海外旅行に行くとき、できるだけ保険料は抑えたいけれど、万が一の病気やケガに備えて、補償もしっかり確保しておきたい。
特に海外では、日本では考えにくいような高額な医療費がかかることもあるため、短期旅行でも十分な補償を備えておくことが大切だ。
そこで、保険料を抑える方法のひとつとして活用したいのが、クレジットカードに付帯している海外旅行保険だ。
カードによっては、治療費や救援者費用などが補償されるだけでなく、複数のカードを組み合わせることで補償額を増やすこともできる。
この記事では、短期旅行でどのくらいの補償があれば安心なのかを考えたうえで、一般の海外旅行保険とクレジットカード付帯保険の違いや、保険料を抑えながら必要な補償を確保する方法を紹介する。
私が実際に海外旅行で使っているクレジットカードや、旅行先や日数によって補償額を変えている考え方についてもまとめているので、海外旅行保険の保険料をできるだけ抑えたい人の参考になればうれしい。
世界一周や3か月以上の長期旅行をする人は、こちらの記事も参考にしてみてください👇️
短期の海外旅行保険、いくら補償があれば安心?
短期旅行では、海外旅行保険の補償額はどのくらい必要なのだろうか。
保険料を安くしたいからといって、補償額を削りすぎるのも怖い。

海外では、日本では考えにくいような高額な医療費が発生することがある。
実際に、
- インドネシアでのダイビング送迎車横転事故:約689万円
- 中国での転落事故:約1,076万円
- アメリカでの溺水事故:約1,700万円
- タイでの心筋梗塞:約781万円
- エジプトでの脳内出血:約895万円
といった高額な保険金支払い事例がある。
アメリカの医療費が高いことはよく知られているけど、アメリカだけの話ではない。
途上国でも、外国人向けの設備が整った病院を利用すると、高額な治療費がかかることがある。
だから、海外旅行保険で特に重視したいのは「治療費」と「救援者費用」だと思う。
携行品損害や飛行機の遅延などは、ある程度なら貯金で対応できる。
一方で、何百万円、場合によっては1,000万円を超えるような医療費は、個人の貯金だけで対応するには大きすぎる。
もちろん、必要な補償額は、旅行する地域や期間、旅のスタイルによっても変わってくる。
どこまでの補償があれば安心できるかも、人によって違うだろう。

「治療費は無制限じゃないと不安」という人もいるだろうし、「足りない分は貯金から出す」と考える人もいる。
私自身は後者で、すべてを保険でカバーするのではなく、ある程度の金額までは海外旅行保険で備え、それを超えた分は預貯金から出すつもりでいた。
そこで、必要な補償額を一律に「○万円あれば十分」と考えるのではなく、実際の高額な医療費の事例を参考に、「自分ならいくらまで保険で備えておきたいか?」を考えてみた。
そのうえで、これはあくまで私個人の考えだが、短期旅行なら治療費の補償額は最低でも500〜600万円あればいいかなと思っている。
アメリカ等の医療費の高い国や、冒険旅行とかをするのであれば1,000万円以上はほしいところだ。
クレカ保険と一般の海外旅行保険、どちらを選ぶ?

手厚い補償を希望する場合や、治療費を無制限で補償してほしい場合は、一般の海外旅行保険を契約する方法もある。
海外旅行保険の保険料は、旅行先の地域だけでなく、年齢、旅行期間、補償内容などによっても変わる。
短期旅行であれば保険料はそれほど高額にならず、インターネットから簡単に申し込めるものも多い。
「保険料を払ってでも、補償内容をしっかり選びたい」という人には、一般の海外旅行保険が向いている。
一方、できるだけ保険料を抑えたい人は、クレジットカードに付帯する海外旅行保険を利用する方法もある。
保険料を抑えるならクレジットカード付帯保険を活用
クレジットカードには、海外旅行中の病気やケガなどを補償する海外旅行保険が付いているものがある。
すでに持っているクレジットカードに海外旅行保険が付いていれば、追加の保険料をかけずに利用できる可能性がある。
さらに、海外旅行保険が付帯しているカードを複数枚持っていれば、補償を組み合わせて備えることもできる。
ただし、カードによって保険の付き方や補償期間、利用条件などが異なる。
「クレジットカードに保険が付いているから大丈夫」と考えるのではなく、旅行前に条件を確認しておくことが大切だ。
クレカを複数枚持つと、補償額を増やせる

