が大きく下がっているため、USドル現金を欲しがる人も多い。

現地通貨への両替で有利なレートになることがあるほか、宿代などをUSドルのまま支払える場合もあり、ドルをそのまま使えることもあった。

そのため、持っていく外貨や金額は、行く国や旅の内容によって考えるのがおすすめ。

私の場合、9月に6日間ほど日本へ一時帰国したため、旅は前半(4月〜9月)と後半(10月〜3月)に分かれた。

前半は、USドル1,000ドルと55ユーロを持参。

USドルは1ドル札から100ドル札まで、さまざまな額面を用意した。

ATMがすぐに見つからないときや、USドルがそのまま使える場所、アフリカのサファリ代、ビザ代などに使った。

後半はネパールでトレッキングをするため、まとまった現金が必要になった。

キャッシングだけで用意するのは不安だったため、日本でUSドルを多めに用意し、ネパールでネパールルピーに両替して使った。

持参した現金のうち約600ドルは、その後の南米旅行でも使えるよう手元に残した。

南米では、ウユニ塩湖の現地ツアー代やアヤワスカセレモニー代などに使った。

後半はユーロが必要な国に行かなかったため、ユーロは日本に置いていった。

このように、必要な現金の量や種類は、行く国や旅の内容によってかなり変わる。

大量に持ち歩く必要はないが、USドルなどの外貨現金をある程度用意しておくと、長期旅行では何かと安心だと思う。

ここからは、実際に私が旅をした中で、外貨現金が必要だった国や、持っていれば便利だった国を紹介していく。

サファリではUSドル現金が必要なことも

アフリカのサファリツアーでは、ツアー会社によって支払い方法が異なる。

カードが使える場合もあるが、USドル現金での支払いを求められることもあるため、予約前に確認しておくと安心だ。

私が最初にサファリツアーに参加したのはタンザニア。

宿のオーナーにサファリの手配をお願いし、567ドルのツアーを予約した。

支払い方法は、米ドル・タンザニアシリング・クレジットカードの3択だった。

ドル現金で支払うのが一番お得だったが、この後はケニアでもサファリに参加する予定で、そちらではUSドル現金が必要だとわかっていたため、手持ちのドルはできるだけ温存したかった。

また、タンザニアシリングを大量にキャッシングして持ち歩くのも不安だったため、今回はカード払いを選択した。

カード手数料3%が上乗せされ、最終的な支払額は584ドル(81,882円)になった。

結果的には、ドルを温存するために、少し割高なカード払いを選んだ形になった。

その後、ケニアでもサファリツアーに参加。

こちらはツアー代600ドルをUSドル現金で支払う必要があり、日本から持ってきたドルをここで投入した。

タンザニアやケニアでは、ATMでキャッシングしても基本的に現地通貨しか引き出せず、USドルを引き出せるATMは限られている。

実際、ケニアのサファリツアーでは、USドルを持っていない人も多かった。

幸い、ナイロビでは集合場所の近くにUSドルを引き出せるATMがあり、ツアー代を用意するため、そこまでキャッシングに出かける人もいた。

たまたまドルを引き出せるATMが近くにあったからよかったものの、どこでも簡単に調達できるわけではない。

特にタンザニアのアルーシャなどでは、ドルを引き出せるATMを見つけるのは難しいかもしれない。

アフリカでサファリツアーに参加する場合は、料金だけでなく支払い方法も事前に確認し、USドル現金が必要なら日本から用意しておくと安心だと思う。

ボリビアではUSドル現金が役に立った

ボリビアでは自国通貨の価値が大きく下がっているため、USドルの需要が高い。

店によってはドルをそのまま支払いに使えたり、現地通貨への両替で有利なレートになったりする。

私が訪れた2025年12月ごろは、USドルの公定レートが1ドル=約6.9ボリビアーノだったのに対し、いわゆる「ブルーレート」と呼ばれる実勢レートでは1ドル=約9.6ボリビアーノ前後だった。

ブルーレートとは、公式レートとは別に、実際の市場で取引されているレートのこと。

そのため、ATMでキャッシングしたりカード決済したりするより、ドル現金を持っていたほうが有利だった。

ただ、私が持っていたドルだけでは足りなかったため、手前のペルーでペルー・ソルをクレジットカードでキャッシングし、USドルに両替してからボリビアへ入った。

ペルーではソルからドルへの両替レートもかなり良かったため、「ソルをキャッシング→ドルに両替→ボリビアでボリビアーノに両替」という、ちょっとした「錬金術」ができた(*´Д`*)

実際に、ペルーでは合計2,523ソルを750ドルに両替。

2,523ソルをキャッシングするのに使った日本円は118,212円で、1ドルあたり157.61円だった。

2025年12月当時の為替レートが157.65円だったので、ほぼ為替レートそのままでドルを用意できたことになる。

そのドルをボリビアでボリビアーノに両替することで、公定レートよりかなり有利なブルーレートを利用することができた。

両替はラパスで行ったほうがレートが良く、サンフランシスコ教会前の大通りを挟んだ向かい側、薬局「FARMANDRUG」周辺の路上にいる闇両替のおばちゃんに話しかければ、かなり良いレートでドルをボリビアーノに替えることができた。