複数のクレジットカードに海外旅行保険が付いている場合、治療費用や救援者費用などは、複数のカードの補償を合わせて備えることができる。
たとえば、治療費200万円のカードを3枚持っていれば、合計600万円まで補償される。
一方、傷害死亡・傷害後遺障害は、複数の補償額を合算するのではなく、原則として最も高い補償額が基準になる。
複数のカードを持っていても、所有カードの中で最も高い補償額が上限となるので注意が必要だ。
自動付帯と利用付帯、何が違う?

クレジットカード付帯の海外旅行保険には、大きく分けて「自動付帯」と「利用付帯」の2種類がある。
自動付帯は、カードを保有しているだけで海外旅行保険が適用されるタイプ。
旅行代金をそのカードで支払う必要がないため、条件が比較的わかりやすい。
一方、利用付帯は、旅行代金などを対象のクレジットカードで支払うことで、海外旅行保険が適用されるタイプ。
利用付帯の条件はカードによってかなり細かく決められている。
対象になる支払いには、
- 航空機
- 電車
- バスなどの公共交通機関
- パッケージツアー代金
- その他、カード会社が指定する旅行関連費用
などがある。
最近はUberなどの配車アプリを利用することも多いが、こうした料金が利用付帯の対象になるかどうかもカード会社によって異なる。
さらに、対象になる場合でも、利用する国によって扱いが異なるケースがある。
そのため、利用付帯のカードを使う場合は、どの支払いが保険の対象になるのかを事前に確認しておきたい。
自動付帯と利用付帯、保険はいつから有効になる?

保険がいつから有効になるのかは、カードによって異なる。
自動付帯のカードは、基本的にカードを持っているだけで海外旅行保険が適用される。
旅行代金をカードで支払う必要がないため、出発時点から保険が有効になると考えるとわかりやすい。
私が持っているカードでは、「楽天プレミアムカード」がこのタイプだった。
一方、利用付帯のカードは、対象となる旅行関連の支払いをカードで行うことで、海外旅行保険が有効になる。
旅行前に旅行代金をカードで支払った場合は、出発時点から補償が始まる。
海外に行ってから、現地の公共交通機関などを対象カードで支払った場合は、決済完了時から補償が始まる。
私が持っているカードでは、「セゾンゴールドアメックス」「エポスゴールドカード」「Delightジャックスカード」「ジャックスカードシルバー」がこのタイプだ。
カードによっては、海外で対象となる支払いをして保険を「後乗せ」で有効にすることができない場合があるので、できれば出発時から保険が有効になるようにしておくと安心だ。
私が海外旅行で使っているクレジットカード5枚
ここからは、私が実際に海外旅行保険に利用しているクレジットカードを紹介する。
短期旅行でクレジットカード付帯の海外旅行保険を利用する場合の、一例として参考にしてほしい。
楽天プレミアムカード(VISA)

治療費:300万円
救援者費用:200万円
携行品損害:50万円
私が持っているカードの中で、唯一年会費11,000円(税込)を払っているカード。
唯一の自動付帯カードで、治療費や救援者費用などは自動で付帯する。
さらに交通費などをカードで支払うことで、死亡保障や携行品損害の補償額を上乗せできる。
もともと楽天銀行、楽天証券など楽天のサービスをよく利用していたこともあり、保険以外のメリットも考えてこのカードを選んだ。
もうひとつ、楽天プレミアムカードにはプライオリティ・パスの特典もある。
プライオリティ・パスは、世界各地の空港ラウンジを利用できるサービスで、このカードでは年間5回まで無料で利用できる。
セゾンゴールドアメックス(AMEX)

治療費:300万円
救援者費用:200万円
携行品損害:30万円
このカードは利用付帯で、私は年会費優遇型を保有している。
年間1回利用すれば翌年度の年会費が無料になる仕組みなので、比較的維持しやすいカードだ。
エポスゴールドカード(VISA)

治療費:300万円
救援者費用:100万円
携行品損害:50万円
このカードは利用付帯。
以前からエポスカードを持っていたところ、ゴールドカードへのインビテーションが届いたため、現在は年会費無料で保有している。
Delightジャックスカード(Mastercard)