サンフランシスコ教会前の大通りにいる闇両替おばちゃん

ただし、ボリビアでは偽札も出回っているため、現金を受け取る際は紙幣を1枚ずつ確認したほうがいい。

偽札の見分け方については、在ボリビア日本国大使館のサイトでも紹介されているので、両替前に確認しておくと安心だ。

在ボリビア日本国大使館|偽造紙幣に関する注意喚起

このように、ボリビアのようにUSドルの需要が高く、公定レートと実勢レートに大きな差がある国では、ドル現金を持っていることが旅費を抑えることにもつながった。

アルゼンチンでは現金事情が少し複雑

アルゼンチンも、USドル現金を持っていると何かと便利な国のひとつ。

一方で、事前に得られる情報が少なく、現地で少し苦労した。

キャッシングがほとんどできず、カード決済が中心になったが、ドル現金をもう少し持っていれば、宿代などをドルで支払えて便利だったと思う。

アルゼンチンは為替や現金事情が少し複雑なので、ここでは私が実際に旅してわかったお金事情をまとめておく。

ブルーレートはどうなった?

少し前までのアルゼンチンでは、ペソの大幅な下落によって物価が安く、「世界一お得に旅できる国」と言われることもあった。

外国人旅行者が海外発行のクレジットカードを使うと、公式レートではなく、ブルーレートに近いMEPレートが適用される仕組みもあり、カード払いでもかなりお得に旅行できた時期がある。

ところが、2025年以降は為替の差が縮まり、以前ほどのお得感はなくなっていた。

一方で、インフレによって物価は上昇している。

私が訪れた2025〜2026年には、以前のような「激安」という状況ではなくなっていた。

私自身も「まだブルーレートでお得なのかな?」と少し期待していたけれど、実際には思っていたほど安くなく、クレジットカードの明細を見て軽く撃沈した。

現金(ペソ)の入手が大変

アルゼンチンで特に困ったのが、現地通貨ペソの入手。

ATMは街中にたくさんあるものの、外国発行カードでは「取引不可」や「カードエラー」になることも多い。

さらにATM自体が現金切れになっていることもあり、特にパタゴニアでは、何軒回っても現金を引き出せないこともあった。

運よく引き出せても、私の場合は1回3万ペソ(約3,250円)が限界だった。

さらに、ATM画面には高額なATMオーナー手数料が表示されることも。

3万ペソを引き出す際に、手数料として「16,481ペソ(約1,785円)」と表示されたときは、さすがに本気でキレそうになった(‘A`)

ただし、私が利用した「Bank of the Argentine Nation」と「Banco Santa Cruz」のATMでは、この手数料が表示されたものの、実際の請求では手数料はかからなかった。(利用カードはDelight JACCS CARD)

とはいえ、すべてのATMやカードで同じとは限らないので注意が必要。

ATMオーナー手数料については前の章で詳しく説明しているので、こちらも参考にしてほしい。

キャッシングはカード決済よりお得だった

私の場合、現金を引き出せるなら、キャッシングのほうがカード決済よりお得だった。

3万ペソを引き出したときは、1ペソ約0.112円。

外国人旅行者向けのカード決済に適用されるMEPレートの約0.121円よりも有利だった。

ただし、1回に引き出せる金額が少ないため、最初は必要な分だけ少しずつ引き出していた。

その後、高額なATMオーナー手数料が画面に表示されても、実際には請求されないことがわかったため、旅の後半には1日に30,000ペソを5回、合計150,000ペソまでまとめて引き出すようになった。

これなら、大きな支払いも現金で済ませることができた。

やっぱりUSドル現金があると便利

こうした事情を考えると、アルゼンチンではUSドル現金を持っているとかなり楽だったと思う。

ホテルやレストラン、ツアー会社などでドル払いができる場合が多く、ペソへの両替でも良いレートになることがある。

特に、キャッシングがほとんどできなかった場面では、ドル現金をもう少し持っていれば、宿代などの支払いにも使えて便利だった。

ただし、宿泊費は必ずしもドル払いが一番お得とは限らない。

アルゼンチンでは、外国人旅行者が海外発行のクレジットカードで宿泊費を支払う場合、条件を満たせばVAT(約21%)が免除される。

そのため、VAT免除の対象となるホテルなら、クレカ払いのほうが安くなる。

一方、VAT免除の対象にならないホテルでは、支払い金額自体はどの方法でも変わらない。

ただ、クレジットカードには決済手数料がかかるため、USドル現金を持っていれば、ドル払いのほうが安く済む場合もある。

私はドル現金が十分になかったため、宿泊費はすべてクレカで支払った。

ドルをもう少し持っていれば、ホテルごとに支払い方法を選べたと思う。

アルゼンチンは為替や物価、ATM事情が変わりやすいため、旅行前に最新情報を確認し、USドル現金・キャッシング・カード決済を状況に応じて使い分けるのがおすすめだ。

海外発の便利なデジタル金融サービス

ここまでは、日本のクレジットカードやデビットカード、外貨現金について紹介してきた。

最後に、Wise、PayPal、Western Unionなど、海外発のデジタル金融サービスについて紹介する。

私はそれぞれアカウントを作っておき、実際に使ったものもあれば、結局使わなかったものもあった。

海外利用に人気のWiseやRevolut

海外旅行用のデビットカードとしては、海外企業が提供するWiseやRevolutも人気がある。

実際に、世界一周をしている旅人でも使っている人が多かった。

WiseとRevolutは、どちらもイギリス発のデジタル金融サービスで、海外送金や外貨の両替、カード決済などに対応している。

専用のデビットカードを発行でき、複数の通貨を管理できるのも特徴。

海外での決済手数料を抑えやすいのもメリットだ。

私はどちらかを作ろうかと考えたけれど、1年間の世界一周で使うカードを選ぶにあたって、手数料だけでなく、トラブル時の安心感も重視した。

WiseやRevolutにも資金を保護する仕組みはあるが、私は国内の銀行であるSony Bank WALLETのほうが、資金管理やトラブル時の対応、サポート体制まで含めて安心して使えると感じた。

そのため、新たにWiseやRevolutを作ることはせず、すでに持っていたSony Bank WALLETを海外でのカード決済用として使うことにした。

現金が必要なときはクレジットカードでキャッシングし、カード決済はSony Bank WALLETをメインにするという使い分けだ。

とはいえ、クレジットカードを作りにくい学生などにとっては、WiseやRevolutも便利な選択肢だと思う。

それぞれ仕組みや手数料が違うので、自分に合っているかを調べたうえで使ってみるといいと思う。

Wiseは海外送金や外貨の受け取りにも便利

とはいえ、Wiseをまったく使わなかったわけではない。

私は海外送金や外貨の受け取り用として、出発前にWiseのアカウントを開設し、デジタルカードも発行していた。

物理的なデビットカードは発行手数料1,200円がかかるが、デジタルカードなら無料で発行できる。

Apple Payにも登録できるので、スマホでの支払いにも使えて便利だ。

Wiseを選んだ理由のひとつは、同じく海外利用で人気のRevolutと比較したとき、私が調べた限りでは、トラブル時の対応やサポート面でWiseのほうが安心できそうだと感じたから。

一般的な銀行の海外送金と比べて、手数料や為替レートがわかりやすいのもWiseのメリット。

今回の世界一周では、宿泊予約サイト「Agoda」で宿のトラブルがあり、Wise経由で宿泊料の返金を受け取った。

PayPalは「指定されることもある」ので持っておく

PayPalは、アメリカ発のオンライン決済サービス。

クレジットカードや銀行口座などを登録しておけば、支払い先にカード情報を直接伝えずに決済できる。

今回の世界一周では、ペルーのアヤワスカセレモニーの一時金をPayPalで事前に支払うよう指定されていたため、その1回だけ利用した。

海外送金のコストだけを考えると、私の場合はPayPalよりWiseのほうが使いやすいと感じる。

ただ、支払い先からPayPalを指定されることもあるので、いざというときのためにアカウントだけでも作っておくと便利だと思う。

Western Unionは最後の手段として準備

Western Unionは、アメリカ発の海外送金サービス。

日本から海外へ送金し、現地の取扱店で現地通貨の現金を受け取ることができる。

私はアカウントを作っていたものの、今回の世界一周では結局利用しなかった。

ただ、アルゼンチンのパタゴニアでATMから現金を引き出せず困ったとき、エル・カラファテとエル・チャルテンのWestern Unionでお金を受け取ろうとしたことがある。

ところが、ここでも現金不足で受け取ることができなかった。

ATMだけでなく、Western Unionでも現金が不足していることがあるとは思わず、アルゼンチンの現金事情の厳しさを実感した。

今回の世界一周では、WiseとPayPalは実際に利用し、Western Unionは使わなかった。

それでも、長期旅行では何が起こるかわからないので、こうしたサービスをあらかじめ準備しておけば、いざというときの選択肢になると思う。

31カ国349日旅してわかった、お金の持ち方

世界一周のお金の管理は、現金とカードを用意するだけでなく、手数料や使い勝手、安全性まで考えて準備することが大切だった。

1年間の長期旅行では、数%の手数料でも積み重なると大きな金額になる。

そのため私は、海外キャッシングの手数料や利息、早期返済の方法まで調べ、カード決済でも海外事務手数料を比較するなど、できるだけコストを抑えられる方法を選んでいた。

ただ、カードの手数料は旅の途中でも変わった。

長期旅行では、出発前に調べて終わりではなく、旅をしながら最新情報を確認していくことも必要だと感じた。

そして、手数料を抑えることと同じくらい、万が一に備えておくことも大切だった。

実際に私も、キャッシングのメインで使っていたカードが不正利用で使えなくなった。

カードが使えなくなったり、ATMが使えなかったりする場合も考えて、予備のカードや外貨現金など、いざというときの手段をいくつか用意しておく。

1年間の世界一周では、「できるだけ安く」することだけでなく、「何があっても困らない」ように、いろいろなケースを想定して準備しておくことが大切だと思う。

実際に訪れた31カ国の旅は、「世界一周まとめ」からご覧ください👇️