治療費:200万円
救援者費用:200万円
携行品損害:20万円
年会費無料の利用付帯カード。
利用条件がホームページだけでは分かりにくかったため、ジャックスカード海外旅行傷害保険デスク(0120-075830)に電話で確認した。

その際、同じ国際ブランドのジャックスカードを複数枚持っている場合、1枚の利用付帯を有効にすると、同じ国際ブランドのカードも同時に有効になるとのことだった。
たとえば、Mastercardのジャックスカードを2枚持っていれば、1枚の利用で2枚とも保険が有効になる。
ただし、ホームページにはこの記載がないため、私は念のため2枚とも対象となる支払いをしている。
ジャックスカードシルバー(Mastercard)

治療費:200万円
救援者費用:200万円
携行品損害:20万円
ジャックスカードシルバーも、年会費無料で持てる利用付帯のカード。
補償内容はDelightジャックスカードと同じだ。
旅行先によって補償額を変えるという考え方
私が持っているクレジットカードの補償額を単純に合計すると、
- 治療費:1,300万円
- 救援者費用:900万円
- 携行品損害:170万円
となる。
ただ、いつもすべてのカードを有効にしているわけではない。
アメリカなど医療費の高い国へ行く場合や、トレッキングなどをする場合は、できるだけ手厚くしている。
一方、韓国へ数日間グルメ旅行に行くような場合は、治療費800万円程度の補償で旅行することもある。
このように、旅行先や旅行日数に合わせて、何枚のカードを有効にするかを決めている。
海外で病院にかかったら?「海外療養費制度」も知っておこう
日本の健康保険には、海外で支払った医療費の一部を払い戻してもらえる「海外療養費制度」がある。
ただし、海外で支払った医療費が、そのまま全額戻ってくるわけではない。
海外療養費は、海外で実際に支払った医療費をそのまま基準にするのではなく、日本国内で同じ治療を受けた場合の保険診療費を基準に支給額が計算される。

海外で支払った医療費が、日本国内で同じ治療を受けた場合の保険診療費より安かった場合は、実際に支払った金額の7割が支給額の目安となる。
一方、海外で10万円の医療費を支払っても、日本で同じ治療を受けた場合の保険診療費が5万円なら、5万円の7割にあたる3万5,000円が支給額の目安となる。
そのため、海外の医療費が日本より高額だった場合は、支給額との差額が大きくなり、自己負担が増えることもある。
海外療養費制度があるから海外旅行保険はいらない、とは考えず、あくまで海外旅行保険の補助的な制度として知っておくと安心だ。
トレッキングやスカイダイビングは、保険の対象になる?
トレッキングやスカイダイビングなど、旅行先でアクティビティを楽しむ場合は注意が必要だ。
保険によっては危険スポーツなどが補償の対象外となる場合があるため、出発前に確認しておきたい。
私も以前、エベレストベースキャンプ(EBC)や南米のパタゴニアでトレッキングを楽しんだ。
雪道では軽アイゼンを使うこともあるため、こうしたトレッキングが海外旅行保険の補償対象になるかも確認が必要だ。
軽アイゼンを使うトレッキングの海外旅行保険については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてほしい。
海外旅行保険は「安さ」だけで選ばない
クレジットカード付帯の海外旅行保険は、保険料を抑えたい人にとって有力な選択肢だ。
すでに持っているカードに保険が付帯していれば、新たに保険料を払わずに補償を確保できる場合もある。
ただし、クレジットカードの利用条件や補償内容は変更されることがある。
旅行に出発する前に、最新の補償内容や利用条件をカード会社の公式サイトなどで確認しておきたい。
海外旅行でいつ何が起こるかは分からない。
私自身、以前の海外旅行で体調を崩し、帰国してすぐに救急車で病院に運ばれ、そのまま緊急入院したことがある。
だからこそ、「自分は大丈夫」と思わず、万が一の病気やケガに備えておきたい。
海外旅行保険は、単純に「安いかどうか」だけではなく、大きな怪我や病気があったときに、きちんと備えられるかを考えて選ぶことが大切だと思う。
海外50カ国以上の旅で実際に役立った、旅の準備情報をまとめています👇️



